クーたんとココ君のお家

燕尾服を着た女の子クーたんと神戸から来たやんちゃ坊主ココ君の小さなドラマ。

あの日あの時

2008-03-02 11:28:14 | Weblog
今日掲載した写真は、クーが生後3ヶ月半位のものである。
03年9月23日午前2時頃、僕は子猫の泣き叫ぶ声で、目が覚めてしまった。声を頼りに台所に行き、駐車場の少し窓を開けると、窓を大きく開け、手の平サイズの子猫が、僕の胸めがけて飛び込んで来た。黒ぽい子猫だが良く憶えていない。猫には全く興味が無かったからである。2~3回程頭を撫ぜ「チビちゃん、明るくなったら、お家に帰ろうネ」と言って、車の屋根に戻した。クーとの最初の出会いである。目が冴えた僕は、新聞や本を読んで、朝を待った。子猫は泣きやまず、隣家の老夫婦も雨戸を開けた。子猫の言う事は、猫語不案内の僕にも良く分かった。「お腹空いたよ。ご飯頂戴。ネー寒いの お家に入れてよ」と。子猫にあげる食べ物が見当たらない。バターピーナッツしかない。口に入れ塩を取りながら、また窓を開ける。先程と同じく僕の胸に。でも可愛いとは思わない。ピーナッツを車の屋根に置き、オチビも外に戻す。今思えば全く頓珍漢な事である。
午前6時になり、息子が家を出た。僕も一緒に外に出る。子猫が泥足のまま、家に入り込むのが嫌だったからである。猫にそんな先入観しか持って居なかった。猫より犬が可愛いと思っていた。だが事態は思わぬ方向に。門を出た息子の後を子猫が追いかけた。その子猫を僕は抱き上げた。その瞬間、ユニークなマスクだが可愛いと思った。猫を可愛いと思った最初の瞬間である。直ぐには子猫を家に入れなかった。何故なら、その面倒を見るのは、家内に頼まねばならない。家内のOKを貰わなければならないからで、車庫に戻し、家に入り「あのオチビを家に入れようよ」と一言を家内に話す。話すと言うよりも宣言だ。
僕が出勤後息子から「お袋、子猫を今日一日預かってよ。飼ってくれる人を探すから」との電話が入った。猫の素晴らしさを知らなかった家内も、抱いて家に入れた。そうでないと、夫と息子を相手に喧嘩をしなくてはならないからだ。無論しぶしぶである。ところが、子猫はソファーの上で眠ってしまった。これが彼女の心を動かした。
この日僕は一日中仕事が手に付かなかった。頭の中は子猫の事で一杯。人が見ていない所では、胸に十字を切り神様に「あのチビちゃんをお守り下さい。我家に居ますように」と何回も何回も祈った。願いは聞き入れられ、家に帰ると開口一番「チビちゃん居る」家内は「居るわよ。クーと名前を付けたの。クーちゃんよ」と。今に行くと、息子に抱かれたクーが出て来た。僕は体の力が抜けた。
あの日あの時の事、あの気持ちは生涯忘れないだろう。
クーたん何時までも元気にね。