電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

高橋拓也『おうちワークの文具術』を読む

2023年01月05日 06時00分25秒 | -ノンフィクション
ウェブマガジン「毎日、文房具。」(*1)編集長の高橋拓也さんが、コロナ禍の中で自宅でリモートワークをする、いわゆる「おうちワーク」を余儀なくされ、その問題を解決していく中で「仕事がはかどり暮らしが整う」スタイルを確立した経過とノウハウを紹介した本です。

基本的に、都会の「狭い住宅事情」の中で家族に犠牲を強いることなく「暮らしと両立」させながら「コンパクトに仕事をする」方向性です。私のように、無駄に広い田舎家で広いスペースを持て余している事情とはだいぶ異なっています。しかし、デスク周りの便利さの追求は共通点も多く、役立つ工夫やノウハウがたくさんあります。例えば「小さいオフィスづくりに必要な3原則」(p.46〜7)として挙げられている

  1. 立体化
  2. 定位置化
  3. バックヤードの重要性

などは、そうだそうだと頷き同感するところです。その意味では、志向する方向性はだいぶ違いますが、その考え方や工夫は参考になるものが多いです。例えば腕時計を台にかけておき、置き時計代わりに使うなどの発想は、少しでもデスク上のスペースを広く使いたい者にとっては目からウロコのアイデアです。



ところで、著者が小さいノートなど「小さいもの」にこだわるのは、本人の好みもあるでしょうが、根本的には都会の住宅事情によるものと思われます。私のように、備忘録など各種ノートをふんだんに使い、しかもそれら全部を何十年も保管しているなどというのは、無駄に広い田舎家だからできることなのでしょう。自分自身の「スペースの無駄遣い」を意識し反省するとともに、狭さや不自由さを楽しむくらいの割り切りと柔軟性がないと都会で楽しく暮らして生きていくことは難しいのかな、と思ってしまいました。

(*1): 「毎日、文房具。」〜 No stationary, No life 〜

コメント