気楽にとり(鳥&撮り)歩き

近場で身近な野鳥たちを観察しながら撮影しています。

アオサギの爪の秘密

2023年05月17日 | 鳥のトリビア

アオサギの足の指~第3趾には秘密があります。

爪を拡大してよ~く見ると、細かい凹凸が刻まれた櫛状になっているのです。
アオサギをはじめとするサギ類はこの刻みを櫛のように使って羽を梳いているそうです。




シャッターチャンス!ボートの縁に止まっているアオサギに接近
逃げる様子がないので 足をズームアップ撮影




👆 ↑ さらに拡大!   
©Romeo toriaruki のウォーターマークの上が第3趾です。
爪をじっくりご覧ください。細かい櫛状の刻みが見えます。


アオサギの爪を日光に透かして見ると、べっ甲細工のような飴色に見えるそうですが、
生きている野生のアオサギに、そこまで見せて!とお願いするのは無理でした(笑)








アオサギ(青鷺、蒼鷺)Grey heron 全長約95㎝
ペリカン目サギ科アオサギ属


いつも当ブログを閲覧して下さってありがとうございます。
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ビックリ!仰天!ペリカンの大あくび?

2021年09月29日 | 鳥のトリビア

淡路島のイングランドの丘に遊びに行った時のこと
飼育舎の中のペリカンを撮影していると 突然 大きなくちばしをカパッと開けました。
うわぁ~大きなあくび? 裂けそうに開かれたクチバシ!大迫力です。
ペリカンの下クチバシには大きなのど袋がついています。
じっくり観察するチャンス!ところが、予想外の姿に大変身!










まるで体内からエイリアンが正体を現したような??
撮影を続けながらも 驚きの連続でした。
のど袋が裏返って のどの奥や舌まで見えている状態?
のど袋は まるで蛇腹のように柔軟に伸びたり縮めたり出来るようですね?



大あくび? もしくは のどのストレッチを終えてスッキリ? 
何事もなかったように 涼しい顔のペリカンさんでした。



ペリカンの大きなのど袋は獲物の魚をすくいとる網のような役目をします。
のど袋には14リットル (大パックの牛乳14本) もの水が入ります。


水といっしょに豪快に魚を捕らえ、水だけを排出して魚を丸飲みして食べるそうです。
このペリカンは 池で飼われている大きくて立派な鯉をのど袋にとらえてしまいました。



神戸花鳥園と呼ばれていたころ、この池に大きな鯉を何匹も飼っていました。
「神戸どうぶつ王国」としてリニューアルされてから鯉は屋外の池に移されたのですが
初期にはまだ池に残っていて ペリカンの狩りの標的になっていました。
この写真の鯉は無事に解放されたのですが、不運にも食べられてしまった鯉もいたかもしれませんね…



モモイロペリカンは鳥には珍しく集団で狩りをするそうです。
魚の群を見つけると、大きなくちばしを揺らして魚を追い立て輪になって囲い込み
だんだんと輪をせばめて魚を中心に集めたところで全員がクチバシですくいとるそうです。

この写真は群の連携で狩り、ではなく、一匹の魚をめぐる争奪戦でした。



背後から褐色の翼のペリカンに食いつかれて クチバシが二重になって見えます。
仲間割れの大騒動のおかげで、この鯉は無事にのど袋から脱出できました。




翼に褐色の羽が目立つペリカンは幼鳥や若鳥です。
この子たちもいまではすっかり白い羽に変わり立派な大人に成長しました。
※ 今回の魚争奪戦は2014年10月に撮影しました。



モモイロペリカン(Great White Pelican) 全長約160cm 体重10kg
ペリカン目 ペリカン科 ペリカン属

大きなオスだと全長170cm以上体重は15kgになるものもいるそうです。

▼日本平動物園  モモイロペリカンの詳しい解説が閲覧できます。
https://www.nhdzoo.jp/animals/naka.php?animal_uid=168


アメリカ合衆国ルイジアナ州の愛称は Pelican State(ペリカンの州) 
ルイジアナ州 の旗と紋章にペリカンがデザインされています。


ルイジアナが「ペリカンの州」と呼ばれるようになったのは、
初代のルイジアナ総督のウィリアム・クレイボーン( William C.C. Claiborne)が、
周辺に生息するペリカンの親鳥が、飢えた自分の子のために自らの肉を裂いて
餌として与えているのを見て感動しシンボルとして採用したことによる、そうです。
州の鳥として愛されているのはカッショクペリカンとのことです。


アメリカンバスケットボールリーグ(NBA)のチーム ニューオーリンズ・ペリカンズも
ペリカンをチームの紋章やマスコットに採用しています。



参考:ルイジアナ州(Louisiana: LA)
    アメリカ大陸30000km -アメリカ・カナダ・メキシコの地理とドライブ旅行情報
http://www.tt.em-net.ne.jp/~taihaku/geography/state/louisiana.html


最後まで見ていただきありがとうございました。

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「鳥獣戯画」に描かれた鳥は?

2021年09月19日 | 鳥のトリビア

日本でもっとも有名な絵巻といえば「鳥獣戯画」ではないでしょうか。

いかにも楽しそうに体をくねらせ 踊り駆け回るカエルやウサギの毛筆画
図工や社会の教科書にも載っていて、退屈な授業中にこっそり眺めていました。

まるで人間のように谷川で水遊びをしたり相撲や弓矢、追いかけっこに興じるウサギやカエル
約11メートルもの長さの絵巻に生き生きと描かれていて、今にも動き出しそうです。

「鳥獣」と題されていますが、鳥の絵を見た記憶がありません。

そこで、どんな生き物が絵巻に描かれているのか調べてみました。
甲巻に描かれた動物は11種 そのうち鳥は2種類のみ。それぞれ一羽ずつでした。
ウサギ サル カエル キツネ ネコ ネズミ イタチ シカ イノシシ キジ ミミズク 
 (シカ イノシシ ミミズクは擬人化されていません)


カエルの仏に向かってサルが読経しています。そのカエル仏の後ろの木立に1羽のミミズクが止まっています。
葉っぱを被って田楽らしき踊りに興じる二匹のカエルを見物する動物たち。その中に着物を羽織ったキジの姿が。


↓ 下記のリンク先で 「鳥獣戯画」を観ることができます。 キジとミミズクは映っているでしょうか??

国宝へようこそ 4K 鳥獣戯画 荒木飛呂彦が読み解く! 謎の国宝 「鳥獣戯画」
https://www.youtube.com/watch?v=rEwufwtqPlw


今回の記事のきっかけとなったのはNHKの特番でした。
「謎の国宝 鳥獣戯画 “楽しい”はどこまで続く?」
絵巻から飛び出した一匹のカエルと一緒に現代を旅しながら「鳥獣戯画」の謎解きに挑む構成です。
国宝「鳥獣戯画」の全貌を8Kカメラで撮影することを特別に許されたBS放送の番組です。
好評を博しNHK総合でも放送されました。 再放送の予定に気づいたら随時お知らせいたします。


栂尾山(とがのおさん) 高山寺 所蔵
https://kosanji.com/chojujinbutsugiga/


正式名称は「鳥獣人物戯画」
 甲・乙・丙・丁の4巻があり、それぞれに動物や人間たちの躍動感あふれる個性豊かな姿が描かれています。
 今回紹介した甲巻はもっとも有名でなじみが深いです。 絵巻の大きさは 縦30.4cm 全長1148.4cm
 授業で作者は鳥羽僧正と教わったおぼえがありますが、確証はなく今もはっきりしたことがわかってはいないそうです。


最後まで見ていただきありがとうございました。


コメント (4)
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キジバト どうやって水を飲む?

2021年08月02日 | 鳥のトリビア

ほとんどの鳥たちは水を飲む時、クチバシですくってから上を向いて喉に流し込む動作を繰り返します。

ツルのように首の長い大型の鳥から小さなスズメまで、このようにして水を飲みます。

しかし、ハトの仲間は、写真のようにクチバシを水につけたまま、ゴクゴクと飲むことができます。




なぜハトだけがこのような飲み方ができるのか、まだよくわかっていないのだそうです。
(時にはハトも、他の鳥たちと同じやりかたで水を飲むこともあるそうです)



心なしか 誇らしげに見えるキジバトさんです。




先に「ハトだけが」と書きましたが、もう一種、日本では動物園でしか見られない鳥ですが、
私の観察したところでは、フラミンゴもゴクゴクと水を飲めるようでした。
うっかりして写真や動画は撮っていなかったので Youtubeから探してきました。

◆池で水を飲むフラミンゴ @東山動物園
https://www.youtube.com/watch?v=aXJReAWTSUw

池で水を飲むフラミンゴ @東山動物園

東山動物園で、池で水を飲むフラミンゴを撮影(PowerShotS3ISで撮影)

youtube#video

 


水面にクチバシをつけて食べ物を漉しとって食べているようにも見えるのですが、
別の動物園のフラミンゴが巣で抱卵しながら長い首を横たえて池まで伸ばし、
寝そべるような姿勢のままで水を飲んでいる動画をSNSで見たことがあります。

ハトとフラミンゴには他の鳥には見られない特異な共通点があります。
どちらも 素嚢乳(そのうにゅう)と呼ばれる「そのう」の内壁から分泌される液体を吐き戻して雛に与えます。
ハトは「ピジョン・ミルク」 フラミンゴは「フラミンゴ・ミルク」として知られています。

もしも本当にフラミンゴも水をゴクゴク飲めるとしたら、
しろうとの思いつきですが、ハトやフラミンゴが哺乳類のような方法で水を飲めるのは 
素嚢乳(そのうにゅう)でヒナを育てることと 何か関係があるのかもしれませんね?

▼2019年 神戸市立王子動物園で撮影した「授乳中」のフラミンゴの親子です。





◆フラミンゴの赤ちゃん
https://blog.goo.ne.jp/romeo135bb/e/36cc0f2acb84ec2a77d94698826c9219



草刈りの終わった河川敷で日光浴中のキジバト

遠くから見ると「何か落ちている?」ように見えました。

キジバト(雉鳩)Eastern turtle dove ・Oriental turtle dove  全長 約33㎝
ハト目ハト科キジバト属


日本ではどこでも見かけるキジバトですが、
英名の通り、世界的には、日本やユーラシア大陸東部など限られた地域にしか生息しない珍しい鳥なのだそうです。


最後まで見ていただきありがとうございました。
今日も日本列島各地 厳しい暑さになりそうです。
みなさまもお体に気を付けてお過ごしください。


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スズメの絵 国宝になる

2021年07月22日 | 鳥のトリビア

江戸時代の絵師・伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の代表作「動植綵絵(どうしょくさいえ)」が国宝に指定されることになりました。
「動植綵絵」は若冲が40~50代に制作し京都相国寺に寄進した三十幅からなる大作です。(現在は宮内庁三の丸尚蔵館蔵)
鳥や草花、魚、昆虫などが絹地の上に神業のように緻密な手法で描かれていて、観る者を圧倒します。

「動植綵絵」の中にスズメを主題にした作品も描かれています。

秋塘群雀図 (しゅうとうぐんじゃくず) ~Autumn Millet and Sparrows




畑のアワを目指して上空から一斉に舞い降りてくるスズメの群 
たわわに実ったアワをついばむスズメが 合計58羽描かれています。

鳥獣保護法などなかった時代、野鳥は大半の人々にとって食べ物でした。
そんな時代にあって若冲は日常でも野鳥を愛してやまなかったそうです。

焼き鳥屋の店先に吊るされた篭の中のスズメを見過ごせず 
すべて買って帰って自宅の庭先で放したという逸話が若冲の図録に掲載されています。
違う種類の鳥~ツグミだったと記憶しています~を同様に救い出した話も別の本で紹介されていました。

実家が京都錦小路の青物問屋で金に困らない若冲だからできたのだ、という声が聞こえてきそうですが、
「舌切り雀」の昔話にもあるように、小さなスズメを慈しみ情けをかける心が
食糧の乏しい時代を生きた人々の中にも確かにあったのでしょう。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
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ヒバリの爪の秘密

2021年07月10日 | 鳥のトリビア

ヒバリの爪が一本だけ異様に長いのをご存知でしょうか。
上から3枚目の画像に その長い爪が写っています。

前の三本の指の爪は他の野鳥と同じくらいの長さで湾曲していますが、
後の指の爪は ほぼまっすぐで他の爪の3倍ほどの長さがあります。

何のために後趾の爪がこれほど長くてまっすぐなのか、理由はわかっていないようです。

ヒバリが暮らす農耕地や河川敷の草地での生活に役立っているのでしょうか?
天高く舞い上がったり あるいは地上に降り立つ際に使われるのでしょうか?

身近な野鳥・ヒバリに秘められた謎。 見慣れたはずの野鳥にも不思議がいっぱいです。





爪楊枝のように長くまっすぐな爪です。




果樹園に張られたワイヤー 前後2本あるのでヒバリの足は見え隠れしています。
そういえば、木の枝に止まったヒバリを見たことがありません。
みなさんはいかがですか?


春先に地域の農地で撮影したヒバリ




ヒバリ(雲雀) Skylark 全長約17㎝ 
スズメ目ヒバリ科ヒバリ属


◆ヒバリの爪は長~い!
https://blog.goo.ne.jp/romeo135bb/e/4c13f54ffaa3bc5e62830a787f5a90c0


ヒバリの足指 (趾)は、他の多くの鳥と同じく 前趾(ぜんし)3本、後趾(こうし)1本です。
後趾を「第1趾」と呼び、前趾は内側から順に「第2趾」「第3趾」 一番外側の趾が「第4趾」と呼ばれます。

最後まで見ていただきありがとうございました。
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ヒヨドリの舌の秘密

2018年04月17日 | 鳥のトリビア

遊歩道沿いの木に止まったヒヨドリ、顏が黄色い花粉だらけ。
よほどおいしい花の蜜をなめてきたのでしょう。
上半身しか見えませんが、近くからカメラを向けても逃げず、ご機嫌な声で鳴いていました。

帰宅してPC画像を確認すると、ヒヨドリの舌が写っていました。

何かの本で、「ヒヨドリやメジロの舌先は花の蜜を吸いやすいようにブラシ状になっている」と読んだ記憶があります。

実際のヒヨドリの舌の先は、毛筆の先のように見えました。
これなら花芯の奥のわずかな花の蜜もじょうずになめることができそうです。










大アップにトリミングされて、ちょっと怖い顔になってしまいましたが、
まるで西洋人形のように茶色い目が愛らしいヒヨドリでした。

ヒヨドリ(鵯)全長 約27㎝

今日も「気楽に鳥&撮り歩き」を見てくださってありがとうございます。
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アオサギの舌の秘密

2016年09月29日 | 鳥のトリビア

アオサギのクチバシから長い舌が見えていました。シャッターチャンス。
あれ?よく見ると舌がゴツゴツしています。こ、これは!舌に何か刺さっている??


もしや、大きな魚を食べた際に、骨が刺さってしまったのでしょうか??
本気で心配になりましたが、当のアオサギはとても元気そうに見えます。

帰宅後、札幌在住のまつさんが運営する『アオサギを議論するページ』で調べてみました。
私と同じような勘違いをして疑問を抱いた方からのコメントを見つけました。
これは、間違いなく健康なアオサギの舌とのことです。
以下、青い字の部分にまつさんの返信コメントから引用させて頂きました。

 「人間の舌と違ってのっぺりしてないのは、たぶん歯に替わる機能があるのではないか…」
「少なくとも餌を落とさないように引っかけることはできそうです…」
 

http://www.grey-heron.net/forum/19-morphology/

まつさんによると、この突起は、舌骨(ぜっこつ)とのことです。
舌骨は人の場合は奥のほうにありますが、鳥は舌の中心を通って先の方まで伸びているようです。
まつさん、ご親切にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。


舌骨について調べてみると、鳥の他にも魚など食べ物を丸飲みにする種族は舌骨が下の先まで伸びているとのこと。
形は違いますが、アオサギだけでなく、カシラダカやカワラヒワ、ヒヨドリなど小型の鳥にも舌骨はあるそうです。
木の実や昆虫を丸飲みする際にも、舌骨が役立っているのでしょうね。


アオサギはかなり大きな魚でも丸飲みにしてしまいますが、
途中で戻すことなく飲み込めるのは、舌にこんな秘密があるからなんですね。


この日も湿度が高く気温も30℃近く上がったためか、アオサギは体温調節のために口から放熱していたようです。
私が観察していた数分間、ずっと口を開けたままでした。


おまけ画像。葛の花とアオサギ。


葛は秋の七草のひとつですが、生命力が強く10mを超す長さにまでツルをのばし、周りの草木を覆い尽くしてしまうほどたくましい植物です。
葛餅や葛湯、葛根湯など、食用や薬用にもなっている役に立つ植物としてもおなじみです。

葛とアオサギ、なんだかちょっと似ているような気がします。

アオサギは増えすぎて悪役扱いされることも少なくないですが、
こんなに大きくて立派な野鳥を身近で観察できるのは、やはり素晴らしいことだと思うのです。

アオサギ(青鷺)全長 90~98cm 体重 1020~2073g



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