このタイミングを逃せば、二度と出逢う事は無くなる・・・そう言う存在だと思うと気持ちは焦る。
別に、逢えなかったらそれでも良いじゃないかと気持ちの何処かに囁く声がするのも確かだが、もしも手を取り合ったとしたら、その瞬間から新しい何かが始まる予感は十分高まっていて、我慢し切れなくなった私は興奮気味に「ポチッ」と押してしまった。
富士 FinePix S1 防水・防塵仕様
新品同様と言う事は・・・所詮は中古です
いや、新品のカメラは暫く買った事が無い訳です。
山に行く関係でカメラの扱いは相当無茶と言いますか、そうならざるを得ない環境な訳です。
なので、画質重視とか、写り云々と言う観点でカメラを選ぶと、その山行は山登りなのか撮影なのか、結局どっち付かずになっちまうと言いますか・・・まっ、面倒なので撮影の為の機材選びは捨てて久しいと言う事な訳です。
ちなみに私の山登りは写真を撮るには撮るんですけれども、歩きながらパチると言う、記録と記念的な写真なんで、撮れない時には撮らなくて良いと言う塩梅のものなんであります。
で、少し写真関係の仕事をしていたもんでカメラの情報などもアレだった時に、新製品のアレコレもナニしていたんで、だったら型落ちの中古を使い潰すのが一番だな、ナンて事になった訳です・・・いや、デジカメの世代交代が目まぐるし過ぎてナニが新機能で何処が高性能になったんただか判りゃしない新製品がドガチャカドガチャカと乱発された頃の話であります。
まっ、古物の届けを出して中古機材の販売なんてのも他所様の真似してやってみたりしたんで見る目はそこそこ有るつもりと言いたい所ですが、ネット通販やオークションで買っているんではブツが届いて初めて状況が判る訳でして、見る目もナニも無い訳ですが。
と、言う事で・・・富士 FinePix S1・・・最早絶版となり、後継機種の予定も無いと言われると、コイツを手に入れなければ末代までの不覚、と言う事で、この度は比較的高値ではありましたが、ポチッと押しちまった次第であります。
アレです・・・私しゃコダック系の色に馴染んできたと申しますか・・・いや、フジの発色のわざとらしさと言いますか、シロートが好む発色で仕上げるんで、フジで同時プリントをして焼き増しがコダックと言うと、相当な確率で「地味」若しくは「暗い」または「色が違う」と宣われる訳です。
色の記憶に関して脳があてにならない理由
と、まぁ、厳密な色なんて誰も覚えちゃ居られないんで、最初のプリントを元に焼き増しの色を指定して来るのは当たり前なんですが・・・巷のミニラボ機ではフジの色はコダックでは出ません、と言う時代だった訳です・・・逆もまた真なりなんですけれども、しかし、地味系から鮮やか系になるのは歓迎されたようで、一般シロートはフジがお好き、と言う事なんだと思います。
いや、お前の店のプリントがアレなんじゃないの?と言う向きも有ろうかと思いますが、私しゃその点には神経質でして、常にカラーチャートと比べて焼いて調整してましたんで・・・昔の話でアレなんですが、コダックの基準では、プリントの品質の良さで優秀なお店に指定されたりもした訳ですけど。
さらに昔話でアレなんですけど・・・レーザー露光になる前のハロゲンランプの時代には日によって同じプリンターでも色が違っちまう訳です。
いや、色合わせは一日に何度もやるんですよ・・・それでも朝と夕方ではアレコレの理由で微妙に色は違う訳です。
いや、今日の色はファンキーだな、ナンて思ってふざけていたらコンタミ(酸性とアルカリの薬品が混じってしまう)を起こしていてタンクを洗浄の上薬品全部入れ替え、なんてヘマもやったりして、懐かしい思い出です。
大きく焼くときは注意して試し焼きをして色をそろえますけれども、大量にこなさなくちゃならない普通のプリントにはそんな手間ひまは掛けられないんで、あとはオペレーターの勘が勝負であります・・・これが感性のもの、とでも申しましょうか、気にならない人はどんだけ色実が狂っても気がつかないし、勘の良い人は直ぐに修正して似たように仕上げられたりする訳です・・・機械には手動で補正する機能が有りますんでそんなにぶっ飛んで掛け離れた色や露出は出さないんですけれどもね・・・その微妙な違いを指摘される訳です。
で、本題なんですが・・・FinePix S1はフジの色実で攻めて来る事は間違いない訳です。
あの会社がクッキリ・ハッキリを止めるはずが無いし、それだとフジのファンを裏切っちまうし。
しかし、私しゃコダック派・・・地味な訳です。
さて、ドーなんでありましょうか? 楽しみですねぇ・・・。
さらなる思い出話しでナニですけど、36枚撮りと24枚撮りの同時プリントでは色実が変るって知ってましたか?
36枚をスキャンしてプリントの自動補正の値を出す訳ですが、一枚ずつスキャンしますけれども、基本の補正値は平均値で出す訳です。
ンじゃぁ・・・スリーブを6コマに切っちまってスキャンした場合はまた違いますよね。
6コマの一枚を焼くナンて時にも機械は6コマを計って平均値を出している訳で、36枚や24枚とは決定的に違う上に、本来の目的の一コマだけのスキャン値でもない訳です。
一コマに切り離してしまったネガはミニラボ機ではプリントできなかった訳ですが、手焼きなら出来る訳です・・・高価ですけど。
もうフィルムの同時プリントなんてほとんどあり得ない時代ですけれども・・・巷のDPE屋さんはフィルム現像機の維持は出来てるんでありましょうか?
薬品の劣化を防ぐ為にはある一定数のフィルムを流さないと劣化しちまって現像の質が落ちちまうんです。
ああ、久しぶりにカメラを買ったんで嬉しくて、昔話をしちまいました・・・しかも、的外れかもしれない、私だけの想いであります。