まず、世の中には様々なビーナスが居ると思いますが自分が会いに行ったのは縄文の女神であります。
いやいや、知る人ぞ知る縄文の女神は国宝でして日本國の宝なのであります。
で、縄文の女神には何処で会えるのかと言うと、山形県立博物館であります。
そんなわけで山形県の中心地に行くわけですが、普通に行ったんでは面白く無いってことで、間も無く閉鎖になるはずの二口林道を超えて行くことにしたわけであります。
で、天気予報はそこそこの塩梅と宣って居たにも拘らず我が家雌雄編の空はどんよりで、向かう先の西の空は黒に近いグレーであります。
降水確率は10パーと低いんですが寒さは覚悟しなくてはならない様子に身支度を慎重にして9時出発でありました。
二口林道は紅葉で名を馳せ土日ともなると狭い林道に車がひしめき合うところであります。
しかし本日は平日でお日柄もイマイチのせいかそこそこ空いて居ました。
二口林道に入ってすぐの滝 橋の上から
いや、お日様の援護の無い紅葉ははっきり言って木にぶら下がった唯の枯葉であります。
晴れて居たらさぞかし見事な風景だろうがこの曇天で撮ってもなぁ〜と思いつつもポケットにねじ込んである小さなカメラを取り出しパチクリとやるわけです。
峠の中頃 まだ宮城県です
峠の上の方 まだ宮城県内
いや、なんとか紅葉を撮りたいと良さげな場所でバイクを停めては見るんですがお日様に嫌われては処置無しであります。
しかも、三脚を持たない悲しさで滝の写真などは手ブレでありますが、まっ、いいでしょう。
我が家から山形県側に抜ける道は様々あるんですが二口峠がダントツに近いわけであります。
元々宮城と山形の往来はこの峠が主要な道であったと言うのも頷けるところであります。
なので峠の境に関所が設けられて居たわけですが、今は「関所跡」の看板が一枚あるだけでなんの面影もありません。
遠くの山並みは石巻湾を挟んで牡鹿半島
いや、峠のてっぺん辺りからの景色は晴れて居たら圧巻だったろうと思える紅葉と遠望なんですが如何せんお日様の助けは無く残念でありました。
それにしても寒い・・・下の方は15〜16度とまずまず凌げましたが峠のてっぺんは推定で9〜10度でして防寒ズボンを履いて居ない脚まわりが冷えるのであります。
で、道は昨夜までの雨の上に落ち葉がびっしりと敷き詰められ、如何にも滑りますって様子でありまして、なんぼバカな私でも慎重になるコンディションでありました。
山形側に出たら一面の雲海が
正面やや左奥には雪を冠った月山が
雪をまとい冬に入った月山
と、言うことで、停まらずに走り抜ければ50分と掛からない道をなんだかんだと1時間半ほども掛かって山寺に下りまして、目指すは県立博物館であります。
いや、山形市内は勝手知ったるなんとやら、なのでナビなど無用と思いましたが一応セットしましたが、それは正解でありました。
なんとなれば、市内に入ってビックリ仰天・・・こんな広い道じゃ無ぇ〜って感じでして、たぶん馬見ヶ崎川を渡った先は道が広がり自分の知らない景色と思うのでありますが、まっ、いいでしょう。
そんなわけでスマホナビに導かれ山形城址公園内の博物館に到着でありました。
時計を見れば11時20分・・・腹減ったけど先に見学しちまうか、ってことで木戸銭の300円を支払って入場でありました。
いや、はっきり言って縄文時代の展示物って事で言ったらかなりの薄味でありますが、展示の仕方が面白いのであります。
なんと申しましょうか、縄文なんて新しいジャンってな感じでして、日本列島が出来る過程の太古から話が始まるわけであります。
いやぁ〜勉強になりました!!!
山形県の大半は海の底であって、顔を出して居たのは現在の2000メートル級の山の頭だけってのに今更ながら驚いた次第であります。
まっ、8000メートル峰がひしめくヒマラヤ山脈でさえも海の底だった時代があるってのを思い出せば然もありなんですけれども、ああやって整然と見せていただけると記憶に残ります。
縄文の女神 正面(高さ45センチ)
縄文の女神 横
縄文の女神 後ろ
縄文の女神 セクシーポーズ
いや、何も言うことはありません!!!
こんなセクシーな土偶に出会えただけで満足であります。
なんと申しましょうか、5000年も昔にこんなデザインセンスを持った人が近所に居たことに感動するわけですが、しかし、私の魂がこれは日本人の感覚では無い!!!と叫ぶのであります。
んじゃぁ誰なんだと問われてもアレなんですが・・・これは多分宇宙人の仕業なんですぜ!!! いや、マジで思っているんですけど、まっ、いいでしょう。
で、女神の背面の腰回りを見ていただきたいんですが、そこ、テカってまして、磨きこまれているんだそうであります。
あれです、全ての芸術は模倣から、なんてことを聞いた事があるんですが、だとしたら、5000年前の縄文人は何処の誰の模倣から始めたのか、なんてことを思いながら女神の尻を眺めて居たらあまりのセクシーさに目眩がしました。
あれが女神なら これは!!!
あれほどセクシーな女神を作るセンスがあるわけですからこの程度の男像を作るのは頷けます。
いや、説明にはそんなことは書いて居ないのですが自分はこれを見た瞬間に「野郎やりやがったな」と笑いがこみ上げた次第であります。
あれです、これは言って見れば水差しに施した縄文の小便小僧か、もしくは小便親父だと思うんですが、まっ、いいでしょう。
いやぁ・・・縄文の土偶見学はハマりますね。
日本国中隈無く回りたい願望に駆られちまいます、なんちゃって。
さて、スマホの情報によれば同じ敷地内に山形美術館ってのがあって、時折洋画の珍しいのが展示されているらしいので行こうとしたわけですが、山形城址公園内を徒歩で行くと280メートルですがバイクで行くとお城のお堀をグルーっと廻りこむってことで1.6キロになるわけです。
歩くか? 乗るか? って事なんですが、腹が減ったのでバイクで廻って何処かで昼飯をとしたわけであります。
いや、城の外に出たらすぐに蕎麦屋がありまして、そこで味噌ラーメンを頂き、んじゃ、って事で美術館へ。
さて、たどり着いてビックリ!!!
なんだよ、博物館の裏じゃねぇか!!!
まっ、どっちが表かと言うと美術館のようですが。
で、どーも「読売書法展」ってのがメインのようでして、絵画等の展示は少なかった様子であります。
俺は習字ものは興味無いんだがなぁ・・・見なくても800円なんだろうな、と特別展の観覧料込みの木戸銭を支払い中へ。
しかし、展示点数が多ければ良いってものでは無いって典型でして「フランス近代絵画の魅力 吉野石膏コレクションの人物・肖像」と題された特別展でして、ミレー・クールベ・マネ・ルノワール・マティス・ピカソ・シャガール・・・と、有名どころがズラリでありました。
特に気に入ったのはピカソの「帽子をかぶった女」とモネの「サン・ジェルマンの森の中で」とカミーユの「浅瀬を渡るヤギ飼い、イタリアの思い出」でありました。
いや、美術館はおまけなのでさっさと引き上げる予定でしたがまさかの大作に攻められずーっと見入ってしまった次第であります。
いやぁ・・・良いものを見させて頂きました。
ってことで余韻を胸に仕舞い帰り道は一目散に国道13号線から48号経由で家まで1時間半・・・あー楽しかった、と。
UPしてから1時間半後・・・読み返して気がついた!!!
初めは縄文のビーナスと書いて居たんですが、それは長野県の土偶でして山形のは女神でした。
さっさと訂正したんですが、それの前に読んでしまった方には大変失礼いたしました・・・なんちゃって。