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モバライダー mobarider

水星に大量の“水の氷”

2012年12月06日 | 水星の探査
水星に、水の氷が存在することが明らかになったんですねー
「太陽にもっとも近いので、温度が高すぎて水の氷は存在しない。」

っと思われている水星でも、
極域のクレーター内部に水の氷がある可能性は、
以前から指摘されていました。

それは、水星は自転軸の傾きが、ほぼゼロに近いから。

このためクレーターの内部には、1年を通して日が射さないところがあり、
温度の条件も整うことに…

氷は常に陰となっている、クレーター内部の低温の場所で見つかったんですねー
実は月の水の多くは、こうした永久影で見つかっていたりします。


氷が存在する証拠

1991年、プエルトリコにある“アレシボ天文台”のレーダー観測から、
極付近に点在する明るい領域が見つかりました。

この明るい領域が、
1970年代にNASAの水星探査機“マリナー10号”がとらえたクレーターの位置と、
一致していたんですねー

これで、氷の存在の可能性はさらに高まることになります。

ただ“マリナー”の探査は、
水星の全地表の半分以下しかカバーしていませんでした。

そして昨年から今年はじめにかけて、
NASAの水星探査機“メッセンジャー”が探査を行うことに…

すると、クレーターで見つかった南北両極の明るい部分が、
すべて実際に陰となっている部分であることが確認されたんですねー

氷の総量は東京の都心部と同じ大きさに広げると、
厚さが3キロほどになる量だそうです。
“メッセンジャー”による北極付近の画像に、
レーダー検出の結果(黄色)を重ねたもの。
クレーターと一致しているだけでなく、
比較的低緯度のクレーターでは南側に集中しているのが分かる

こうした明るい部分はすべて、
氷が安定して存在できる温度であると予測されていた領域で、
氷が地表にむきだしになっています。

そして、少し温度が高すぎると考えられる場所の表面には、
光を反射しにくいひじょうに暗い物質があるようです。

“メッセンジャー”による水素の測定から、
熱を通さない暑さ10~20センチの表層の下に、氷が埋まっていると考えられています。

この暗い物質は、彗星や小惑星が運んできた有機化合物と見られていて、
こうした物質と一緒に、
太陽系内部の惑星に水がもたらされたと考えられているようです。


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