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完全生菜食ではなく、一部生菜食とした場合の効果はいかに

2014年01月31日 | 食養

完全生菜食ではなく、一部生菜食とした場合の効果はいかに

 2014.1.13に「生菜食の是非について考える」と題して記事にしました。
 そこでは、部分的に生菜食を取り入れた場合の効果の有無については全く触れることができませんでした。よって、本稿において、それを説明したいと思います。
 しかし、これをどう評価して良いのやら、実はあまり自信がありません。小生が現在持ち合わせている乏しい知識から推測するしかありませんので、その点ご容赦ください。

 先ずは類人猿の食性からアプローチを試みます。
 ヒトはチンパンジーやゴリラと非常に近い種ですから、ヒト本来の食性は類人猿と同じと考えて良いのですが、チンパンジーは非常に興味ある肉食行動を取ります。
 彼らは時折オスたちが集団で狩猟し、捕らえた獲物を分捕りあって食べます。群によって頻度は異なるようですが、年間十数回にもなることがあるようです。
 これは、彼らが社会生活する中で積もり積もったストレスを解消するために行うようでして、腹が減ったから狩猟しようというものでは決してないです。また、食糧不足のときよりも食糧が豊富なときの方が頻発するとのことですから、代替食糧ではありません。そして、近縁のゴリラは狩猟をしませんから、動物性たんぱく質の補給目的でもありません。
 チンパンジーの主食は果物で、それが十分に手に入れば木の葉は食べないのですが、果物が欠乏すると木の葉もどれだけか食べるようです。それが、狩猟して動物の肉や内臓などを食べるときには、必ず木の葉も食べます。これは大変特徴的なことです。
 一方、ヒトの場合、欧米人は肉が主食と言っていいくらい肉をたくさん食べますが、肉を食べるときは生野菜も随分な量を摂るのが一般的です。その肉は日本人が好むものとは違って生肉に近いものです。チンパンジーの肉食時と同じ食文化です。
 日本人も肉をもりもり食べる場合は、よく焼けた肉であっても生野菜を欲します。その一例が、焼いたカルビをサラダ菜で包んで食べるという食文化です。これは、30年以上前に韓国を訪れたときに聞いた話ですが、日本人の旅行者か駐在員が
カルビ料理にサラダ菜を求め、これが日本人の間で先ず広まり、これは食べやすいとの評判が立ち、韓国人の間にも広まったとのことです。小生も、そうして食べたのですが、これならどれだけでも食べられ、もう一皿追加して食べたいと思ったほどです。

 このように、生肉かよく焼けた肉かは別にして、肉に生野菜という取り合わせは、チンパンジーにしろ肉食人種にしろ菜食人種にしろ、必須のものと考えて良いでしょう。
 煮たり茹でたりした野菜ではなく、生野菜でないと肉に合わない。これを体が欲するということですから、生野菜に何か大きな効果があると考えるしかないです。
 “肉には毒があり、それを打ち消してくれるのは生野菜の毒で、毒が毒を消す”とも言えます。これは、チンパンジーの場合は一面当たっていましょう。なぜならば、彼らは本来は肉食をしない草食性のゴリラと同様に純粋な植食性(※)ですから、肉は毒になりますし、また、彼らが暮らす熱帯の樹木の葉にはどれも皆、大なり小なり毒があるからです。
(※チンパンジーもゴリラも、
蟻(アリ)を好んで口にしますが、これは食と言うよりも薬(関節の消炎剤)として摂っていると思われますし、量的にもたかがしれていますから、昆虫食とは考えないことにします。)
 でも、人が食べる生野菜は品種改良されていて毒らしい毒は含まれていませんから、“これはちょっとどうか?”ということになります。しかし、小生は、ここに何か隠されているような気がするのですが、ただ単にそう思うだけで何ら科学的根拠はありません。

 次に、漢方の陰陽論から説明を試みましょう。
 大半の肉は、塩とともに体を温める食品の横綱と言えます。文明社会においては、肉の味付けに必須の塩ですから、調理した肉を食べれば、体はグーンと陽性に傾きます。
 いたって健康な人は陽性傾向にありますから、肉に塩という陽に陽では極陽になってしまい、体に熱がこもってしまいます。それでは具合が悪いですから、肉を食べるときには、体を冷やしてくれる生野菜
を自然と欲することになるのです。
 このように、肉に生野菜の取り合わせは、漢方の陰陽論で、うまく説明できます。

 先日書いた「生菜食の是非について考える」の中で、故・甲田光雄氏の長年の臨床経験から、年がら年中、毎日煮たり茹でたりした食品(陽性食品)ばかり摂っていると、体質はどんどん陰性に傾いてしまい、これはよくないことを述べました。このことからも、誰もが、大半が陰性食品である生野菜を意識して摂る必要がありましょう。
 かといって、年がら年中、毎日のように生野菜を摂る必要があるというものではないと思われます。真冬には外気によって体の芯まで冷えていることが多いですから、そうした場合の食事は、野菜であっても陽の陽(煮たり茹でたりし、かつ、熱いもの)が求められ、鍋料理や汁物が適しています。そして、春になり暖かくなってから、生野菜のサラダなどをいただくことにすればいいでしょう。また、真夏には陰性傾向にある人でも体に熱がこもりがちになりますから、夏野菜を生でパクパク食べて体を冷やさねばなりません。
 こうしたことは、意識しなくても体が自然と欲することですが、漢方の陰陽調和の理論からも言えることです。

 さて、これより表題に掲げました「一部生菜食とした場合の効果」について、小生が今現在思っている最大の効能を述べさせていただきます。
 限度を超えない範囲であれば、体は動かせば動かすほどに筋肉が鍛えられ、
体はよく動くようになります。同様に、頭も使えば使うほど頭の働きがよくなります。
 これと一緒で、胃や腸も限度を超えない範囲で鍛えてやれば丈夫になりましょう。ただし、過食、飽食は胃腸にとっては限度を超えたものとなりますから、これはだめです。
 胃や腸を鍛える最高の方法は、食事の質であり、何よりも胃壁や腸壁を刺激してあげることです。煮たり茹でたりした野菜は柔らかくなっており、刺激することは期待できませんが、生野菜はすり潰したものであっても、小さいながら硬い組織片がそのまま残っており、これが胃壁や腸壁を擦り、突き刺しもします。
 突き刺しの一例が山芋のとろろです。とろろが口の回りに付いたりすると痒みが生じたりしますが、これはシュウ酸カルシウムの針状結晶が皮膚に突き刺さることによるもので、これは同様に胃壁・腸壁にも突き刺さり、刺激することになりましょう。
 よって、生野菜を毎日食べれば、胃壁や腸壁が刺激され、それがために胃腸の蠕動運動が盛んになろうというものです。これによって、胃腸は鍛えられてだんだん元気になり、本来の役割を果たすようになってくれることでしょう。
 このことは、胃潰瘍の方、重い胃下垂の方などが、生野菜を生理的に受け付けないことからも推し量られます。胃がひどく荒れていたり、胃が極単に弱ければ、生野菜の刺激に耐えられませんから、吐き戻したり、停滞させる(膨満感が生ずる)しかなくなるのです。
 なお、極度の冷え症の方が生野菜を受け付けないのは、これ以上に低体温になっては生命維持に支障が生ずるとして胃腸が受入れを拒否するからでしょう。
 以上のことは、故・甲田光雄氏の著書「冷え症は生野菜で治る」及び「断食療法の科学」に書かれていることの要点を、小生なりに解釈して述べさせていただいたものです。ただし、とろろに関する説明の部分は小生の私見です。

 生野菜の効能については、この他に「植物酵素やビタミン・フィトケミカルなどが熱で壊されることがない」といったことが強調して挙げられることが多いのですが、小生はこれについては否定的に捉えています。植物酵素については2013.12.15の記事「酵素は誇大広告、でも発酵生成物は体にいい」で詳述しましたし、ビタミン・フィトケミカルが熱で壊されるとしても大したことはないと考えられるからです。
 その他の効能として、生野菜は多食できないから過食にならない点が挙げられます。これは確かなことですが、往々にして生野菜は体にいいからといって、通常の食事にオンして食べてしまい、その効果が発揮されるのはまれなものとなりましょう。

 いずれにしましても、生野菜が体にいいことは経験的に確かなことですから、大いにすすめられることになります。
 でも、長く続けてきた今までの食事に胃腸はそれなりに慣れ親しんでいますから、急激な変化には着いていけません。いきなり量多く生菜食を始めると、胃腸を壊す恐れがあります。甲田氏によれば、どんな場合も少しずつ食事内容を変えていって、胃腸を慣らしてやらねばならないとのことです。
 生菜食を始めるにあたって最も失敗するケースは、手作りの青汁とのこと。
 生野菜をあまり食べていなかった人が青汁が体にいいからといって、ミキサーやジューサーで大量に作ってそのまま飲むと、胃が丈夫だと思っている人でも胃を荒らすことが多いようです。最大の原因は、生の葉緑素が胃壁を過剰に刺激するからだそうです。
 よって、手作りする青汁は、青葉が主体であれば3倍量ぐらいになるよう水で薄め、かつ、ほんの少しの量から飲むようにせねばならないし、胃腸が青汁に慣れても、水で3倍量ぐらいに薄める必要があるこのことです。
 できれば、安全策を取って青汁を始める前に、大根や人参などの根菜のおろしで慣らし運転をするとよいとのことです。
 なお、青汁が飲みにくい場合は、最初のうちは、布で粗い部分(胃壁・腸壁への刺激が強すぎる)をこしとったり、塩を適量加える(陰性に陽性を加えて中庸にする)と、飲みやすくなり、胃腸への負担(もたれなど)も少なくなるようです。
 また、刻んだ生野菜をいきなりバリバリと食べ始めると、胃腸を壊す方がけっこう多いようです。これも、胃壁や腸壁への刺激過剰によるものです。
 そして、順々に生野菜の量を多く摂るようにしていくのですが、必ずそれに見合う分の他の食材、特に動物性食品や油物を思い切って減らしていくという食事へ切り替えていかないことには、生菜食の効能が十分には発揮されないことを、よく承知しておいていただきたいとのことです。

 ここからは小生の見解ですが、青汁にしろ、刻んだ生野菜にしろ、冷蔵庫でかなり冷やされたものを直ぐに胃に入れがちですから、胃腸を極端に冷やしてしまいます。
 胃腸を冷やすことほど健康に悪いものはないと言えますから、青汁なら常温にしてからゆっくり飲む必要がありますし、サラダや一夜漬けなどはよく噛んで口の中で温めてから胃に送り込んであげる必要がありましょう。
 また、生野菜を食べる時刻というのも重要です。朝食時に摂られる方が多いように思いますが、これは避けたいです。朝は体温が低く、胃の温度も低いです。その胃をさらに冷やしますから、胃への負担が大きすぎます。
 なお、胃にやさしい食事であっても、食後すぐに活動を強いられる朝ですから、胃への血流が細ってしまい、胃が十分に活動することができません。
 できれば、甲田氏も言っておられるように、朝食は抜くべしとなります。
 こうしたことから、生野菜は、胃の温度が上がってきていて、かつ、食後にたっぷり休憩が取れ、胃が十分に活動できる昼食なり夕食時に摂るべきものでしょう。
 最後に、肉ばっかり食べて生野菜をちっとも食べない方へ一言申し上げます。
 ヒトの親戚であるチンパンジーを少しは見習ってください。
 野生動物の食というものは、実に理にかなったものとなっていますからね。

 十分な説明ができないまま長々と書き綴ってしまい、読者の皆様には申し訳ありませんでした。なお、本稿は未定稿です。新たな知見が得られれば…いつになるか分かりませんが…追記したいと思っています。
 また、チンパンジーの主食は果物ですから、これがヒトにどのような効果を及ぼすかについて、記事を起こしたいと考えています。(追記:これについては、2014.2.23 「 果物は体にいいのか?人の健康を害するのか? 」と題して記事にしましたので、ご覧ください。)

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減塩ではなく、1か月に1日「塩断ち」して「塩持ちの良い体質」に改善

2014年01月20日 | 正しい栄養学

減塩ではなく、1か月に1日「塩断ち」して「塩持ちの良い体質」に改善
 (最新追記 2020.1.27)

 2012.8.17付けで「 減塩は大間違い!塩味を楽しんでイキイキ元気! 」と題して、食塩摂取のすすめを若杉友子さんの著を元にして書きました。
 その中で、食塩を1日に30gも摂って良いような記述があったり、毎日十二分に食塩を摂るべしと受け留められる内容になっていたりして、これを読まれた方は、塩分をかなり過剰に摂取しても問題がないと受け留められたかもしれません。記事の中で、過剰摂取の戒めは、せいぜい次の件(くだり)があるだけですからね。
  自分でおいしいという適塩にして食べることなんですよ。
  塩気は取りすぎても足らなくてもだめなんですよ。
  「塩梅(あんばい)」という言葉があるように、その人に合う「適塩」があります。

 なにしろ、この世は減塩一色で、そうしたことから無理して減塩し、体調を崩しておられる方がけっこう多いです。これは、胃がんや高血圧との関係が深いと取り沙汰されているからですが、これも間違いで、冒頭の投稿記事の直ぐ前に連続して記事にしました。
 また、漢方では、塩は腎(腎臓・副腎・生殖器)を養うとし、基本的には減塩をすすめてはいません。むしろ、冬期は体を温めるためにも塩の積極的な摂取をすすめています。もっとも、夏は過剰摂取に気を付けよ、となっていますし、海縁の地域では年間を通じて過剰摂取気味になるから注意せよ、とはなっていますが。
 こうしたことから、塩に様々な効能があることを知っていただくために、食塩摂取推進派の紹介が必要であろうと思い、記事にしたところです。
 ところで、<その人に合う「適塩」があります>という件について、著には何も書かれていませんでしたから、「適塩」とはどの程度のものなのか、これが気になっていました。
 あれから1年半近くが経った、つい最近のことですが、このことに関して新たな知見を得ましたので、遅ればせながらそれを説明させていただきたいと思います。
 出所は、故・甲田光雄氏の著「断食療法の科学」(春秋社)と「冷え症は生野菜で治る」(文理書院)でして、甲田氏は、食養の大家・石塚左玄やその流れを汲むマクロビオティックの提唱者・桜沢如一(その流れをくむ若杉友子さん)の理論を、ある面で批判的に捉えておられ、食塩の摂取についても同様です。
 甲田氏の理論は、自らの人体実験をもとに2度にわたる臨床実験や数多くの治験例から生み出されたものですから、信憑性が高いと考えられます。
 以下、その要旨を紹介することにしましょう。

 陰性体質の人が陽性食品(塩)を多く摂って陰陽調和を図るという食事法は、それなりの素晴らしい真価を持っています。事実、これによって治病効果は現れ、また、健康維持の役に立つことは認められますが、しかし、これでは本質的に陰性体質を陽性体質に改造することはできないのです。
 実は、陽性体質の人は塩持ちの良い体質です。少ない食塩でやっていけ、尿や汗からの損失が少ないです。それに対して、陰性体質の人は、量多く食塩を摂取して陽性化を図り、調和を図っているのでしょう。その結果、そうした人は、体から塩がより多く逃げていく、塩持ちの悪い体質になっています。
 例えば、陽性体質の人が1日5gの食塩でやっていけるとします。それに対して、陰性体質の人は1日20gの食塩摂取で調和を図っているとしましょう。陰性体質の人は、これによって、見かけ上は比較的陽性化が図られていますが、体質そのものは決して積極的陽性化ではなくて、むしろ比較的陰性化さえも惹き起こす傾向があります。
 そして、この陰性体質の人が、もう少し陽性化させようと、1日30gの食塩を摂取したとしますと、より多くの塩を逃がさざるを得ず、いっそう塩持ちの悪い体質になってしまいます。つまり、体質はより陰性化してしまうのです。そして、このような過剰な塩分摂取を続けると、寒さをより強く感ずるようになるのです。
 なお、このような急に10gもの食塩過剰摂取を行うと、体内塩分量の高まりから、むくみが出て、それがもとで肩こりや頭重が生じたりします。でも、1週間、10日すると、生体反応により、症状も和らぎ、より多くの塩を逃がす体質に容易に変わってしまいます。
 こうして、食塩は体を温めるからといって意識的に摂っていると、次第に塩持ちの悪い体質になり、味覚がより濃い塩味を求めるようになってしまいます。
 そこで、そうした人は、塩抜きをして塩持ちが良い体質に変換せねばなりません。
 極端な方法は水しか飲まない断食です。生体反応により、塩の再吸収能力が増します。これをしばしば繰り返して行うと、だんだん塩持ちが良い体質に変わってきます。
 なお、10日、2週間といった長期の水しか飲まない断食をすれば、1回で塩の再吸収能力はぐんと高まっており、回復食は努めて薄味にせねばなりません。
 このような断食は、体内塩分の極端な欠乏により、ひどい倦怠感に襲われたり、様々な体調不良をきたしますので、あまりおすすめできません。
 それに代わる方法として、野菜粥を食べる方法があります。米の中に各種野菜や芋類を入れて炊き上げるのですが、醤油や食塩はもとより、砂糖その他の調味料も一切加えてはいけません。食塩が食材にわずかばかり含まれるこの食事を1日だけ取るのです。できれば、朝食を抜いて昼と晩の2回の食事とし、少食にします。
 なお、最初からこうした丸一日の塩断ちに耐えられないようなら、夕食は普通食にするというふうに、徐々に体を慣らしてから、丸一日の塩断ちを行われるといいでしょう。
 そして、丸一日の塩断ちを1か月に1回、できたら3週間に1回行われると、だんだん塩持ちが良い体質に変わっていきます。これによって、体質を陰性から陽性の方向に向かわせることができるのです。
 次に、減塩生活に入り、塩味を我慢しておられる人がみえます。つまり、食塩の摂取不足の状態にある人です。こうした人にも、丸一日の塩断ちは効果的で、さらにだんだん塩持ちが良い体質に変わっていきます。そして、薄味を美味しく感ずるようになります。
 このように、極端な塩断ちを繰り返し行ってやると、生体はそれに対応する力を順々に付けてきて、少量の食塩でもって悠々と生活できるようにもなるのです。
 これは、腎臓病でむくみ気味の人の治療にも効果的で、その場合は1週間に1回の塩断ち日を設定して行うとよいです。

 以上、甲田氏の著からの要約ですが、しかし、今日は大寒、これから10日ほどが一番寒い時期になります。体の芯まで冷え切ってしまうことがあります。
 こうしたときには、やはり、陰性体質(体の芯の冷え)には陽性食品(塩)を多く摂って、陰陽調和を図るという食事法が求められますし、暖かい料理を食べたいものです。
 味噌鍋やすき焼きといった塩分の多い料理は、この時期、おすすめです。
 これによって、一時的に塩持ちの悪い体質へと向かうという欠点はありますが、暖かくなった春以降に味付けを少々薄味にし、かつ、塩断ちを定期的にやれば塩持ちの良い体質へ変換できるというものです。

 ところで、一般的に
外食やスーパーの惣菜は年間を通じて塩分が多い傾向にあります。これは、塩味を利かせて素材の悪さを隠し、さも美味しく感じさせるテクニックです。
 こうしたものに慣れている人は、知らす知らずのうちに食塩の摂取過剰になり、塩持ちの悪い体質になっています。
 皆で同じ食事をして、他の人が塩辛いと言っても、自分はそのように感じないとなると、それは塩持ちの悪い体質で、恒常的な食塩の摂取過剰にあると考えねばなりません。
 そうした人は定期的な塩断ちが必要になりましょう。
 食塩の過剰摂取によって塩持ちの悪い体質になることは、陰性体質つまり冷え症の傾向を高めることになり、健康上よくありませんからね。

 さて、小生はどうかと言うと、昨年に高齢者の仲間入りをし、少々冷え症気味になってきているのを実感しています。つまり体質は陰性の方向に向かっています。
 これを阻止し、陽性体質へ転ずるには、塩断ちを定期的に行うのも、どれだけかの助けになるとは思っています。
 しかし、味覚は比較的薄味が楽しめる状態にあり、外食の塩辛さに閉口することが度々ありますから、まずまず塩持ちのよい体質と思え、年に最低1回の複数日断食でもって、これに代えたいと思っています。

 この記事で明らかにしようと思いました<その人に合う「適塩」があります>について、十分な説明ができませんでしたが、皆様にどれだけかの参考になれば幸いです。

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生菜食の是非について考える。完全生菜食で信じられない健康体に!

2014年01月13日 | 食養

生菜食の是非について考える。完全生菜食で信じられない健康体に!

 新鮮な野菜は生きているが、煮炊きすると死んでしまい、生命力のないものを食べても意味がない。野菜は生(なま)で食べて、はじめて本来の効果が得られる。

 このように言われることが多いのですが、観念的には、そのとおりだろうと思われるものの、果たして、どこまで本当なのでしょうか。
 このことについては、いまだ科学的に解明されておらず、これは永久に解明されないようにも思われますが、経験則として、どれだけかのことが分かっています。
 本稿においては、小生が今までに知り得たことについて、その概略を述べつつ、逆に、煮炊きすることによって得られる効能についても論ずることにします。

 ヒト以外の動物は、火食(煮炊きしたり、焼いた物を食べること)をしません。ヒトも遠い祖先にあっては火食をしていなかったことは間違いありません。
 ヒトが火の利用を体得したのは約150万年前とも言われますが、その確たる証拠はなく、遺跡調査によれば最古の焚き火跡は約80万年前のもののようです。それ以降、盛んに火食するようになったかというと、これも怪しいです。
 その当時の原人の主食は芋類と思われるのですが、今日、未開な地で行われているような、焼いた石でもって芋を蒸し焼きにする方法、あるいは芋を焚き火の灰の中へ入れて焼く方法
を既に採っていたのか、そうした面倒なことをせずに生で齧っていたのかどうか、これがよく分からないのです。
 なお、ヒトが穀類を食べるようになったのは、どう考えても、ごく最近のことでして、麦をすり潰してパンを焼いた最古の遺跡が約2万3千年前のものですから、たぶんそれ以降のことだと思われます。
 そして、ヒトが盛んに穀類(地域により麦または米)を食べ始めたのは、人口密度が高まり、食糧不足になって面倒でも農耕を始めざるを得なくなり、新石器時代に至った、高々約1万年前からと思われ、この時点から火食が主体になったものと思われます。穀類は生で噛むのは難儀ですから、面倒でも手を加えて調理するしかなく、脱穀した上で、麦は製粉し焼いてパンにし、米は蒸したり煮たりして食べたに違いありません。

 ところで、芋類も穀類も主成分はでんぷんで、生はベータでんぷんの状態になっていますから、ヒトの消化酵素では少ししか消化されませんが、水を加えて熱することによってアルファでんぷんに変性し、これでもって格段に消化されやすくなります。
 このことからすると、火の利用を体得した原始人は、これを知っていて、古くから芋の火食を始めていた可能性も捨て切れません。
 熱帯、特にアジアでは、各種芋類の自生地がいたる所にあり、株分けして幾らでも増やせますから食糧難になりにくく、米の栽培は大幅に遅れましたし、現在でも芋類しか栽培していない地域もあります。そして、ニューギニア高地民族となると、芋類と少々の野草以外はほとんど食べない(飼っている豚は年に数回の祭礼時などに食べる)のですが、芋類は
生食ではなくて火食です。その彼らは、すこぶる健康で、持久力は抜群、裸でも寒さにめっぽう強いです。穀類に無縁の彼らは何万年か前にアジア大陸からニューギニアへ移住してきたと思われますから、それ以前から行っていた芋類の火食を今日までずっと続けているとも考えられるのです。
 こうしたことからすると、原人時代の焚き火跡の遺跡がほとんど発見されていないものの、芋類の火食は随分古くから常態化していた可能性があります。
 そして、焼いた石でもって蒸し焼きするには芋類の他に野草や硬い果物
も一緒に入れていたことでしょう。さらには、祭礼時などには捕獲した動物も加わったと思われます。

 ここで、火食の有利性について概説しておきましょう。
 最大の効能は、でんぷんが熱変性してアルファ化し、ヒトの消化酵素で格段に消化が進むようになることです。唾液でかなり消化でき、そして小腸でほぼ完全に消化され、エネルギー源となるブドウ糖が容易に得られます。
 次に、たいていの物が軟らかくなって、咀嚼しやすくなり、胃腸への負担を大幅に減ずることができます。また、コロイド状になりやすく、消化効率が上がります。これによって量多く食べることができる利点がありますが、過食へ走らせる欠点を併せ持っています。
 3つ目が、植物が有する有害成分の無毒化です。煮汁にアクが溶け出し、それを捨てることによって無毒化(弱毒化)するのですが、熱で無毒化するものもあります。
 以上のことは、一般常識として知られていることで、おさらいの意味で紹介しました。

 火食については、中医学(漢方)で、これをかなり重視しているようです。
 その一つが、冷え症の改善です。
 中医学の陰陽論からすると、冷え症=陰性体質と考えてよいです。一方、体がポカポカして真冬でも薄着でいられる方、これは陽性体質と考えてよいです。
 一昔前までは“子供は風の子”と言い、子供は陽性体質でした。それに比べ、お年寄りは寒がりになり着込んでコタツに入るというふうに陰性体質に変化していきます。
 文明社会では、これが普通なのですが、一部の子供そして若い大人であっても陰性体質であるがゆえに、その程度の差にもよりますが、様々な疾患を抱えて苦しむというケースが少なからずあります。そして、近年、これが非常に多くなってきています。
 この陰性体質を改善するための食養生として、体を冷やす食品を避け、体を温める食品を摂ることがすすめられます。ことわざに“秋ナスは嫁に食わすな”とあるのは、子を授かるであろう嫁の体を冷やしてしまっては妊娠できなかったり流産する恐れがあろうというものです。そして、夏野菜は体を冷やして体に熱がこもらないようにしてくれ、冬が旬の根菜類は一般的に体を温めてくれる、というものです。
 中医学では、あらゆる食品を「熱、温、平、涼、寒」の5区分(一般的には「温、平、冷」に3区分)し、食養生の参考にしています。そして、体を冷やす食品であっても、熱処理することによって体を温める食品に変わるということが経験的に分かっていますから、陰性体質の方には、これがすすめられます。ただし、食品によって変化の程度に差があり、中には変化が認められないものもあったりするようです。
 いずれにしましても、陰性体質の改善には火食が望ましいものとされます。こうした食生活にすると、陰性体質に起因する様々な症状を緩和することが期待できるのです。陰には陽でもって陰陽のバランスを整えるというものです。

 ところで、火食による食養生法とは本質的にどういう療法かと言いますと、それは対症療法です。冷えるから温めるという、症状そのものに短絡的に直接対処する療法です。
 しかし、これは中医学の本道ではありません。中医学では、症状即療法が本道であり、例えば、風邪を引いて熱が出てきたら体を温めて熱を逃がさないようにし、これでもって自然治癒力を高め、治りを早くし完治させるのです。風邪を引いて熱が出てきたら解熱剤で熱を下げる、という対症療法では自然治癒力が発揮できず、風邪は長引くばかりです。
 これと同じで、体を温める食品で冷え症が一時的に良くなっても、それは見かけ上の“疑似陽性体質”であって、実際には陽性体質に変わっていないのです。
 そして、年がら年中体を温める食品ばかりを摂り続けていると、体質はますます陰性化してしまいます。温室育ちがひ弱な体になるのと同じことです。
 その冷え症を根治するには、中医学の基本に立ち返れば、「冷え症は体を冷やして治す」という症状即療法が本道でしょうから、これを適切に行えば、陰性体質が
陽性体質に変換する、つまり真に体質改善できて健康体になろうというものです。

 その症状即療法の一つが長期断食と言えましょう。
 長期断食すれば、その間は体は冷え続け、様々な症状が悪化しますが、それを乗り切ることによって、陰性体質が劇的に陽性体質に変換することが期待できます。もっとも1回ではだめで、何度か長期断食を繰り返す必要がある場合が多いようです。
 この療法は、元々は陽性体質の方が暴食を続け、特に甘い物好きで冷え症になってしまった場合に効果的な方法のようです。
 ただし、長期断食による様々な症状の悪化は“症状即病気”となる恐れがあり、生死に関わることになりかねませんから、決して独断では実行なさらないでください。
 もっとも、単なる冷え症だけでは、長期断食などという苦行はできませんが、各種の難病は冷え症と密接な関係にありますから、難病の治療にはかなり効果的なようです。

 もう一つの症状即療法が、本稿がテーマとする「生菜食」です。
 これには、数多くの治験例があります。特に、故・甲田光雄医師による60年にわたる様々な臨床の積み重ねから素晴らしい結果が出ています。
 基本的には、肉を断ち、火食を全くせず、数種類の生野菜を中心に、穀類は生の玄米を少々といったものです。生野菜は多くのものが体を冷やす食品ですから、これによって体は冷え続けます。また、生野菜や生玄米はたくさんは食べられませんから、カロリー摂取量は通常1000キロカロリー以下となり、カロリー不足が輪をかけて体は冷え続けます。これを少なくとも3か月、半年、そして1年2年と続け、場合によっては一生続けるというものです。
 ただし、極度の冷え症の場合は、生野菜を受け付けない体質になっていて、まずは皮膚への寒冷刺激で冷え症を少々改善させてからでないと生野菜は食べられないようです。
 
(なお、健康が取り戻せたからといって、生菜食を止めて以前の食生活に戻すと、元の木阿弥になってしまう恐れもあるとのことです。)
 その治験例については、著「生菜食健康法」(春秋社)、「冷え症は生野菜で治る」(文理書院)などで数多く紹介されていますが、先日記事にした「人はどれだけ食べれば生きていけるか(2013.10.17)」の中で紹介した森美智代さんもその1例です。
 この場合も、断食と同様に、生菜食を始めた当初は様々な症状が悪化することが多く、個人差があるようですが、3か月、半年と経って、「宿便」の排泄を切っ掛けにして、はじめて
陽性体質に体質変換し、病症も消えるようです。

 ところで、甲田氏は幾冊かの著で、その治験例から、体質変換は「宿便」を排泄することによって起きる、と主張されています。よって、いかにして「宿便」を排泄させるか、これに重点を置き、その食事療法を断食を含めて研究してこられました。
 こうしたことから、冷え症の抜本的改善には、生菜食だけではだめで、生菜食期間中にときどき断食を挟む必要があるようです。また、併せて皮膚の鍛錬や腸に良い刺激を与える運動も毎日行う必要があるようです。

 いずれにしても、生菜食に劇的な効果があることが経験的に分かったのですが、甲田氏は、その科学的解析に関しては、次のようにおっしゃっておられます。
 …私たちの祖先は…全て生のものをそのまま食べていた…、私たちの体は元来、生のものを消化分解するのに都合のよいように適応してきたのです。…「生の食材」は、体内に入ってからその人の生命力を高めてくれる力を秘めている…。
 (甲田光雄監修<奇跡が起こる「超少食」>(マキノ出版)より引用)
 なお、甲田氏の幾冊かの著から、氏の知見として、次のことが言えるとのことです。
 完全な生菜食を続けていると、腸内細菌がそれに適した、ヒト本来の腸内細菌にだんだん変わっていくようで、その腸内細菌の働きによって、ヒトの消化酵素では消化できないものが、発酵という別の形でもって有機酸(酢酸、酪酸、吉草酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸=エネルギー源)やアミノ酸に分解生成され、これがヒトの栄養となる。

 生菜食する食材の全てを火食しては、陰陽論や症状即療法の所で述べましたように、体質改善の効果が得られないようです。実際、先に紹介した森美智代さんは、少しばかりの大根おろしさえ受け付けない体質であったがために、完全火食による玄米菜食の少食を長く実行するも、症状は悪化するばかりでした。
 このように、玄米菜食の少食であっても、生食か火食かで極端な相違が出るのです。

 ここからは、小生の推測になります。
 そうなってしまうのは、生の食材に含まれる何かの有用物が直接ヒトの体に吸収されて効果を発揮するとも考えられますが、生菜食の効果は通常かなりの遅効性であることから、どうも直接的効果ということではなさそうです。
 ちなみに、生菜食を始めると、やたらとおならが出るようになりますが、これは植物に含まれる酵素による発酵が原因であろうと、甲田氏は言っておられ、そして長期間生菜食を続けて体が生菜食に馴染んでくると、おならが少なくなると言っておられます。
 こうしたことからすると、腸内細菌の関わりが大きいのではなかろうかと思われます。
 つまり、生の食材でないとヒト本来の腸内細菌群が育たないか、あるいは適正な発酵を行うことができず、腸内細菌によるヒトに有用な有機酸やアミノ酸さらにはビタミン類の生成がなかなか進まない、と考えた方が良いように思われます。
 そして、生菜食を続けていると、それに適した腸内細菌群がだんだん勢力を伸ばしていき、ついには速やかに発酵を行うようになるのではないでしょうか。
 このことは、おならの出方から推測されます。つまり、生菜食の初期においては、腸内細菌による発酵力が弱く、植物の自己融解(植物に含まれる酵素による自己細胞の消化)に伴うガス発生が多いのに対し、腸内細菌群が生菜食に適したものに代わることにより、植物が自己融解する前に腸内細菌による発酵が行われ、この発酵によるガス発生は少ないと解してよいのではないでしょうか。

 小生思うに、ヒトは進化の歴史の中で、火食に適応した体質をまずまず獲得していて、栄養源の多く(特にエネルギー源)を自力で消化吸収するようになり、その結果、腸内細菌による発酵という助けを借りなくなってしまった、ということではないでしょうか。
 しかしながら、元来のヒトは、近種のゴリラと同様に後腸発酵動物であって、自らの消化酵素でもって栄養を賄いきれるも
のではなく、主として腸内細菌が作り出してくれる発酵生成物を栄養源としていたものと考えられますから、まだまだこちらの方がヒトに適した食性であると言えましょう。
 さらには、腸内細菌の活発な活動に伴って、かなりの発酵熱が生産されるでしょうから、これによって内から体温が高まり、つまり陽性体質を維持できようというものです。
 現に陰性体質の人が生菜食を半年、1年と続けていると、初めは冷えを強く感ずるものの、やがて真冬でも素足・薄着で過ごせ、寒さを感じなくなることが多いと言います。
 これは、腸内細菌による後腸発酵で生じた発酵熱に起因するとしか考えられないのではないでしょうか。これには類例があります。孫悟空のモデルになった小猿「キンシコウ」はチベットの極寒の地に住んでいますが、彼らは木の葉や皮などの食物繊維食であって、これを前胃発酵させ、その発酵熱でもって、小さな体であっても極寒に耐えられるのではないかと考えられています。

 ヒトの進化の歴史をたどっていくと、様々な面でいまだ進化途上にある感がし、その食性においても安定した状態には至っていないと考えられます。
 と言いますのは、個人差があるようですが、完全な生菜食に切り替えれば、何か月かすればそれに適応できてしまい、全ての方が驚くほどの健康体になるようですから、ヒト本来の食性を、少なくとも日本人は誰しもがまだ失っていないことでしょう。
 ところで、ヒトが代替食とした芋類、こればかりを生で食べる食生活をするとどうなるかについては、小生の不勉強で全く分かりませんが、ほとんど芋類ばかりの火食生活であっても、ニューギニア高地民族のようにすこぶる健康に暮らせる例があります。 
 となると、穀類・野菜など様々なもののほとんどを火食しても、同様に健康体でいられてもいいはずです。現代人にはそうした方は少ない感がしますが、江戸時代の庶民はかなりの健康体であったようですから、そのようにも思われます。
 こうしたことから、ヒトは進化の過程で、野草、芋類、穀類と順々に食材を広げていき、それに対応できる能力を順次身に付け、さらには火食にも対応できる能力さえも身に付けてしまっている、とも考えられます。
 ただし、ヒトのあまりの進化の速さに、その生体機能が十分に着いて行けているかとなると、これには疑問符が付きましょう。やはり、芋類や穀類は完全には体に順応できておらず、まだまだ代替食の域を出ていないように思われますし、火食についても同様に完全には対応できていないのではないでしょうか。
 ましてや動物食となると、これは代替食としても未完成で、イヌイット(エスキモー)だけが辛うじて代替食として対応できているだけでしょう。

 ここまで、食の質的な面から人の健康を考察してきましたが、人の健康は生活環境の良し悪し、毎日体を十分に動かしているか、絶えず寒冷刺激を受けているか、といったことと関係が深いですから、人の健康を食だけで論ずることはできません。
 また、食の面において、忘れてならないのが、食べる量と食事の時刻・回数でして、これらが健康に思いのほか大きく影響するようです。
 今や飽食時代。故・甲田光雄氏は、正しい食生活とはどんなものかを考えたとき、何よりもまず少食にせねばならないと言っておられます。

 本稿は、非常に長文となり、かつ、とりとめもない話となってしまい、申し訳ありませんでした。また、部分的に生菜食を取り入れた場合の効果の有無について論ずることできず、このことについては後日記事を起こしたいと思っています。
(追記)2014.1.31 それを記事にしましたので、よろしかったら下記をご覧ください。
  → 「完全生菜食ではなく、一部生菜食とした場合の効果はいかに
(再追記)2014.2.23 関連して次の記事を起こしましたのでご覧ください。
  → 「果物は体にいいのか?人の健康を害するのか? 」

(追記2)2014.3.4
 ほぼ完全生菜食を実行されている方のブログを見つけましたので、ここに紹介します。
 → 「日々花家 西式健康法食養指導士のブログ

追記3)2016.11.23
 7年間も果物(トマトなどの果菜類を含む)だけしか食べない食研究者が、先日テレビに登場されていました。
 参考までに、ネット記事とご本人のブログを貼り付けておきます。
 なお、ご本人は丸っきり完全な果物食ではなく、塩は摂っておられるようですし、冬季は激痩せ防止のためにナッツ類(最近は栗)を少々摂っておられるとのことです。
 http://news.livedoor.com/article/detail/12044728/
 http://ameblo.jp/fruit-mizuki/

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骨休めの正月3が日。内臓にも骨休めを!

2014年01月01日 | 生活習慣病一般

骨休めの正月3が日。内臓にも骨休めを!

 あけましておめでとうございます。今年も小生のこのブログをご愛読くださいますようよろしくお願い申し上げます。

 さて、正月3が日は、“食っちゃ寝、食っちゃ寝”と、体の骨休め。たいていはこうなりましょう。でも、1日中家の中にいては頭がぼんやりするから、初詣に行こうか、買い物に行こうか、外食しようか、と精々1日1回ちょっと出かけるくらい。主婦の方も、お節は買い込んであるし、簡単に雑煮はできるし、夜は鍋にでもすればいい、と料理に手がかかりません。
 体をどれだけも動かさずに、食べる方はいつも通り。いや、和菓子だ、ケーキだ、ミカンだ、と間食がいつもよりぐんと多くなりがちです。こうして、腹も空かないのに1日3度の食事を摂り、飽食を超えて過食となります。
 そこで、3年前に「 お正月は高血糖にご注意 」と題して、カロリーオーバーに留意されるよう、記事を書きました。実際問題、定期検査で正月過ぎに高血糖になって、お医者さんから血糖値を下げるお薬を処方される方がけっこういらっしゃるのです。

 ところが、正月3が日は、何も高血糖だけのことではありません。1年365日、飽食生活の毎日ですから、内臓諸器官は酷使され、疲れ果てています。
 内臓たちだって、年に1回は骨休めをしたいでしょう。彼らが物を言うとすれば、「私も正月3が日は休ませてほしい。あんた、3日間、何も食べないでくれ!」となります。
 よって、正月3が日は断食! こうされる方も世の中にはいらっしゃいます。
 小生も、本来なら模範を示してそうせねばならないのですが、残念ながら、5代目の主であるがゆえに正月には一族郎党が集い、3が日とも“晩餐会”を催さねばならず、立場上、そういうわけには参りません。と言い訳させていただきます。
 そこで、小生はどう対処するかというと、ほぼ10年になる1日1食生活を貫徹することがまず第一となります。夕食のみの1日1食です。これは可能です。また、客人に用意した和菓子とミカンには日中は手を付けず、“晩餐会”のデザートとしていただくことにします。
 そして、苦しいほどには食べないこととします。これは、11月半ばに2日間断食を行い、以前はそのような食べ方をしていましたが、断食後は過食を戒め、満腹どまりにできるようになりましたから、可能でしょう。できることなら1日1食であっても夕食は腹八分で止めねばいかんのですが、そうそう口の卑しさには勝てそうにありませんし、我慢すればグルメ・ストレスでかえって体を害する恐れもありましょうから、それは無理というもの。(と開き直ってしまい、申し訳ありません。)
 いずれにしても、内臓たちへの骨休め3が日の供与をいつかせねばなりません。小生の場合は後日へ繰り延べとしますが、今までにやったことがない3日間断食への挑戦です。
 でも、寒い時期の断食は体が冷えて応えますから、これは暖かくなってからにしましょう。となると、いつ実行できることやら。けっこう勇気が要りますから、
昨年と同様に11月になるかも。

 さて、内臓たちを代弁して、皆さん方に申し上げたいのは、正月3が日くらいは、少なくとも空腹感を大いに味わってほしいことです。
 たいていの方は1日3食で、時が来たら義務的に食事をしておられます。毎日決まった時間に1日3度食事を取って初めて健康でいられる、と思っておられます。

 これは、とんでもないことで、特に朝食が問題です。「朝食なんて取るな」です。一昔前までは世界中が「 朝食抜きの1日2食 」で、重労働も難なくこなしていたのですからね。
 これによって、内臓諸器官が大休止でき、リフレッシュできるのです。胃腸が格段に丈夫になりますし、肝臓の解毒機能が十分に発揮されるようになりますし、腎臓や皮膚からの老廃物の排泄もスムーズに行われるのです。おまけに免疫力もアップします。
 「腹が減っては戦ができぬ」と申しますが、正月3が日は「戦(いくさ)」をすることはないでしょうから、腹を十分に空かし、内臓たちに骨休めの時間を作ってあげましょうや。
 おっと、そうなると「空腹感との戦い」がでてきますね。でも、これは「脳」だけのことであって、内臓たちには一時の骨休めになりますから、ここは食欲煩悩を抑え込みましょう。

 さらに、正月3が日を何もせずにゴロゴロしているようであれば、朝食抜きに止まらず、昼食抜きまたは夕食抜きにも挑戦なさってはいかがでしょうか。なんせ紀元前の中国は「 遅めの昼食のみの1日1食 」でしたからね。
 これは、食欲煩悩との壮絶な戦いを強いられることになりますが、日頃の飽食・過食を戒めるための「苦行」として、やってみる価値が大いにあると思われます。
 この「苦行」に挫折しそうになったら、体を動かすことです。外に出て早歩きしたり、体操したりなさってみてください。案外、体は動くものですし、空腹感を紛らすことができます。日頃の運動不足解消にもなりますしね。
 そうすれば、「空腹こそ最大のご馳走」ということを改めて実体験できます。こうしたことは久しくなかったのではないでしょうか。何を食べても美味しく感じます。正月3が日、どんな美味しい料理であっても、“食っちゃ寝、食っちゃ寝”では、決して美味しくは感じないでしょう。

 さあ、皆さん、1年365日毎日、「大きな空腹感を感じてからはじめて食事を取る」という食生活をこの正月から始めてみませんか。
 「一年の計は元旦にあり」と申しますから、今までの飽食・過食生活を今一度見直し、これからの食生活をよくよく考えられてはいかがでしょうか。

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