電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

壺井一歩さんの音楽

2012年05月05日 06時03分20秒 | クラシック音楽
山響作曲賞がきっかけ(*1)で、ある若い作曲家を知りました。第2回「山響作曲賞21」受賞作品「はるかな祭と海」の作曲者である、壺井一歩さん(*2)です。
その後、山形弦楽四重奏団の第41回定期演奏会で、「弦楽四重奏曲第1番」(*3)、第43回定期演奏会で「弦楽四重奏曲第2番」(*4)を聴く機会を得て、この人の音楽世界がお気に入りになってしまいました。

壺井さんのホームページでは、山形弦楽四重奏団の演奏で、弦楽四重奏曲第1番の録音をMP3形式でダウンロードして聴くことができます(*5)。ICレコーダーによる録音のようですので、演奏会当日の聴衆の期待感、緊張感までは再現されませんが、曲の感じは十分につかむことができます。音楽は、演奏されて聴衆に届いてはじめて意味を持つものでしょう。その意味では、この録音の公開はうれしく、たいへんありがたい限りです。できれば、またどこかで再演され、聴く機会が持てるようであればと願っています。

さて、山Q第43回定期で、作曲者ご本人より求めた二枚のCDのうちの一枚、クラシックギターのための「Gift」というアルバムも、たいへん素敵な音楽でした。

(1) この道 (山田耕筰、佐藤弘和編曲)
(2) さくらの主題による変奏曲 (横尾幸弘)
新12の歌 (壺井一歩)
(3) アメージング・グレース (スコットランド民謡)
(4) おぼろ月夜 (岡野貞一)
(5) 城ヶ島の雨 (梁田貞)
(6) 竹田の子守歌 (京都民謡)
(7) 五木の子守歌 (熊本民謡)
(8) グリーンスリーヴス (イギリス民謡)
(9) すみれの花咲く頃 (F.デーレ)
(10) I Loves You, Porgy (ガーシュイン)
(11) みどりのそよ風 (草川信)
(12) ペチカ (山田耕筰)
(13) 仰げば尊し (スコットランド民謡)
(14) この道 (山田耕筰)

ギター演奏は宮下祥子さん、2009年の10月に東京のカルラ・ホールでデジタル録音されています。CDの型番は、HOMA レコードの HR1188 というものです。

たいへん繊細で美しいギターソロです。いずれも親しみやすく、しかもギターの音色が音として美しい音楽になっています。私としては、とくに(11)の「みどりのそよ風」がたいへん気に入りました。この歌が、こんなにすてきな歌だったのかと、見直しました。また、「城ヶ島の雨」の音楽の気宇の大きさ、見事さ(今の時代から見ても)を感じます。いずれの編曲もたいへん魅力的で、ギター音楽の愛好家にも関心を持っていただきたい曲集になっています。

(*1):山響第202回定期演奏会~大作曲家の青春時代~「電網郊外散歩道」2010年1月
(*2):Composer Ippo TSUBOI 作曲家 壺井一歩~オフィシャルWEBサイト
(*3):山形弦楽四重奏団第41回定期演奏会でハイドン、モーツァルトと壺井一歩作品を聴く~「電網郊外散歩道」2011年10月
(*4):山形弦楽四重奏団第43回定期演奏会で林光、壺井一歩、シューベルトを聴く~「電網郊外散歩道」2012年4月
(*5):Works ~ Composer Ippo TSUBOI 作曲家 壺井一歩 作品 ~ ♪マークに注目。
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