薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

秋はカレーライスが一番(三宅薬品・生涯現役新聞N0.260)

2016年09月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.260:2016年9月25日発行。
表題:秋はカレーライスが一番

副題:秋の養生は辛い味が最適で、肺を元気にしてくれます

(記事の要点)
 漢方では、秋は肺の季節で、肺の滋養には辛い味がよい、と言われます。大いに食していただきたいものです。カレーに入れる肉は羊肉か牛肉がよさそうです。これら赤肉にはカルニチンが多く含まれ、カレー粉に含まれるクルクミン(ウコンの薬効成分)と相まって、「脳力アップ」に貢献してくれます。

(表面) ↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。裏面も同様です。
 

(裏面)瓦版のボヤキ
表題:年には勝てん、物忘れ


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胃の調子が少々おかしくてもヒーヒー言うんじゃない!

2016年09月24日 | 胃の病

胃の調子が少々おかしくてもヒーヒー言うんじゃない!
(最新更新:2018.6.21)

 ここ半年ほど、“胃(そして腸までも)が慢性的におかしくて何とかならないでしょうか”という健康相談がけっこう多くなった。それは、このブログの「胃薬を飲めば飲むほど胃は悪くなる(付記:お茶も薬のうち)」(2015年3月)へのアクセスがだんだん多くなってきて、これを読んでのことである。
 今までの回答の仕方は、おおよそ次のとおりである。
 “あなたは体質的に胃腸虚弱でほんとお気の毒ですね。ご存じのとおりストレスで真っ先に痛めつけられるのが胃です。ストレスのない生活をしようにも仕事や家事を放り投げるわけにはいかず、とにかく胃を思いっきりいたわってあげるしかないですね。そのためには、あれをやり、これをやり、できることならそれもやり …”
 といったアドバイスが中心である。そこで、今後の相談を踏まえて、毎回同じようなアドバイスになる事項については、先日追記しておいた。
 軽症の方はこれでなんとかなる。
 また、仕事などで強いストレスが掛かっている方には、ストレスの抜き方を教えてあげたりするが、これは人様々な手法をとるしかなく、一筋縄ではいかない。カウンセリング時間がたっぷりいるから、電話やメールではどれだけのこともできない。
 そして、相談を受けていて、だんだん分かってきたのだが、重症の慢性胃腸炎はストレスが原因というより、全部が全部、心因性ではなかろうか、と思えるようになってきた。これの対処法は、また違ったものとなってくる。
 そんなことから、本稿を起こしたのであるが、内容が内容だけに、いつもの「ます体」ではなく、「である体」でビシバシ書き綴ったほうがよかろうと思い、そうしたところである。

 重症の慢性胃腸炎の方は、電話での相談者の声を聞いていると、やはり神経質そうな方で、「思い悩む」ことが多いようである。年齢は30代から50歳ぐらいに集中している。この年齢層は働き盛り、子育ても大変ということもあって、仕事、家事に何かと「思い悩む」ことが多いのは間違いない。
 ここは開き直って、思いっきり「思い悩む」のも必要であろう。姜尚中(カン サンジュン)著「悩む心」(集英社新書)、これでも読んで、自分が抱えてる課題に真正面からぶつかってみるのも手であろう。
 小生はもう高齢者になってしまっているから、「思い悩む」ことから卒業したが、脂が乗りきっている年代のときには大いに「思い悩む」ことに身をさらしたものだ。
 姜尚中氏の生き方については、このブログの『
悩まないで、何事にもひたすら「ありがとう」「愛してる」という言葉を投げかける』の中で随分と引用したが、ここでも少しだけ引用しよう。なお、そのブログ記事の主題は、「思い悩む」のではなく、「悩まないで」であるが、「逃げ道」としての「悩まないで」の選択は、いつでもできるから、働き盛りの年代の方は、精神を鍛えるためにも、まずは思い切って仕事や家事などに「思い悩む」ことから入ってみることをお勧めしたい。
(これより引用開始)
・確信するまで悩むしかない
 人生とは、自分がどうすべきなのか選択せざるをえない瞬間の集積であり、それを乗り越えていくためには、何かを信じて答を見つけなければなりません。生身の人間ですから、どうしていいかわからなくて、たじろぐこともあるでしょう。たとえば、…苦しい経験をしたとき、どう乗り越えるのか。治らない病気になったとき、死とどう向きあうのか。
 意識していようといまいと、人は信ずるところのものから、ものごとの意味を供給されます。意味をつかめていないと、人は生きていけません。
 そのための方法はいくつかあると思います。擬似宗教に拠った生き方をする方法もあるでしょう。時に応じ、場合に応じ、何かに身を預けて危機を切りぬけていく方法もあるでしょう。要は、そこから与えられた答えに納得して生きていけるなら、それでいいのです。あるいは、最初から何も考えず、滑っていくことに妥協できるなら、それも一つの方法かもしれません。
 しかし、そのどれにも納得できないなら、何ものにも頼らずに…自分の知性だけを信じて、自分自身と徹底抗戦しながら生きていくしかありません。これは相当苦しい方法で、…気が狂いそうになることもあるかもしれません。…
 そして、かく言う私も、自分を信じるしかない、「一人一宗教」的に自分の知性を信じるしかないと思っています。(引用ここまで)

 こうおっしゃる姜氏は、「まじめに悩む」「悩み続ける」ことによって「瞬間瞬間の一つ一つの事象に対して自分の知性だけを信じて答を見い出していく」という生き方を選択されておられるようで、毎日毎日がストレスの塊みたいな方に思える。そして、そのストレスを楽しんでいるのでは、といっては失礼だが、果敢に様々なストレスに立ち向かっていく、という凄まじい生き方をされておられる。
 “この真似はとてもできたものじゃない”と、はじめから逃げ腰になるのではなく、ときには“なにくそ、立ち向かってやろうじゃないか。”と、“から元気”を出してでもやってみる必要があろう。長い人生で、こうした立ち振る舞いをせねばならないことは一度や二度はあるものだ。その経験も若いうちに早く積んだほうが、腹が据わってその先が楽になる。

 こんなことを言えるのは、そうした経験をしてきた団塊世代までかもしれないが、これができない方々は「ひ弱すぎる」のであって、「甘ったれるな」と叱責したくもなる。反論として、若者を「温室育ち」させてしまった団塊世代が悪い、これは一理あるのだが、だからといって団塊世代が責任を取ってこの先「おんぶにだっこ」してくれることは絶対ない。ここは、自分で自分の道を、それは茨の道ではあろうが、その先にお花畑が広がっていると信じて、しゃにむに突き進んでいくしかないのである。

 凄まじい精神論をここまで述べてきたから、多くの方はうんざりされたであろうが、日本の過去・現在・未来を見比べてみればそういうことになるのだが、どっこい世界はまるで違う。これからますますグローバル化するのであり、欧米人、中国人らと対等に付き合っていかねばならず、そこで彼らがどのような立ち振る舞いをしてきているかといえば、今も昔も在日韓国人二世である姜尚中氏とどれだけも違わない。彼らは同一民族内であってもずっと弱肉強食の社会で生き抜いてきているのであって、平和ボケした日本列島に住む民族、“おててつないで皆一緒に”“みんな仲よく助け合って”などとやっていては、回りの者に餌食にされるだけである。
 そんなことは信じられないとおっしゃる方は、木村尚三郎著「西欧文明の原像」でも読んで、欧米人の生き方の実態を知ってもらいたい。その一部抜粋は別立てブログで紹介したから、参照されたい。→ 文明の根底には略奪文化がある

 以上のことを踏まえて、ということになるが、このブログの「胃薬を飲めば飲むほど胃は悪くなる(付記:お茶も薬のうち)」の中で、新谷弘実氏:著「病気にならない生き方」から引用した新谷氏の感想として、次のものがある。
 …内視鏡で胃を診ていて不思議に思っていたのですが、日本人とアメリカ人では、症状の感じ方にかなりの差があります。日本人は診てみるとたいした症状でもないのに、胃の痛み、不快感、胸やけなどの症状を訴えることがとても多いのです。ところがアメリカ人は、胃や食道の粘膜がかなり荒れていても日本人ほど胸やけを訴える人はいません。(引用ここまで)

 日米両国人のこの違いはいかに。
 同著で新谷氏は特に何も言っておられないが、理由は2つあるように小生は思う。
 一つは、表題にしたようにアメリカ人には“胃の調子が少々おかしくてもヒーヒー言うんじゃない!”という生き方の文化があるのではなかろうか。相手に弱みを見せれば付け込まれるだけであり、決して自分の得にならないのである。その点、日本人は逆である。自分の健康に弱点があればそれをさらけ出し、同情を呼ぼうとし、お気の毒様と言ってもらって安心する。「弱音を吐いて安住する」のだ。アホかいな、である。
 もう一つは無意識下における自己暗示(実質は違う面があるが、とりあえずそう言っておこう)である。アメリカ人であれば、少々の不快感は食べすぎたり飲みすぎたりすれば当然に生ずることであり、ちょっと時間が経てば不快感は消えてしまうに決まっていると思っているであろうから、何かに気を取られたり、何か集中せねばならないことを始めれば、たちどころに不快感を忘れてしまうのであろう。それが、日本人となると、お医者さんから“胃の調子が少々おかしいんじゃないですか”と問われれば“はあ、そう思います”と話を合わせてしまい、その気になってしまう傾向が高く、自分で勝手に胃が悪いと思い込むのである。あげくに胃薬をたんまりもらって喜び、それを飲んでも一時よくなった気分にさせられるだけで、その薬を飲まされ続けて逆に胃を悪くしてしまうのである。

 「痛みは心で感ずる」、この言葉を大脳に叩き込んでおいてほしい。
 「関東病院 ペインクリニック科」のサイトに次のように書かれている。
 体の防衛機能のひとつとされる「痛み」は、どういうメカニズムで起こるのでしょうか。痛みについての基礎的な知識を、ここで確認しましょう。痛みは人間ならではのものです。そう言ったらビックリする人も多いでしょう。国際疼痛研究学会(IASP)では、『痛みは実際の、または潜在的な組織損傷を伴う不快な感覚的、精神的な経験』と定義しています。つまり、痛みは体が何らかの障害を受けたときに生じる単なる刺激ではなく、心や感覚が伴った苦しみ、これが私たちの感じる「痛みの本質」であります。(引用ここまで)

 ということであるからして、患部の炎症のシグナルが神経経路を通って脳で痛みとして察知されたりするものの、いくら大きなシグナルが来ていても、大脳でそれが無視されることもあり得るのである。
 「医療法人ラザロ会 江口クリニック」のサイトに次のように書かれている。
 痛みは、「気のもの」なのですから、当然、心理的な要因は、痛みの感じ方に大きな影響を及ぼします。慢性の下肢痛をずっと訴えられていた患者さんが、転倒して上肢を骨折し手術をしたような場合、当面、下肢痛を訴えられなくなるのが普通で、また、家族に不測の事態が起きてその収拾に没頭しているような時には、それまであった慢性の痛みを感じなくなっているというのもよくあるケースです。(引用ここまで)

 これは小生にも経験がある。サラリーマン時代に、虫歯になって食事の後でしばらくの間うずくことがあった。日増しにそれが強くなって、明日には歯医者に行こうと思っていたところ、急に大きな仕事が入り、神経を集中して取り組まねばならず、それも半分徹夜が続いた。休日出勤もし、1週間か10日で一区切りでき、ホッとしたところで食後に歯がうずきだしたのである。仕事にぼわれていた間は、ゆっくり食事する暇がなかったがために食事をした後の歯のうずきを脳が無視したのであろう。仕事に没頭していた期間中、虫歯であることなんぞとんと思いもしなかったのである。他にも経験がある。幾針も縫わなければならない大けがを足にしたときも、精神がものすごい緊張状態にあったから、その状態が続いた3時間ほどは自分でも不思議であったが、全く痛みを感じなかったのである。

 このように、痛みは心で感ずるものであるからして、そのときそのときの心のありようで痛みの感じ方が大きく違ってくるのである。特に胃痛や胃の不快感というものは、「ストレスで胃が真っ先にやられる」、これは確かなことだが、皆がその先入観が非常に強いから、始末が悪い。よって、次のような悪循環に陥ることが多くなる。
 胃の痛みや不快感を
気にする⇒心配になる⇒症状がひどくなったと思い違いする⇒ 不安になる⇒症状がよりひどくなったと思い違いする⇒失望する⇒もうどうにもならない 

 この段階まで来ると、四六時中、胃腸の不具合が気になっているから、仕事や勉学、家事に身が入らなくなる。たびたび休みを取って、ますます胃腸の不具合さに神経を集中させるようになるから、悲鳴をあげることになる。
 それがどうだ。病院であらゆる検査をしても特に異常なしということが多いのである。
 もう、これは、心因性疼痛とでもいうしかなかろう。
 「ハートクリニック大船」のサイトに次のように書かれている。
 
身体表現性障害は、痛みや吐き気、しびれなどの自覚的な何らかの身体症状があり、日常生活が妨げられており、自分でその症状をコントロールできないと考えている病態を指しています。ブリケ症候群、ヒステリー、心因性疼痛と呼ばれることもあり、おそらく不安に結びついているものとされています。異常が示唆されるような身体の問題を訴え検査を行うものの、異常は見あたらないという結果が出るものや、自分の外見に欠陥があると思いこむもの、自分が深刻な病気にかかっているのではとこだわってしまうものなど、さまざまな精神疾患が含まれます。
 ここまで来ると、心療内科のお世話となる。そこから先は恐くて記事にできない。(→「向精神薬の断薬…」の冒頭部分を参照されたい。)

 さて、どうしたものでしょうか。
 かかりつけの医者、専門医、大病院、心療内科にかかっても、慢性胃腸炎はまず治らないですから、ここは医者に一切の世話にならず、「自らの力でもって独力で治しきる」、その道を探り、実践するしかないでしょう。
 原因は、心因性のものであることを、まずしっかりと押さえてください。
 自分は「ひ弱すぎる」「甘ったれ」「温室育ち」であることを素直に認めることです。
 これなくして、次のステップに進めません。
 でも、直ちに「精神を鍛えろ」という必要は毛頭ありませんからご心配なく。
 じゃあ、何をすればいいでしょうか。
 もうお分かりでしょうね。
 心の居場所を胃腸のことから離れさせて、別のことに向けさせればいいのです。
 仕事や勉学、家事に集中し、徹夜も辞さない、これは今のあなたには無理です。
 なんせ「ひ弱すぎる」「甘ったれ」「温室育ち」なんですからね。
 じゃあ、何をすればいいでしょうか。
 そうですよね、楽しいことに集中すればいいのです。
 1つや2つ趣味はあるでしょう。それをオーバーに楽しめばいいのです。
 趣味がないという方にお勧めなのが「トイレ掃除」。趣味がある方にも、これはお勧めします。御利益は、ほんと大きいですよ。
 (鬱病からの脱却を中心に何本かの記事が「心に安らぎ・トイレ掃除」に入っています。)

 これは、ほんと夢中になれます。便器がピッカピカになったときのうれしさといったらスゴイです。小生が鬱病になりかけたとき、これを徹底的にやったら、自分でもビックリ!!
 自宅のトイレが終ったら、“今度は公園だ、神社だ”と、外へ打って出ます。
 これには勇気がいりますが、“自分は社会奉仕できたんだ”と、社会に対して大きな自信が持てるようになります。勇気を出して行動することによって、「ひ弱すぎる」「甘ったれ」「温室育ち」から一歩二歩脱却でき、「精神を鍛えろ」の第1段階がまず突破されます。
 次が、質的に無理がない仕事や勉学、家事に集中することです。
 ここまで来れば、慢性の胃腸炎もかなり改善してきていることでしょう。
 もっとも、順調に少しずつ、とはまいらず、一進一退しながらだんだんいい方向に、ということになりましょうが、なによりも根気よく続け、胃腸のことに注意が向かないように、気をそらすように、という生活習慣を身に付けることです。
 なお、同時に胃腸に気配りを忘れてはなりません。それはほとんどが食事時のことですが、とにかく胃腸をいたわってあげることも重要です。
 これについては、「胃薬を飲めば飲むほど胃は悪くなる(付記:お茶も薬のうち)」で追記した事項を本稿でも末尾に再掲しましたので、参考になさってください。

 長い人生ですが、何事にも勇気を持って第一歩を踏み出すしかありません。
 ここで躊躇してしまう方が多く、そうなるとだらだらと時間だけが過ぎていって、何もしないで老けていく、そしてつまらない人生で終ってしまう、そんなことになってしまいます。
 ここは、清水の舞台から飛び降りるつもりで、第一歩を踏み出しましょうよ。小さな一歩でかまいません。一歩前に進めば、第二歩目は思いのほか楽に踏み出せますからね。
 ここで一番重要なことは、“じゃあ、明日からやってみよう”は絶対に止めてください。明日になったら、言い訳が山ほど大脳の中から湧いてきて“そんなことをしたって無駄だ”と
なってしまいます。ここは、林修の名言「いつやるか? 今でしょ!」です。
 ここまで読んでくださった慢性胃腸炎のあなたに申します。
 
早速、裏面が印刷されていない新聞折込チラシを引っ張り出して、「慢性胃腸炎を自力で治しきるぞ!!」とマジックインクで大書きし、壁に貼りましょう。そして、もう1枚チラシを用意し、「慢性胃腸炎は治る!!」と大書きし、これも貼ります。
 貼り終わったら、“から元気”を出して、自信たっぷりに大きな声で読みます。
 ついでに「いつやるか? 今でしょ!今やった!」と言ってください。そうすると、ポスター作りですごく緊張していたあなたは、第一歩踏み出しの達成感から、ホッとし、リラックスできます。たぶん、ここであなたはグッタリし、どっと
疲れを感ずると同時に充実感が湧いてくることでしょう。あわせて、心が楽しくなったり、ワクワクしたりするでしょう。そうなれば、あとは簡単。ご自分で第二歩目は何にするか、ゆっくりお考えください。
 そのようにうまくいかない方もいらっしゃいます。“とんでもないことを宣言してしまった。絶対に無理。困ったぁ。”と後悔される、これが普通でしょう。でも、見事に第一歩を踏み出した自分の勇気ある行動を自分でほめてあげてください。今日はこれまでとし、また明日、勇気を持って2枚のポスターを大声で読むのです。これで少しは前向きになれましょう。それでもダメならまた明日、その繰り返しを根気良く続けてみませんか。そのうち、きっと第二歩目が踏み出せますよ。焦らなくていいです。たとえスタートダッシュで遅れをとっても、完治させるには長丁場を覚悟せねばなりませんからね。マラソンレースと一緒で、後半にごぼう抜きということがよくありますから。
 いずれの場合も、2枚のポスターを毎日眺め、自信たっぷりに大きな声で毎日読んでください。そのうち、知らず知らず自己暗示がかかってしまい、その気になれて、近い将来、慢性胃腸炎はあなた自身の心でもって治癒させてくれます

 諸君の成功を祈る!!

(補記)
 心の居場所が胃腸のほうに向かいかけたとき、注意をそらすと同時に心の安寧が得られるのは、自分の好きなジャンルの読書です。それがなければ、このブログのカテゴリー「心に安らぎを」から下のカテゴリー各項目を順次クリックして読書なってください。

(再掲)
 慢性胃腸炎の<胃腸をいたわる>対処法
・食べ物はよく噛んで丸飲みしない。「一口30回噛む」を目標にゆっくり食事する。
・暴飲暴食を止め、たばこ、アルコール、コーヒー、濃いお茶など刺激物は控える。
・間食の甘い物は厳禁で、どうしても食べたいときは食後に少々よく味わって食べる。
・夕食は寝る前4~5時間前には終え、胃を空っぽにしてから寝る。
・胃酸の出を良くするには食塩が必須で、減塩しない。
・朝の梅干が効果的で、口の中でよく溶かし、十分な温かい白湯で飲む。
・冷たい物は極力避け、努めて体温より高いものを口に入れる。
・胃に休養を与えるには「朝食抜き」が一番。体を慣らすため、だんだん減らしていく。
・朝食抜きにすると空腹感とともに胃の荒れを強く感じるので、温かい白湯を飲む。これで楽にならないときは、温かい「すまし汁」を飲む。(「すまし汁」は、断食のときに汎用されるもので空腹感も和らぎます。作り方:乾燥椎茸、昆布を水で戻し、醤油(お好みの量)、黒砂糖(なるべく少なめ)を加えて煮出したもの。料理で作るお吸い物に比べ、乾燥椎茸、昆布は倍の濃さが目安。このすまし汁を昼食前まで何度か水分補給のつもりで飲む。)
・牛乳・乳製品は一時的に胃の痛みを緩和したり、空腹感を消してくれますが、腸へのダメージが大きいですから、避けてください。
・必要に応じて消化薬を食事のときに飲む。なお、動物性タンパク質や脂肪の摂取を少なくし、胃腸への負担を軽減する。
・腸内環境を改善するために野菜中心の食事にするとともに、整腸剤の助けを借りる。
・口の中がただれているときは歯磨きは乳酸菌入りのものにするか、整腸剤をよく噛んで、しばらく口の中にふくんでから、のどに流し込む。
 <乳酸菌入り歯磨き> わかもと製薬 アバンビーズ
  http://www.wakamoto-pharm.co.jp/avantbise/index.html
・お腹を温めるツボに貼るカイロのミニサイズを下着の上から貼るといいです。「環跳」というツボで、立ったときにお尻の両脇にできるくぼみです。お腹から離れた場所にありますが、お腹に一番効くツボで、間接的に胃にも効果的です。温まりすぎて気分が悪くなるようでしたら、取り外します。
・新谷弘実氏がおっしゃておられるようにビタミンAの補給もいいでしょう。
 カワイ肝油ドロップSが信頼が置け、お勧めです。 

生薬「刺五加(シゴカ)」(単剤または配合剤)は胃を温めてくれ、胃がホッとします。漢方薬としてイチオシのものです。
 JPS製薬 双参

(2017.1.21追記)
 本稿を書くきっかけとなった本当の理由は、実を言うと、何度も何度もいちいち細かいことを聞いてくる御仁がいて、幾ら説明しても、らちがあかないことが続いたからです。
 “こんな人に何を説明しても自分で判断しっこないから良くなることはないわなあ。”
 このことについて、ずばり物言いをされた内海聡医師。
 そのブログ記事がアップされましたのでリンクを貼っておきます。
 ちっとも治らないという方、ご自分の胸に手を当てて、自分はこういう人間なんではないのだろうかと、先ず考えてみてください。(そう言っても無駄かな?考えっこないもの。)
 治らない人たちの特徴

(2017.8.31追記)
 「痛みは心で感ずるものであるからして、そのときそのときの心のありようで痛みの感じ方が大きく違ってくる」ものだということを本文中で書きましたが、「治したかったら治そうとしないこと」というのも一法です。これは腰痛についても言え、“読むだけで腰痛が治る”本があります。伊藤かよこ著「人生を変える幸せの腰痛学校」、なんと小説です。小生が定期購読している「みやざき中央新聞」2017.4.10号の社説「治したかったら治そうとしないこと」で、こうしたことが書かれています。胃痛でお悩みの方にも参考となりましょう。
 ↓ クリックし、読みにくければ、もう一度クリック

(2017.10.12追記)
 「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」と申しますように「敵=慢性胃炎」とはどういうものか、「己=生活習慣・精神」はどんな状態にあるのか、まずはこれをしっかり捉えなければいけないでしょう。そこで、「敵=慢性胃炎」について、別サイドから、どういうものなのかを探ってみることにしました。
  → 慢性胃炎:交感神経の高ぶりで胃への血流は2段構えで絞られます
 

(2018.1.18 追記)
 慢性胃炎の方は胸やけを訴えられることが多いのですが、その真因は胃酸の逆流ではないことを知りましたので、そのことについて解説しました。
 → 胃酸の逆流で逆流性食道炎が起きるなんて大間違い !?

(2018.3.13追記)
 胸やけを解消する意外な方法があることを知りましたので、記事にしました。
 → 太田胃散が胸やけに効くわけは意外なところにあり

(2018.6.21追記)
 慢性胃炎の方は、交感神経が高ぶっていることが多いです。福田稔著『実践「免役革命」爪もみ療法』の中で紹介されている“爪もみ療法”は、交感神経を沈め、副交感神経を高めますから、慢性胃炎の方におすすめしたい治療法です。下記をご覧ください。
 →  実践「免疫革命」“爪もみ療法”のすすめ。いろんな病気が改善しますよ。
 

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高齢者の仲間入りをしたら死に方を考えましょうよ

2016年09月19日 | やがて訪れる死に備えて

(本稿は2016年05月11日アメブロに投稿したものですが、このブログで再掲することにします。)
高齢者の仲間入りをしたら死に方を考えましょうよ

 人は必ず死にます。太古の昔から一人の例外もなく。
 
高齢者(65歳以上)の仲間入りをすると、思いのほか死期は近いです。あと何年生きられるか。その平均余命は、平成26年簡易生命表によると次のとおりです。
 
ただし、95歳は平成13年生命表から継ぎ足しました。(小数点以下、四捨五入)
            男        女
   65歳  19年(84歳)  24年(89歳)
   70歳  15年(85歳)  20年(90歳)
   75歳  12年(87歳)  16年(91歳)
   80歳   9年(89歳)  12年(92歳)
   85歳   6年(91歳)   8年(93歳)
   90歳   4年(94歳)   6年(96歳)
   95歳   3年(98歳)   4年(99歳)

 平均寿命は男81歳、女87歳となっていますが、これはオギャーと生まれた赤ちゃんが平均して何歳まで生きるかという数値でして、高齢者にとっては全く無意味なものですから、平均寿命の数値は忘れていただいたほうがいいです。
 知っておきたいのは、上の表の数値でして、全部覚えるのは無理ですから、数字を丸めて、次のことを頭に置いておかれるといいでしょう。
 高齢者(65歳)になったら、男は平均してあと20年、85歳まで生きられる。女は平均して男より5年長生きし、90歳まで生きられるだろう。
 
10年生き延びて後期高齢者にたどり着いても、余命は2、3年延びるだけ。以下同様で、せいぜい男は90歳、女は95歳であらかたがあの世に逝くことになり、幸か不幸かここまで生き残れるのは5人に1人だけ。

 もっと簡単に言えば、高齢者となったら、
 男であれば、余命はあと20年、せいぜい25年しかない。
 女であれば、余命はあと25年、せいぜい30年しかない。
と、なります。

 長いようで短い。でも、ボケのことを考えると短いようで長いです。後期高齢者ともなるとボケを心配せねばならなくなり、ボケが始まってから5年も10年も生き続けるとなると家族に大迷惑をかけることになり、いっそ早く死んでしまいたいとう心境になります。しかしながら、ボケてしまうと何も分からなくなり、迷惑を迷惑と思わなくなりますから質が悪いです。これを思うと、死ぬことよりもボケになることのほうが怖いですよね。何とかしてボケずに、立つ鳥あとを濁さずで逝きたいものです。
 これを心して、じゃあ最期は自分はどんな疾患で死ぬことになろうか、それを考えてみましょう。

 年齢別死亡原因のベスト5は次のとおりです。
(平成21年人口動態統計による。ただし、4位の半分にも満たない5位の死亡原因は掲載省略)

<男>  1位   2位     3位    4位    5位
75-79 がん(39%) 心疾患(13%) 脳卒中(10%) 肺炎( 9%)
80-84 がん(32%) 心疾患(14%) 肺 炎(13%) 脳卒中(11%)
 
85-89 がん(24%)  肺炎(16%) 心疾患(16%) 脳卒中(11%) 
90-94 肺炎(20%)  がん(18%) 心疾患(17%) 脳卒中(11%) 老衰( 6%)
95-99 肺炎(21%) 心疾患(18%) がん(13%) 老衰( 11%) 脳卒中(10%)

<女>  1位   2位     3位    4     5位
75-79 がん(35%) 心疾患(16%) 脳卒中(11%) 肺炎(7%)              
80-84 がん(27%) 心疾患(19%) 脳卒中(13%) 肺炎(10%)
85-89 心疾患(24%) がん(16%) 脳卒中(16%) 肺炎(11%) 老衰( 6%)
90-94 心疾患(22%) 肺炎(14%) 脳卒中(14%) がん(13%) 老衰(10%)
95-99 心疾患(22%) 老衰(17%) 肺炎(15%) 脳卒中(13%) がん( 8%)

 男であれば85歳(せいぜい90歳)まで、女であれば90歳(せいぜい95歳)までしか生きられないのが一般的ですから、この表で下線を引いた行が、大方の人の死亡原因となりましょう。もっとも、これは今現在のもので、20年先、30年先は、どれだけか死亡原因が変わるでしょうが、大勢に変化はないと思われます。
 若干の順位差はありますが、男は①がん、②心疾患、③肺炎、④脳卒中、⑤老衰の順になり、女は①心疾患、②脳卒中、③がん、④肺炎、⑤老衰という順番になります。
 そして、男女とも年を食うに従って、がんで死ぬ率が落ち、心疾患と肺炎の率が増えていきます。脳卒中は年齢で大差なく、老衰はまず望み薄と言えます。

 それぞれの疾患による死亡ついて、当人の苦しさなり、家族に迷惑がかかるかどうかを考えてみましょう。(死亡原因の%表示は丸めた数値で小生の勝手な将来予測を含んでいます。)

がん(男:約30%、女:約15%)
 高齢者のがん治療となると、手術は若干減るものの、抗がん剤や放射線治療は相変わらずの感がします。当の本人には大変な苦しみとなりますが、たっぷり治療を受けて不幸にも(運よく)早々にこれで一巻の終わりとなれば、家族に迷惑がかからず、これまたよし、となります。ただし、幸いにも(運悪く)生き延びた場合は、寝たきりになる恐れがあって、家族に迷惑をかけることになりかねませんから、がん治療は遠慮してもらわねばいかんでしょうね。
 こうしたことからも、「がんはホットケ」でして、高齢者のがんは放っておいても日常生活にさほど障害にならず、また、放置がん死は大して苦しまずにホトケになれます。
(参照記事:別立てブログ)
→「楽に死ぬには、がんに限る。がんは放っておけばいい!

②心疾患(男:約15%、女:約25%)
 平成25年人口動態調査によると、80歳以上で心疾患が原因して亡くなった方のその内訳は、心不全44%、急性心筋梗塞17%、その他の虚血性心疾患15%、不整脈及び伝導障害14%となっています。やたらと難しい用語が並んでいますが、簡単に説明しましょう。
 ・心不全:心筋が縮まなくなり、血液が肺や全身に送れない
 ・急性心筋梗塞も虚血性心疾患の一種:心筋の血流悪化で心筋が動かなくなる
 ・不整脈及び伝導障害:心臓の電気系統が故障し、心筋が縮まなくなる
 これらが単独で発生して死因になることもあれば、複数が絡んで発生することもあるようです。高齢の女に心疾患が多いのは、男はがんで若死にするから心疾患死が目立たないだけでして、がんにもならずに長生きすれば、あとは心臓にガタがきて心疾患になる、といったところでしょう。
 ところで、小生のおふくろは10日間寝込んだだけで97歳で他界しましたが、医師の判定は老衰なるも、死ぬ1週間前からひどい不整脈となり、死ぬ2、3日前は心臓に異常な鼓動がありましたから、その様を見ていて、いよいよ心臓のポンプが壊れれるかと思わせられました。こうしたことから、超高齢となって老衰と判定される場合も、けっこう心疾患であることが多いのではないんじゃないでしょうか。
 さて、存命中にどれだけか心疾患の傾向が出てくると、大なり小なり心臓の働きが弱まるのですから、血流が悪くなって酸欠になり、息苦しくなります。ときには心臓に痛みも感じましょう。
 でも、体のあちこちが痛いの痒いのというのは、年を食えば食うほど誰でもそうなりますから、心疾患の傾向が出てきても、ここは愚痴をこぼさず、重たい体を休み休み少しずつなんとかかんとか動かしておれば、自分のことは自分でできるという自立した生活が可能でしょう。
 しかし、病態がだんだん進んでいきます。容易には体を動かせなくなりましょうが、そこは気力です。そして、いよいよ何ともならない事態の訪れを察知すれば、気力も萎え、あとは早い。何らかの心疾患であの世に逝くことになります。
 できれば、急性心筋梗塞が望まれます。急に倒れて意識を失う。正真正銘のピンピンコロリ!でも、死因が急性心筋梗塞なのは、心疾患のうち17%(全死因の3~4%)ですから望み薄です。

③脳卒中(男:約10%、女:約15%)
 平成25年人口動態調査によるによると、80歳以上で脳卒中で亡くなった方のその内訳は、脳梗塞70%、脳内出血22%、くも膜下出血6%となっています。
 これはわかりやすいですね。血管が詰まるか切れるか、どちらかです。高度成長期前は栄養事情があまり良くなく、血管が切れるほうが圧倒的に多く、比率は逆転していました。今は、飽食、運度不足で過栄養となり、詰まることが多いです。将来、この傾向は強まるでしょう。
 いずれのケースも、普段は自立した生活ができていて、家族と楽しく過ごせていたことでしょう。そうしたなかで、ある日突然、急に倒れて意識を失うことになります。家族の誰かに“倒れた!すぐ救急車だ”と、早速に救急救命病院へ運ばれてしまうと、運悪く助かってしまうことがあり、たいていは半身不随だの何だので、要介護となってしまいます。
 ここは、“しばし待て!安静にして寝かせておいてくれ”と言いたいところですが、意識がないですから止めることはできません。この場合は、(参照:別立てブログ)→「
リビングウィルを書いておき、家族にも知らしめておくことです。
 脳卒中の場合は、運よく一巻の終わりとなるケースが多いですから、一番望まれる死に方です。
 ピンピンコロリ運動で有名な長野県のお年寄りの合言葉が「95歳で脳血管障害でコロリと死のう!」というのも、うなずけます。ぜひこうありたいですね。

④肺炎(男:約15%、女:約15%)
 肺炎というと、「風邪をこじらせて肺炎菌に侵されて死ぬ」と一般的に思われていますが、高齢で免疫力が大きく落ち込んでいると、たしかにそうしたことも起きますが、誤嚥性肺炎が多いです。食べ物だけでなく、寝ている間に唾液が気管支に入り、唾液に含まれる雑菌が肺の中で増殖して肺炎を引き起こすこともあるのです。
 どちらのケースも、その多くは寝たきりになっている重度の要介護者です。肺炎が死因ということは、長く寝たきりであったと言えましょう。御免こうむりたい死に方です。
 ところで、寝たきり老人がいるなんて日本ぐらいなものです。安易に寝たきりに甘んずる年寄りが悪いとも言えますが、家族が寝たきりにして生かしておきたがるという、家族の見栄丸出しの利己主義的文化をうまく利用して医療介護業界が成り立っているとも言えます。(参照記事:別立てブログ)
寝たきり老人をなくす術
 お年寄りも家族も、延命治療を拒否する勇気をぜひ持ちたいものです。なお、欧米では、延命治療は老人虐待という考え方をもっていますから、寝たきりがほとんどない大きな要因になっています。日本人の平均寿命が世界一となっている最大の要因は、死ぬべき老人が延命治療で生かされているから、と言って過言でないです。
 ところで、入院していったん延命治療が始まると、それを中止することは安楽死させることになりますから、容易なことではないです。そのためにも、健康なうちに「リビングウィル」を書いておくことでしょうね。

老衰((男:約2%、女:約8%)
 体全体が平均的に弱ってきて生命維持ができなくなって死亡したときに老衰と判定されるのですが、持病があったりするとそれが死因とされることが多いですから、老衰死の実態は定かでないと思われます。
 85~89歳の死因で老衰死は、男2%(?)、女6%となっているのですが、なぜか男の老衰死は極端に少ないです。
 いずれにしても、老衰死の場合は、死ぬまでのしばらくの間は床に伏すことになります。その期間はどれくらいかとなると、心疾患の場合と同様に、本人が気力でどれだけ体を動かし続けてきたか、にもよりますし、延命治療の程度で大きく違ってきます。
 自力で飲食ができなくなれば、欧米では何もしないのが原則で、水も飲まないのですから1週間か10日で確実にご臨終となります。
 小生のおふくろは老衰死と判定されましたが、最後の1か月間ほどは気力を振り絞って97歳の体を動かし続け、とうとう動けなくなって床に伏し、そのときには自力で飲食ができなくなっていて、小生が口元へ水やジュースを運んであげたのですが、日に日に飲む量が減り、10日間で逝きました。
 その母親、うちのお祖母さんの場合も老衰死と判定されたのですが、間もなく98歳というときに風邪を引いたのが原因で床に伏すようになり、起き上がれなくなって栄養点滴を受け40日間生き長らえましたが、点滴はけっこう苦しいようですから、何もしなかったほうが良かったようです。
 おふくろもお祖母さんも、珍しく自宅でともに老衰死したのですが、その要因は、これといった持病はなく、ヨボヨボになっても毎日庭の草引きをしたりして、百姓で鍛えた骨太かつ筋肉ある体を何とか維持し、何度か転倒しても骨折することなく、加えて関節痛もさほどのことはなかったですから、早々に寝たきりになるような事態にならなかったことが幸いしたと言えます。
 よって、今年68歳となる小生としても半農半商の生活を生涯現役で勤め上げ、最後は老衰死を望むのですが、そうは調子よくいかないでしょうから、でき得ることなら十分に自立生活ができているうちに、ある日突然、脳卒中でピンピンコロリと逝きたいものです。
 くれぐれも、死亡診断書に肺炎なんぞと決して書かれないよう、残された余生20年余を心して自立した生活をするんだと腹をくくっています。
 その余生が運悪く30年になっても、最後の数年間は気力でもって体を動かし続けることをここに宣言して。

 と書いて、ここで終ろうかと思ったのですが、考えてみるに、団塊世代の20年後、30年後は、どこの介護施設も満タンで、入りたくても入れない状態になっていますから、必然的に気力でもって自立生活することを余儀なくされます。果たしてそれに耐えられるかどうか、宣言した小生とて怪しい。
 残された方法、自分で唯一選択できる死に方、そんなエッと思わせられる方法がありますので、最後にそれについてもふれておきます。
 自分で唯一選択できる死に方、それは「断食往生」です。これも悪くはないです。実は小生も密かにそう願っているところです。
 中村仁一著『「自然死」のすすめ』から、中村氏ご本人が望んでおられる「断食往生」のやり方について、抜粋して紹介します。

 …現在の、死に際に医療が濃厚に介入する「医療死」ではなく、子どもの頃に接した年寄りの死に方、何百万年と続いていたご先祖様の死に方、「自然死」(注1)が希望です。…
 そこで、タイミングがむずかしいのですが、完全にぼけ切る前に、…「断食往生」ができないかを考えています。
 …西行さん(注2)のように「死に時」が察知できれば、非常に楽だと思います。できるだけ体内サインに敏感になれるよう、できるだけ自然に任せて様子をみるというトレーニングを積むようにしています。
 中村流「断食往生」の具体的工程
 一、五穀絶ち 7日間
 二、十穀絶ち 7日間
 三、木食    7日間(木食は木の実だけを食べること)
 四、水絶ち   7日間
(引用ここまで)

(注1)自然死(同著より抜粋):自然死の実態は…「餓死」(「飢餓」「脱水」)です。一般に、「飢餓」「脱水」といえば、非常に悲惨に響きます。空腹なのに食べ物がない、のどが渇いているのに飲み水がない。例えば、砂漠をさまよったり、海を漂流したりする状況は、非常に辛いものと想像されます。しかし、同じ「飢餓」「脱水」といっても、死に際のそれは違うのです。いのちの火が消えかかっていますから、腹もへらない、のども乾かないのです。
(注2)西行(さいぎょう):平安時代末期に武家に生まれ、出家して歌人となり、鎌倉時代初期に断食往生。中村流のそれは、これを模したもののようです。

 いかがですか「断食往生」。
 実は小生は毎日ミニ断食をしています。1日1食の食生活です。そして、年に1回は2日断食(断食前後の肉断ち少食を含めると1週間)をすることにしています。その目的は、病気したときには動物皆そうですが断食して自然治癒させますので、それに備えての訓練として始めたものですが、最近、これは長期の断食による「断食往生」の訓練でもあると捉えるようになりました。

 ところで、「断食往生」、それは自殺と捉えられてしまいますが、中村氏は、自殺とは「いっそひと思いに」といった形のもので、このように1か月もかけてというものは、よほど強靭な精神力が必要となり、自殺の範疇に入らないのではないかと言っておられます。
 なお、留意点として、これは自然死も同様ですが、医師の往診を受けずに自宅で死亡した場合は、検死が行われ、場合によっては家族が「保護責任者遺棄致死の罪」で取調べを受けることにもなります。その対処法についても本書で具体的に書かれています。
 
よって、今後は、年に1回行う断食日数を3日、4日さらには1週間と延ばしていき、断食慣れすれば、すんなり「断食往生」に入れるのではないかと。
 さあ、今年は「断食往生」に備えて3日断食を決行しよう!
 できるかなあ?

(追記)
 2016年05月11日のアメブロ投稿時以後に知ったことですが、死に様が物凄い御仁が明治時代にいました。それは山岡鉄舟です。52歳で胃がんで没。
 「みやざき中央新聞8月1日号 先人に学ぶ生き方の極意 その8 (著者:白駒妃登美)」からの抜粋
 1888年(明治21年)7月19日朝、鉄舟は「腹痛や 苦しき中に 明け烏(がらす)」と歌いながら朝湯につかり、上がると白装束に着替え、左手に数珠、右手に団扇を持って座りました。やがて、見舞いに来た勝海舟としばらく世間話をしていましたが、鉄舟はおもむろに「只今、涅槃に入る」と告げました。それを聞いた勝が「左様か、ではお心安く御成仏を」と言って辞去すると、鉄舟はそのまま座を崩さず、皇居の方角に向かっていつの間にか息を引き取っていたそうです。
 死に際にその人の生き様が凝縮されるとするならば、まさしく山岡鉄舟こそ「ラスト・サムライ」といえるのではないでしょうか。「ラスト」には、「最後の」という意味のほかに、「永遠に続く」という意味もあります。(引用ここまで)

 いやあー、恐れ入ります。とても人間業とは思えません。そんなこと絶対に不可能だ、となってしまいそうですが、どっこい身近にそれに近い方がいらっしゃいました。
 その方は、80歳で肝臓がんで亡くなられたのですが、死の近くまで農作業をされ、「もうあかん、動けん」と言ってから20日後に息を引き取られました。がんだと分かっても誰に言うこともなく、医師の手当ても受けず、そして自分の死期を悟られたことでしょう。
 やっぱり「楽に死ぬには、がんに限る」ですなあ。

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リーキーガット症候群を克服しよう

2016年09月10日 | 生活習慣病一般

リーキーガット症候群を克服しよう

 最近、海外でにわかに注目を浴びているのがLeaky Gut Syndrome(リーキーガット症候群)。英語で「漏れている(Leaky) 消化器官(Gut) 症候群Syndrome)」というもので、「腸管壁浸漏症候群」と訳されます。リーキーガットを分かりやすく言えば「腸粘膜のバリア機能が壊れている」状態のことです。ところが、日本の医学界では、リーキーガット症候群は無視されているのか、ウィキペディア日本版にも(1916.9.9現在)掲載されていません。欧米人よりも日本人に多発しているようなのですが、これはいかがしたものでしょう。

 リーキーガット症候群は、なんといっても胃腸虚弱で消化不良を起こしやすい体質の方が罹りやすいです。これは日本人の特質です。
・柔らかいものしか口にしなかったり、よく噛まないで丸飲みする傾向がある。これによって、唾液での消化がほとんどなされないし、胃に負担が掛かる。
・胃袋は白人に比べてきゃしゃにできており、消化力が小さい。これは、日本人は古来より動物性タンパク質の摂取が少なく、でんぷん質を単にふやかすだけの仕事しか胃がしてこなかったことによる。
・古来より動物性タンパク質の摂取が少なかったことにより胃酸の出が悪く、これにより食品に含まれる雑菌の殺菌力が完全ではないため、腸に入って雑菌増殖が起きやすい。
・戦後、肉の摂取が急激に増え、胃での消化が不十分にならざるを得ず、小腸に負担がかかり、完全消化が難しくなる。
・肝臓からの胆汁酸(脂肪消化促進)の出が悪かったり、膵臓からの消化酵素(脂肪、たんぱく質の消化酵素)の出が悪かったりして、未消化物が大腸に入っていく。
・肉や脂の未消化物が大腸に入ると、これを餌とする悪玉菌や日和見菌が増殖して腸内環境が変化し、善玉菌の増殖が抑えられる。

 以上の経過をたどって、油っこい物や肉を多食すると腸内環境の悪化が進みます。
 恒常的な腸内環境の悪化は、よく知られているように、善玉菌の増殖が抑えられて、主に便秘症、まれに下痢を引き起こすだけでなく、悪玉菌が出す毒素によって、吹き出物が出るなど皮膚に炎症を起こします。これらは表に出る症状ですが、皮膚に炎症が起きるということは、皮膚とつながっている腸粘膜にも炎症を起こしている恐れが大です。これは経験的に知られています。加えて、悪玉菌が出す毒素が体内吸収されて全身を巡りますから、様々な臓器、器官をじわじわと痛み付け、あらゆる疾病の発症原因となります。

 ここまでのことは、従前から言われていたことなのですが、これよりリーキーガット症候群に関係する事象について説明しましょう。
 腸内環境の悪化に伴い、ときにカンジダ菌(これは真菌[カビの一種で細菌とは異なる])の異常増殖を引き起こすことがあります。
 カンジダ菌そのものは、ヒトの体表や女性の膣粘膜にも普通に存在する常在菌であり、善玉でもなく悪玉でもない日和見菌で、普段は特に何の影響も与えない菌です。
 しかし、善玉菌が減り、細菌叢(そう)が崩れたときなどにカンジダ菌が異常増殖を起こすことがあり、これを日和見感染と呼ぶのですが、カンジタ菌が出す毒素によって、腸粘膜はさらなる炎症を起こします。なお、リーキーガット症候群の人の腸内では、現実にカンジダ菌がのさばっていることが多いようです。
(注:カンジダ菌が異常増殖していることがはっきりしていれば、抗真菌薬をお医者さんで処方してもらうのも一法ですが、副作用が大きいようですし、投薬で一時的に減っても常在菌ですから絶滅させるのは不可能で、腸内環境が改善されないことにはカンジタ菌をおとなしくさせることはできません。)

 事ここに至ると、腸粘膜の炎症は大きく進み、腸がただれた状態、つまり、冒頭で言いました「腸粘膜のバリア機能が壊れた状態」になってしまいますから、未消化物(特にたんぱく質)や雑菌がなだれを打って体内に侵入していきます。
 これがリーキーガット症候群の始まりです。
 なお、カンジダ菌の異常増殖でなくても、悪玉菌がのさばったり、他の原因でこうした状態を引き起こすことも十分に考えられます。

 以上のことは離乳期を過ぎた子供や大人に当てはめられることですが、赤ちゃんの場合は少々事情が異なります。
 日本では離乳を急がせ、生後1年もしないうちから離乳食を与えます。この段階では、赤ちゃんは母乳以外の物に対しては消化力が弱く、また、腸壁が不完全ですから、脆弱な腸粘膜からタンパク質など未消化物や雑菌が体内に侵入してしまうのです。

 子供や大人にしろ赤ちゃんにしろ、本来は体内に入れてはならない未消化物や雑菌が腸壁からすり抜けて体内に侵入するのが恒常化すれば、どうなるでしょう。
 当然に大変なことになります。様々な疾病を引き起こすことになりましょう。
 まずは、これはよく知られたことですが、未消化のたんぱく質が食物アレルギーの原因となり、また、アトピー性皮膚炎を起こしたりします。これはアレルギー反応が皮膚へ出た症状ですが、皮膚以外にも体中で様々な炎症を引き起こすことになります。
 未消化のたんぱく質(後から述べます雑菌も関係しますが)は、喘息、関節リウマチ、慢性疲労症候群、糖尿病、クローン病(消化管全体に原因不明の炎症や潰瘍が生じ、下痢や腹痛を起こす難病)などを引き起こし、これらの疾患のうち3分の2はリーキーガットが引き金になっていると推測されもしています。
 なお、過敏性腸症候群(脳が不安や精神的ストレスを受けると、自律神経を介して腸の運動異常を引き起こし、便秘や下痢を繰り返す)を併発することも多くなります。

 次に、腸壁から体内に雑菌が侵入したらどうなるでしょう。
 まずは病原菌ですが、これは免疫機構でもっていち早く発見して殲滅しようとしますから、発熱などを引き起こし、ある程度の免疫力があれば撲滅できます。ただし、風邪でもないのに度々熱が出て、だんだん体力が消耗し、免疫力が落ちて病原菌をのさばらせることになり、重病を発症する恐れが出てきます。
 単なる雑菌であれば、侵入する数はさほど多くはなく、掃除役の白血球が少しずつ食べてくれて大事に至らないことが多いでしょうが、油断ならないのは莫大な数が生息している腸内細菌です。腸内細菌がなだれをうって体内侵入したらどうなるでしょう。
 これに関しては全くと言っていいほど関心が寄せられていないのですが、西原克成氏は、医学界みな、これを見落としていると言っておられます。
(注:2014年6月、順天堂大学の研究グループが、“腸内細菌が血液中に移行することを初めて発見した”と発表し、糖尿病との関わりだけを論文にしていますが、既にその10年前、西原氏は著「究極の免疫力」の中で様々な疾患との関わりを述べておられます。)

 西原氏の主張をかいつまんで説明すると、次のようになります。

 怖いのは「冷たい物中毒」です。これは、腸粘膜に炎症がなくてもリーキーガットが起きてしまいますから極めて恐ろしいものとなります。
 日本食は、伝統的に「冷めた物」が多いです。これに慣れていますから、真夏となると暑さをしのぐために「冷たい物」をバンバン口に入れます。特に、飲み物には氷を浮かべたり、ギンギンに「冷えた物」をがぶ飲みします。いきなりこれをやると、腸が「冷え」に対して拒絶反応を示し、即、下痢となるのですが、繰り返し「冷たい物」や「冷えた物」を腸に入れ込むようになると、腸の温度センサーがバカになり、下痢をしなくなります。
 これを通称「冷たい物中毒」といいます。
 高度成長期以降の冷蔵庫の急速な普及で、これが日常化してしまいました。
 この「冷たい物中毒」の怖いところは、腸管内の細菌(病原菌、雑菌、腸内細菌)が体内侵入を企てたとき、正常な腸温であれば腸壁に数多くいる白血球(免疫細胞)が細菌を全て食い殺してしまうのですが、腸壁が低温になっていますから、白血球の活動力がガクンと落ちており、細菌が腸壁を素通りするのを許したり、白血球が細菌を飲み込んだとしても消化することなく、どこかへ行って吐き出してしまうのです。その結果、体内細胞のあちこちに細菌が巣食うことになってしまいます。これは人によって差異がありますが、特定の臓器や器官に集中することもあります。
 こうなると、体内細胞で生み出されるエネルギーを寄生した細菌が横取りし、だんだん低体温になっていき、様々な疾患を発症することにつながっていくのです。

 以上のことが重なり合ってリーキーガット症候群が起こると考えられるのですが、人には自然治癒力があって腸粘膜の修復をしようとしますし、腸内細菌群も自力で当初の細菌叢の復元を図ろうとします。
 ところが、腸内細菌叢の復元を大きく妨げるものが2つあります。それは抗生物質と防腐剤です。
 まず、抗生物質ですが、ある抗生物質は特定のある病原菌を叩くようには作られていますが、病原菌も腸内細菌もともに細菌ですから薬物に対する基本的生体反応は同じであり、腸内細菌は何千、何万種類もありますから、ある抗生物質によって強くダメージを受ける腸内細菌も少なからずいます。よって、抗生物質が強い効き目を示したり、あるいは長期間服用すると、腸内細菌のうち何種類かは数を減らしたり、死滅してしまって腸内細菌叢(そう)に崩れを起こします。一度大きくバランスを崩した腸内細菌叢は容易には回復しません。というのは、一人のヒトの腸内にいる細菌は何百種類も生息していて群をなして棲み、互いにライバル関係にもありますから、大きく数を減らした種は容易には元の数まで復元できないからです。加えて、細菌叢は離乳期に概ね完成し、ヒト皆、同一ではなく、各人個性的に形成され、いったん形成された腸内細菌叢に、どこかで培養した同一種の生きた腸内細菌を入れ込んでも、“余所者は先住者によって食べつくされる”のでして、定着することはないからです。
 次に防腐剤ですが、これは腐敗防止のため加工食品、惣菜、弁当などに含まれるのが常です。防腐剤は、細菌を殺したり増殖を防いだりする化学薬品ですから、腸内細菌全般にも同様に働きかけます。もっとも、濃厚な防腐剤が入った加工食品ばかりを毎日食べることはないですから、腸内細菌が全滅することはないですが、腸内細菌が十分に増殖するのを大なり小なり妨げるのが防腐剤一般に言えることです。
 防腐剤の他に漂白剤などの食品添加物も害は弱くなりましょうが類似した作用を及ぼす可能性があります。また、残留農薬も問題となりましょうが、残留農薬は通常極めて薄い濃度ですから、ヒトの体内細胞にアレルギーを起こさせることはあっても、腸内細菌に直接的に作用を及ぼすことは少ないと思われます。

 ここまで、リーキーガット症候群が起こる幾つかの原因を挙げてきました。原因が分かれば対処法も決まってきます。それら原因をまず列記することにしましょう。
よく噛まないで丸飲みする傾向がある
・胃酸の出が悪い
・膵臓からの消化酵素(脂肪、たんぱく質の消化酵素)の出が悪い
・動物性タンパク質や脂肪の摂取が過剰
・腸内環境の悪化が進む
・冷たい物中毒
・抗生物質と防腐剤

 まずは、こうした原因にしっかり対処することです。
・食べ物はよく噛んで丸飲みしない。「一口30回噛む」を目標にゆっくり食事する。
・胃酸の出を良くするには食塩が必須で、減塩しない。
・膵臓からの消化酵素(脂肪、たんぱく質の消化酵素)の出が悪いから、動物性タンパク質や脂肪の摂取を少なくする。
・腸内環境を改善するために野菜中心の食事にする。
・冷たい物中毒にならないよう、努めて体温より高いものを口に入れる。
・抗生物質と防腐剤を極力避ける。

 こうした対処をしても、リーキーガット症候群がグングン改善することは期待薄でしょうから、何か改善を促す方法を取らねばなりません。
 通常言われているのが、腸内環境の改善で、次の3つが勧められています。
・ビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌など腸内細菌と同種あるいは類似種を補給する
 腸内の善玉菌が不足していると考えられるので、これら生菌を口から補給するとよいと言われますが、ほとんどは胃酸で死滅しますし、腸に届いたとしても、先に書きましたように定着することは望めません。ただし、これら補給された菌は腸内細菌の餌になり、活力を高めたりしますから、まずまずの効果は期待できます。なお、最新情報では、近親者の便を肛門から挿入して腸内細菌叢を入れ替えるという方法が米国で行なわれ始めたようで、一定の効果が出ているようですが、これが日本に導入されるのはきっと随分先のことでしょう。
・腸内細菌と同類の細菌群により作られた発酵生成物を補給する
 発酵食品のほか、いわゆる「酵素」と呼ばれる健康飲料もこれに該当します。発酵生成物は腸内細菌の活力を高め、善玉菌を増殖させますから、毎日摂取するのが望ましいです。ただし、留意点が幾つかあります。
 何事も度が過ぎるとマイナス効果しか生まれませんから、大量摂取は避けねばなりません。特に「酵素」と呼ばれる健康飲料は過発酵を抑えるために砂糖が濃厚に加えられていますから、炎症を起こした腸粘膜を痛めつけます。そして、動物性の発酵食品(乳製品など)は日本人には体質的に合いませんから避けたほうが無難です。これは、日本人は古来より動物性食品に馴染んでおらず、特に乳の摂取は皆無であったことによります。なお、米国においても、これは未確認情報ですが、リーキーガット症候群には乳製品は避けたほうがいいと聞き及んでいます。
・腸内細菌の餌となる食物繊維の積極的な摂取
 食物繊維にもいろんな種類があります。野菜の繊維質が一般的なものですが、これは不溶性で主として大腸下部の細菌の餌になります。水溶性の食物繊維(寒天に多い)は主として大腸上部の細菌の餌になります。他には、水溶性であって、特殊な食物繊維としてオリゴ糖があります。ブドウ糖などの単糖類が数個程度つながった多糖類の総称をオリゴ糖といいます。乳由来のガラクトースを含むガラクトオリゴ糖には問題がありますが、植物由来のブドウ糖だけがつながったフラクトオリゴ糖はヒトの体にやさしいばかりでなく、腸内善玉菌全般のかっこうの餌となり、活力もつけてくれるすぐれものです。
 そのフラクトオリゴ糖を毎日積極的に摂取したいです。なお、これの過剰摂取は初期に下痢する程度で何ら問題ありません。フラクトオリゴ糖は、タマネギやゴボウにある程度含まれますが、その3倍も含むのがヤーコン芋です。
 “軌跡の健康野菜”と呼ばれるヤーコンです。葉は食後過血糖の防止に極めて効果的ですし、芋は整腸作用が抜群です。まだまだマイナーな野菜ですから市場に出回ることは少なく、かつ、保存性が悪いですから冬場しか入手できませんが、加工食品なら年間を通じて入手可能です。ヤーコン芋を搾って作られた「100%ヤーコンジュース 野菜毎日」がそうです。入手先は、次のところです。
http://www.ya-con.com/list/list.php?mode=DETAIL&idno=45
 毎日1本お飲みになってはいかがでしょうか。なお、畑があったり、借りられるようでしたら、ご自分でヤーコンを栽培なさってみてください。芋を冷蔵庫で保管すればかなり長期間もちそうです。
 ヤーコン栽培については、小生
の別立てブログをご覧ください。
 ヤーコンおやじのブログ  「
さあ皆さん、ヤーコンの栽培を始めましょう

 次に、リーキーガット症候群による様々な炎症(アレルギー反応を含む)を軽減するために、オメガ3系脂肪酸(青背の魚、亜麻仁油、シソ油、エゴマ油)の補給が良いと言われることが多いです。
 これは、摂取
オイルバランスの崩れ(
多価不飽和脂肪酸のうちオメガ3系脂肪酸の摂取不足)から言われることですが、他の脂肪酸(飽和脂肪酸:肉の脂やバター、一価不飽和脂肪酸:オリーブ油など、多価不飽和脂肪酸のうちオメガ6系:一般的な植物油)をあまりにも多く摂取しているから問題になるのでして、油脂全般の摂取を大きく減ずるほうが、様々な炎症を抑える効果が大きいです。
 ちなみに、植物油やバターなど調理用油脂の日本人の摂取量は戦前の約20倍になっていますし、昔は脂の乗った青背の魚は焼くときに脂(オメガ3系)を切っていたのですから、これを見習いたいものです。
 なお、これによって、脂肪消化酵素を出す膵臓の負担が大きく軽減されますし、腸内環境の悪化(未消化脂肪の大腸への流入)を防ぐこともできます。

 さらには、免疫力を増強する必要があると言われます。
 腸管で作られる白血球(免疫細胞)はリンパ球で、全リンパ球の60~70%を占めると言われるほどに、数多くのリンパ球が防衛線を張っています。先ほど説明しましたように、
腸管表面の粘膜から進入しようとする病原菌、雑菌、腸内細菌を水際で殲滅する必要があります。また、侵入した菌をマクロファージで直ちに食い殺してもらう必要があります。
 そのためには、たしかに腸の免疫機能を高めねばなりませんが、これは容易なことではありません。なぜならば、リーキーガット症候群になっている方は低体温傾向にあり、白血球の活力が低下しているからです。
 加えて、砂糖の過剰摂取はマクロファージをはじめ白血球の活力を大きく低下させますから、酵素飲料の過剰摂取はこの点でも問題を生じやすくします。
 リーキーガット症候群の方がときどき発熱するのは、体温を上げて白血球の活力を高めようとする自然治癒力の現れであり、低体温からの脱却しか方法はないと思われます。これについては後述します。

 他には、総合ミネラル剤の摂取が重要とも言われます。これは補助的なものではありますが、無視できないものでしょう。
 現代人の食事からすると、一般的にマグネシウム、亜鉛が欠乏しています。これらは新陳代謝や免疫機能維持に不可欠です。なお、ミネラル摂取はバランスが重要ですから、ミネラル単品ではなく総合ミネラルとするとよいです。
 ところで、ミネラル吸収は腸内環境が良くないと不十分となります。びどい便秘症の方などは総合ミネラル剤を飲んでもほとんど吸収されませんから、腸内環境を整えるのを先行させねばなりません。
 なお、玄米食はミネラル豊富ですからおすすめしますが、炊き方に注意してください。
  → 玄米VS白米論争

 水分補給についても注意すべき事項があります。
 お茶(緑茶、紅茶)は胃腸の粘膜を荒らしますから、飲んではなりません。
  → 胃薬を飲めば飲むほど胃は悪くなる(付記:お茶も薬のうち) 
 コーヒーも同様です。砂糖の入った清涼飲料水も避けるべきです。
 生水を常温で、できれば体温より高い温度で飲むのが基本ですが、おすすめしたいもは「柿葉茶」です。柿葉にはビタミンCが濃厚に含まれ、煮出しても柿葉のビタミンCは壊れませんし、胃腸を刺激することもないです。

 さて、リーキーガット症候群から脱出するために最も重要なのは、先に申しました低体温からの脱却です。これは、一筋縄ではなんともいかない難しい問題ですが、これがクリアできれば一気に治癒に向かうことでしょう。
 様々な生活習慣の見直しから総合的に取り組むしかないですが、幾つかの方法を提案させていただきます。
・入浴習慣
 2、3時間程度の効果しかないでしょうが、体の芯を温めることができます。
 「温め、浅め、長く」湯船に浸かるのがよいです。そして、湯上がりには冷水シャワーを浴び、皮膚を引き締めて熱を逃がさないようになさってください。
 → 入浴法あれこれ、自分に最も合った方法を探しましょう
 → 始めましょう、冷水シャワー。万病に効果あり。ただし、夏を過ぎても毎日実行。
 ※ 入浴と同様の効果が出るものに貼るカイロがあります。お腹を温めるツボに貼るカイロのミニサイズを下着の上から貼るといいです。「環跳」というツボで、立ったときにお尻の両脇にできるくぼみです。お腹から離れた場所にありますが、お腹に一番効くツボです。温まりすぎて気分が悪くなるようでしたら、取り外します。(※2016.9.14挿入追記)

・軽い運動
 ラジオ体操、膝屈伸など短時間でいいですから、一区切りついたときに体を動かす癖付けをしてください。筋肉運動は発熱を伴いますから体温上昇になります。
 → 森光子さん健康法「膝屈伸1日150回」
 → どこでもできる、体が温まる「8の字書き体操」

ミニ断食のすすめ
 胃腸を元気にしてあげれば、消化吸収もはかどり、必要な栄養素が得られて代謝が進み、体温上昇に一役買ってくれます。
 そのためには、まずは胃腸を休ませてあげる必要があります。
 1日3食に、おやつ、夜食まで取っていると、胃腸が休まる暇がありません。
 毎日、連続して十数時間、食を断つと胃腸は大休止することができ、元気が出てきます。つまり、朝食を抜くことです。
 → 
朝食有害論の歴史的推移=皆が健康な時代は古今東西「朝食抜き」

 朝食抜きが無理なくできるようになれば、今度は昼食も抜く1日1食に挑戦なさってください。より長時間、胃腸を休ませてあげられ、胃腸の元気さが高まります。
 そして、これは1日2食の場合もそうですが、1週間か10日に1回、1日断食を組み込むことです。これでますます胃腸は元気になることでしょう。
 なお、1日断食は、水しか飲まない完全断食ではなく、澄まし汁断食であったり、青汁断食(※次項で説明)であったり、先に紹介した「100%ヤーコンジュース」断食であっても、同等の効果が得られ、完全断食よりもうんと楽に1日が過ごせますから、ぜひ取り入れてください。また、塩分を摂取すると、より楽になりますから、梅干を十分な白湯とともにおあがりになるとよいです。
 断食時には水分補給が欠かせませんが、先ほど述べましたようにお茶やコーヒーは厳禁で、柿葉茶をおすすめします。
 → 家庭でできる断食健康法に取り組んでみませんか

ヒト本来の食性に帰る
 これが低体温から脱却し、あらゆる難病を治癒する最善の方法と思われます。
 太古の昔、原始人の食性は「生菜食」であったと考えられます。決して狩猟採集で肉を食っていたわけではありません。
 各種生野菜(葉物と根菜)を1日1、2回摂るだけのものですが、生野菜をいくらよく噛んでも野菜の繊維が胃壁・腸壁を荒らしますから、ミキサーなどですり潰し、はじめは布でこした青汁を飲みます。慣れてきたら、すり潰したものをそのまま飲むというものです。
 → 生菜食の是非について考える。完全生菜食で信じられない健康体に!
 完全生菜食に切り替えるのは非常に難しいですが、1日2食の昼食代わりにしたり、1日1食に取り入れたりするのも効果的でしょう。
 ただし、これを急ぎ取り入れると一時的に低体温を加速します。一番の原因は、腸内細菌がまだ生菜食に適応した細菌叢を形成していないからです。冬場は慎重に少しずつ体を慣らしていく必要がありましょう。

 こうした幾多の生活習慣の見直しをせねばリーキーガット症候群の改善は望めないと思われますが、生菜食の導入以外のものであっても、気長に少しずつ体を慣らしていかないと、思わぬ障害がでることが多いですから、くれぐれも慎重に効果を確認しながら少しずつお進めなさってください。

 最後になりますが、本稿は極めて長文となり、また、所々でリンクを張りましたから、お読みいただく方に随分とお時間を取らせ、誠に申し訳ありません。
 なお、小生はまだリーキーガット症候群の方の臨床例を持っておらず、他の症例からの推測で物を申しております。よって、ここに示しました幾多の生活習慣改善法のうち、どれが特に重要なのかは、よくわかりません。その点、ご容赦ください。
 皆様には最後までお読みいただきまして有り難うございました。リーキーガット症候群を患っておられる方々の一日も早い改善をお祈りいたしております。

 参考記事:ミトコンドリアと放射能そして冷え性(冷え症)・低体温症
 関連記事:胃薬を飲めば飲むほど胃は悪くなる(付記:お茶も薬のうち)

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