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睡眠時無呼吸症候群の治し方

2015年02月19日 | 健康情報一般

睡眠時無呼吸症候群の治し方

 随分と前から、これが話題になり、その治し方もいろいろ言われてきています。
 ご存知の方が多いかと思いますが、睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に断続的に呼吸が一時止まるという症状(ほとんど無自覚)です。息が止まれば当然に苦しくなりますから、夜中に何度も目を覚ましたり、覚ましそうになったりして熟睡できず、昼間に強い眠気が生じたり、集中力が低下したりします。影響はこれに止まらず、免疫力が低下するのは必然ですし、夜中・朝方に各種血管症を引き起こす危険性が大きくなります。

 これと相関関係にあるのが、過食、胃食道逆流症、口呼吸、いびき、などです。
 ちなみにウィキぺディアによりますと、「胃食道逆流症の人の約10%に睡眠時無呼吸症候群があり、睡眠時無呼吸症候群の54~76%に胃食道逆流症が認められることが分かった」と記されていますが、これといった治療法は書かれていません。
 さて、この中で、過食、胃食道逆流症との大きな相関に注目し、睡眠時無呼吸症候群を簡単に治す方法を発見されたのが、新谷弘実医師です。
 ほんまかいな?と信じられない一面がありますが、新谷氏は超ベテランの医師であり、長年にわたる自らの食生活改善や患者への食生活指導を通して、自信をもって言っておられますから、けっこう当たっているのではないでしょうか。
 なお、新谷氏は内視鏡外科の先駆者であり、世界一の臨床例をお持ちの名医です。

 2005年に氏(当時70歳)が著された「病気にならない生き方」から、睡眠時無呼吸症候群の治し方の部分を抜粋して紹介しましょう。

 睡眠時無呼吸症候群はこの習慣で治る
 日々の習慣が病気をつくる反面、日々の習慣を少し改めるだけで治すことのできる病気というものがあります。最近、何かと話題に上ぼることの多い「睡眠時無呼吸症候群」はその一つです。
 …睡眠中は筋肉が弛緩するため、仰向け状態で寝ていると誰でも、舌の根もと(舌根)が垂れ下がり、気道が狭くなります。睡眠時無呼吸症候群の人は、この「気道狭窄」が著しく、気道を一時的にふさいでしまうため息が止まってしまうのです。…
 この疾患で、睡眠中に窒息して死に至ることはありませんが、睡眠不足は免疫機能や代謝機能など生命維持機能を低下させることに加え、循環器系に負担をかけるので、心臓病や脳卒中になる確率が3~4倍も増加する怖い病気です。
 この病気は、患者の7~8割は肥満の人なので、当初は肥満によって気道が狭くなることが原因かと思われましたが、研究の結果、肥満と睡眠時無呼吸症候群に直接の因果関係はないことがわかっています。
 睡眠時無呼吸症候群には、気道が閉塞することによって起きる「閉塞型」と、脳の呼吸中枢の活動が低下することによって起きる「中枢型」、そしてこの2種類の混合である「混合型」の3種類があります。じつは、このなかでもっとも患者数が多い「閉塞型」睡眠時無呼吸症候群をかんたんに治す方法があるのです。それは、睡眠の4~5時間前から、胃に何も入れないことです。もっとわかりやすくいえば、胃をからっぽにしてから寝るようにするということです。
 人間の気管というのは、空気以外のものが入らないような仕組みになっています。しかし、寝る前に胃にものが入っていると、横になることでその内容物がのどまで上がってきてしまうのです。これが著しく気道が狭くなる「閉塞型」の原因だと私は考えています。
 睡眠時無呼吸症候群の患者のほとんどが肥満であるということも、この私の仮説と符合します。
 夜寝る前に食事をとると、インシュリンが大量に分泌されるのですが、インシュリンは、炭水化物もタンパク質も、すべて脂肪に変えてしまうため、同じものを食べても夜遅く食べると太りやすくなることがわかっているからです。つまり、肥満だから睡眠時無呼吸症候群になるのではなく、寝る前にものを食べるという習慣が、睡眠時無呼吸症候群の初病と肥満の原因を同時につくり出しているということです。
 食事に限らず、夜寝る前に胃にものを入れるというのは「悪い習慣」です。
 睡眠薬を飲むよりいいからと「寝酒」を習慣にしている人がいますが、これも危険です。本人は寝つきがよくなるといいますが、寝ている間に呼吸が止まりやすくなるため、血液中の酸素濃度が低下してしまいます。もともと動脈硬化があったり、心冠動脈の細い人にとっては、酸素濃度の低下は心筋の酸欠を招き、文字どおり命取りになってしまいます。
 夜明けに心臓麻痺や心筋梗塞で亡くなる人が多いのは、じつはこのように夜遅くに飲食したために逆流が起こり、それによって気道をふさぎ、無呼吸を招き、血液中の酸素濃度が低下し、心筋が酸欠で壊死してしまうのが原因なのです。
 寝る前に食事だけでなくお酒まで飲むと、このリスクはさらに高まります。なぜなら、アルコールを飲むと呼吸中枢の抑制が起こり、血中の酸素濃度がさらに減少するからです。
これはまだ証明されたことではないのですが、私の患者に聞き取り調査をしたデータによると、小児喘息をもっていた人というのは、子供のころに食事をしてすぐ寝かされたり、寝しなにミルクを与えられていた人がとても多いのです。
 小児喘息、睡眠時無呼吸症候群、心筋梗塞、心臓麻痺、これらの病気を予防するためにも、胃を空にしてから寝る習慣をぜひ身につけていただきたいと思います。
 夜、どうしてもおなかがすいて耐えられないという人は、フレッシュでエンザイム(酵素)をいっぱい含んだ果物を少し食べるようにするといいでしょう。エンザイムを含んだ果物は非常に消化がよく、だいたい30~40分程度で胃から腸へ移動します。ですから、果物であれば、食べても1時間ぐらいたつと、横になっても逆流を起こす心配はありません。

 新谷医師によれば、睡眠時無呼吸症候群はこんな簡単なことで治るとのことです。
 しかし、小生には納得がいかない面があります。というのは、新谷氏より5歳若いだけのベテラン医師・西原克成氏が言っておられることに一理あると思うからです。
 なお、西原氏は東京医科歯科大卒、東大医学部大学院に入ってから同部研究職で、退職時まで講師の肩書きで冷飯を食わせられた方です。専門は口腔外科ですが、歯や口の中だけを見るのではなく、動物進化の法則、骨格の歪みからくる疾病など幅広い研究の中から独自の免疫学を築き上げられ、臨床で大きな成果を挙げられています。
 その西原氏がおっしゃる睡眠時無呼吸症候群の治し方を、著「健康は『呼吸』で決まる」

から抜粋して紹介しましょう。

 寝相・片噛み・口呼吸の矯正
…横向き寝・うつ伏せ寝の人を観察すると、ほとんどが片噛みで、使用している側を下にして寝ています。そして、頭の重さと鼻孔内のうっ血によって鼻がふさがり、必ず口呼吸になっています。するとイビキと無呼吸症(睡眠時無呼吸症候群)が連鎖してしまいます。
 横向き寝・うつ伏せ寝の癖を矯正するには、枕を使わないか、羽毛のような柔らかい枕に替え、真上を向いて寝るようにします。こうすると鼻と気管が一直線になり、楽に鼻呼吸ができるようになります。鼻孔を拡大し、口唇をテープでしっかり閉鎖すれば、イビキも無呼吸も退治できます。しかし鼻孔を拡大しないで口唇にテープを張るときわめて危険です。これで過労が重なると、突然死するすることさえあるので十分注意してください。高い枕で背骨が曲がってしまっている人は、急に無理はできないでしょうから、枕を徐々に低くしていって鼻呼吸を身につけるようにしてください。
…片噛みの癖は、普段使わない側でキシリトールのガムを噛むことで矯正します。その際、姿勢を正して正面を向いて頸(くび)を真っ直ぐにして顎(あご)を引き、口唇を閉じたまま噛みます。胸を張り、口唇と肛門をしっかり閉ざして横隔膜呼吸しながらガムを噛みます。こうすると噛みにくくなりますが、これによって姿勢までが鼻呼吸を促すように矯正されます。…
 睡眠中の突然死の原因
 イビキ、歯ぎしり、無呼吸症は、癖というよりも一種の病気で、口呼吸のために起きる症状です。ひどいイビキは、まず間違いなく口呼吸が原因です。イビキと無呼吸症は切っても切れない一蓮托生の症状で、鼻呼吸にすれば一挙に解決します。鼻が悪くて口呼吸をしている人は、まず鼻を治さねばなりません。…
 高い枕を使用する場合や横向き寝・うつ伏せ寝では、鼻腔と気道の間がふさがれてしまい、口呼吸しかできなくなります。口呼吸では舌の位置が不安定になり、舌根と口蓋垂(喉ちんこ)の間隔が狭くなって空気の通りが悪くなります。すると、息をするたびに舌根と口蓋垂が震えて音が出ます。これがイビキです。ときには舌根が喉をふさいでしまい、息ができなくなることがあります。これが無呼吸症です。
 息ができなくて苦しくなって目を覚ますと、舌と口蓋垂による気道の閉鎖が除かれて呼吸が再開されます。この繰り返しが一晩中続くので、いつもウツラウツラしていて熟睡できず、したがって十分に疲れをとることもできません。無呼吸症の人が普段から睡眠時間が短かったりひどい過労状態にあったりすると、息が止まるだけでなく心臓も止まってしまいます。これが過労による睡眠中の突然死です。そして、ほとんどの突然死は睡眠中に起きているのです。
 歯ぎしりは、咬筋というエラの呼吸筋に由来する筋群に起こる一種のケイレンです。これを防ぐには、仕事の緊張を眠りまで持ち込まないように、正しい姿勢でゆったりした睡眠をとるよう心がけることが大切です。
 エラが喜怒哀楽の精神と心を表明する器官であることを思い出してください。過労で力の足りない状態で生活していると、生きることが苦しくて、眠っているときもエラの筋肉がケイレンして、歯ぎしりや無呼吸になります。そのあげくに死んでしまうこともあるのです。余った力で生きる喜びを感じながら、ゆっくり寝ることをエンジョイしながら上向きで枕なしで眠りにつけば、歯ぎしりもイビキも一気に解決します。

 というふうに、西原氏は新谷氏とは全く異なる観点から、睡眠時無呼吸症候群の治し方について述べておられます。なお、西原氏は「口呼吸」が免疫力を落とし万病の元になると強く主張されておられ、鼻呼吸に改める治療でもって非常に多くの実績を挙げておられます。

 さて、新谷氏の主張、西原氏の主張、どっちがどっち、ということになりますが、小生思うに次の対策を順次とられてはいかがなものでしょうか。
 1 睡眠の4~5時間前から、胃に何も入れない
 2 枕を使わないか、羽毛のような柔らかい枕に替え、真上を向いて寝る
 3 生きる喜びを感じながら、ゆっくり寝ることをエンジョイする

 ところで、小生はというと、女房の話では、睡眠時無呼吸症候群はなさそうですが、深酒をするとイビキをかくそうです。これは、新谷氏がおっしゃっているように呼吸中枢の抑制が起こることによるものでしょう。
 女房はというと、夜中にイビキをよくかくし、軽い無呼吸症でもあります。これは口呼吸によることは明らかです。ために、毎日のように昼間に強い眠気が生ずるようですし、様々な疾患(症状はいずれも軽い)を抱えています。
 その女房をどう指導するかですが、店の閉店時間からして「1」は無理、「2」は実行可能、「3」は言うは易し行い難し、となります。
 しかしながら、「2」については別の観点(西式健康法)から小生は実行しているものの、女房は枕を気持ち低めにしているだけです。これを機会に女房にも枕なしへ順次変えさせることにしましょうか。 
 ところで…またまた、ところで…ですが、小生が採っている西式健康法の一つが「平床寝台、頸下硬枕」です。もっともこれは夏季限定でして、冬季は普通に布団を使用し、枕だけはごく低いものにしています。これの目的は、背骨の歪み、頸椎骨の歪みを正すものでして、これを既に記事にしているものと思い込んでいましたが、さにあらず。遅ればせながら今夏の初めに「平床寝台、頸下硬枕」健康法を紹介することにしましょう。

参考:2015.11.05投稿
 なんと腰痛も解消!背骨と首骨を正す西式健康法「平床寝台&硬枕利用」


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