関とおるの鶴岡・山形県政通信

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文化会館事業費増額の強行に反対討論

2014年08月24日 | 市政全般

 22日(金)におこなわれた臨時議会で、議題となった文化会館建設事業費の増額に反対討論をおこないました。概要を報告します。
 私は、話題になっている妹島和世氏のデザインについては色々な見方があって、「とんでもないもの」と断じることはできないし、事業費が高騰したことの主たる要因は国の誤った政策(東京オリンピック招致と、被災地復興事業が始まったばかりなのに全国に公共事業費をばらまく「アベノミクス」)の弊害と考えています。
 しかし、色々理由があっても、当初の構想とこれだけ乖離してしまった今、デザインの是非、事業費と施設の性能のバランスのあり方などなど、改めて議論することが市政運営の当然のあり方です。
 当初計画を議会の多数決だけで決めてしまう(しかも、「20億円増額」の説明のわずか4日後です!)のでは、オハナシになりませんので反対したところです。

 議第151号「平成26年度鶴岡市一般会計補正予算(第3号)」に、日本共産党市議団を代表して反対討論をおこなう。
 過去3回の入札不調を受けて、今回、施行方法の見直しや建築資機材の実勢価格を精査、工事着手前の準備期間をなどを考慮し、工期を9ヶ月延長した。
 その結果本体工事費を59億円から19億9千万円、約33%もの大幅な増額提案。
 増額理由について、「震災復興の本格化や政府の経済政策による急激な建設需要の高まりで労務単価や建設資材が高騰したことと、4月からの消費税率の引き上げの影響であり、全国的に入札不調が発生している」と説明された。
 改めて言うまでもなく、本市文化会館は、芸術・文化の場として不可欠の施設であり、音楽、演劇、舞踊等優れた舞台芸術、各種講演、市民の文化活動の発表やイベントなどをおこなうことができる充実した施設の完成が待ち望まれている
 昨年決定された現設計は、関係者が、その過程も基本的に市民に公開しながら一年半整備計画を検討、プロポーザルで選定されたもの。
 しかしながら、予定価格が上昇し、今回遂に当初構想時の約2倍の79億円にまで達する中で、計画策定に関わり、新会館を期待してきた関係者の方々も含めて、設計のあり方について疑問が生じているが、市の対応はそれに応えるものとなっていない。
 問題なのは、第一に、事業費の積算のあり方
 党市議団は予てより、公共工事の予定価格積算を実勢に合ったものとすること、地元業者の適正な事業活動を保障し、労働者に適切な労賃を保障するものとすることを求めてきましたが、今回3回目の見直しに至って初めて、事業者の考えを調査して実勢に合わせた積算がおこなわれた。
 その立ち後れによって、施工者が決まらず、「買い手探し」の今の状況は、「言い値」になったと見られても仕方がないもの。
 第二の問題は、大手の参加を予定していること。「地元か大手か」の市の方針の迷走によって、地元業者が請ける条件は消えた。
 本市にとっても指折りの大事業である文化会館建設は、地元業者の施工として、地域経済に資するものとすべき。
 三つ目に、最大の問題として、市民に情報を公開し、丁寧な説明をおこない、市民合意の形成を図る努力が不十分であること。
 予定価格高騰の要因について言えば、何よりも、国の公共事業費の異常な拡大政策がもたらしている全国的な建設バブルの問題だし、中心市街地であり歴史的景観地域であるる現地に建て替えることによるコスト増がある。現地に調和したデザインというニーズから生じたもの。
 しかし、「40億円と言っていたものが、あれよあれよという間に上がっていって、倍になった」という事態を見て、「工事が難しいデザインらしい」という話しを聞けば、基本設計を良しとしてきた方も含めて「別のデザインはないのか」という見方が広がるのは当然。
 ところが市は、市の考えを一方的に説明する機会をたくさんもっただけで、市民と意見交換して合意形成を図る努力をおこなってこなかった。
 そして、「大手か地元か」の是非が鋭く問われていた7月9日に、建設業協会から申入書が提出されたという重大な動きがあったが、情報開示請求がおこなわれるまで明らかにしなかった。
 このような中で現時点では、計画全体についての市民合意は大きく揺らいでいる。
 更に、今議案は、18日月曜日に議会各会派の代表者に説明をおこなっただけで、市民に詳細を説明することもなく、5日後の今日、議会で決めてしまおうとしている
 言うまでもなく議会は市民の代表だが、このような大きな問題を市民の声を聞く暇もないままに、決めてしまうことは不適切。
 今は、このままの設計で進むのか、別の選択を考えるのか、立ち止まって市民の声に耳を傾け改めて議論する必要が生じている。
 一年ばかりのあいだに日本中で建設費が急騰するという異常な事態の中で、担当部局が強いられた作業が非常に困難なものであったことは理解するが、しかし、こういう状況だからこそ、情報公開と徹底した議論によって市民合意形成を図る市の基本姿勢が問われたのだということを強く指摘し、反対討論とする。


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