(すばる望遠鏡とは)
① ""すばる望遠鏡とは、& 4つの焦点""
すばる望遠鏡は、ハワイ島マウナケア山頂に設置された大型光学赤外線望遠鏡です。主鏡は単一鏡としては世界最大級の8.2メートルの口径をもち、その強力な集光力で天体からの微弱な光も捉えることが可能です。その主焦点は、他の大型望遠鏡に比べて圧倒的な視野の広さを誇っており、すばる望遠鏡の大きな特徴となっています。また、高性能な補償光学装置など、集めた光からシャープな天体像を得るためにさまざまな工夫が施されており、すばる望遠鏡の解像力の高さは世界の大型望遠鏡の中でも特に高く評価されています。これらの性能は、望遠鏡を設置する場所を慎重に選び、最新の技術を駆使することによって実現されたと言えます。
② 研究
近くは流れ星から、遠くは131億光年彼方の銀河まで、これまでにすばる望遠鏡が観測の対象とした天体はさまざまです。他の8メートル級望遠鏡に比べて広い視野を誇る主焦点カメラなど、すばる望遠鏡が持つ多彩な装置によって得られた観測データは、日本だけでなく、世界中の研究者によって使われてきました。これらの観測データは広く一般にも公開されており、高校生や大学生による教育利用など、さまざまな用途にも用いられています。運用が開始されてからすでに20年近くが経過しましたが、依然として第一線で活躍し続ける、日本の誇る望遠鏡です。
③ スペック
★所在地 、 アメリカ合衆国、ハワイ島マウナケア山頂(標高4139メートル)
★主な製造メーカー
三菱電機株式会社 他
★主鏡有効口径
8.2メートル
★主な観測装置
主焦点の装置 :超広視野主焦点カメラ HSC (Hyper Suprime-Cam)
ナスミス焦点の装置(可視光):高分散分光器 HDS (High Dispersion Spectrograph)
ナスミス焦点の装置(赤外線):近赤外線分光撮像装置 IRCS(Infrared Camera and Spectrograph)、188 素子波面補償光学装置 AO(Adaptive Optics)
カセグレン焦点の装置 :多天体近赤外撮像分光装置 MOIRCS(Multi-Object Infrared Camera and Spectrograph)、冷却中間赤外線分光撮像装置 COMICS(Cooled Mid-Infrared Camera and Spectrometer)、微光天体分光撮像装置 FOCAS(Faint Object Camera And Spectrograph)
★ 特徴
主焦点、☀ カセグレン焦点、2つの☀ ナスミス焦点の4つの焦点を持つ。8メートル級望遠鏡で主焦点を持つのは「すばる」のみ。
☀ カセグレン焦点 、wikipedia
(カセグレン式反射望遠鏡反射望遠鏡の光学系模式図)
☆ カセグレン焦点(カセグレンしょうてん、英語: Cassegrain reflector)とは、天体望遠鏡などの光学系における、合成焦点を結ぶ観測用焦点のこと。ローラン・カセグレンの名に由来している。
☆ 概説[編集]
カセグレン焦点は、凹面鏡からなる主鏡と双曲面からなる副鏡の合成焦点を結ぶ主焦点観測点のことである。反射式望遠鏡の場合には、いくつかのタイプがある。詳細は、天体望遠鏡の項を参照。凹面鏡は、基本的には放物面(パラボラ面)からなり、その放物面の焦点を、主焦点と呼び、そこに主焦点観測装置が置かれる。しかしながら、主焦点は広い視野を観察する場合は適するものの、高い空間分解能が必要な用途には適さないため、合成焦点を結ぶ様々な方式が考案されている。
もしも光学系において正立像を希望するならば、グレゴリー式という凹面鏡と凹面鏡からなる合成焦点系が用いられる。しかしながら、この方式は視野が狭い、遮蔽率が大きくなるなどの問題点がある。これに対して、主焦点を結ぶ前に、双曲面からなる凸面鏡を設置して、合成焦点を結ぶという方法がある。これを、カセグレン焦点と呼ぶ。
☀ ナスミス焦点 、wikipedia
(ナスミス式望遠鏡)
☆ ナスミス式望遠鏡(ナスミスしきぼうえんきょう、Nasmyth telescope)は、反射式望遠鏡の一形式である
☆ 発明[編集]
発明で富を得たジェームス・ナスミスは48歳で引退し天体観測に専念するようになった[1]。彼の主義として材料しか買わず、注意と知識と忍耐により素晴らしいニュートン式望遠鏡を自作していた[1]。だんだん自作望遠鏡は大きくなり、51cm望遠鏡を計画した時、梯子を使う危険と不便を避けるために鏡筒に耳軸をつけて光軸をそこに出し、接眼鏡を装着する方法を考案した[1]。
☆ 機構[編集]
カセグレン式望遠鏡やリッチー・クレチアン式望遠鏡に平面鏡を1枚加え、光線を望遠鏡の耳軸に導いて観測する形式である[2]。経緯台式の架台に載せれば接眼部が常に水平で高さも一定となり、大型の観測装置を脱着するのに便利であり、大型望遠鏡に採用される[2]。
採用例としてリッチー・クレチアン式望遠鏡をナスミス式とした旧ソビエト連邦の6m望遠鏡「BTA-6」、北軽井沢駿台学園天文台の75cm望遠鏡等が採用している[2]。
欠点としては、長時間の観測で視野が回転するため、写真撮影の場合はこれをガイドする必要がある[2]。