堀江佐吉(絡み)の建築だとは知らず見学したものを二つ。
ひとつは藤田記念庭園。藤田謙一氏は初代の日本商工会議所会頭です。パフレットによると1921(大正10)年に建てさせたとあります。
これも佐吉の子供である金蔵と彦三郎の設計施工だそうです。
外観(上の左写真)を見るとイギリスの田園住宅のような趣。南側には広いサンルーム(喫茶室)があり、不思議なトスカナ風のオーダー。何かに印象が似ていると思ったら、渋沢栄一の誠之堂・・・屋根とそこから突き出す塔。
誠之堂は1916年。商工会議所会頭の藤田謙一氏は渋沢栄一を当然よくご存知だったはず。しかしまったく根拠のない類推です。
いずれにしても、大正時代という時代性を反映しているように思います。第一次世界大戦跡の好景気、ハワードの「田園都市」が紹介され日本でもまずは上流層が田園での暮らしを求めるようになり、アメリカやイギリスの郊外住宅に範を求めつつも、新しいタイプの住宅を模索していた時期ではないかと思います。
庭園のほうには立派な和館があります。
お金持ちは洋と和をうまく使い分けていたわけです。
この庭園のすぐ隣には旧第八師団長官舎があります。これも佐吉の長男、彦三郎の手になるとのことです。1917年築です。イギリスのチューダー様式が上層家族の邸宅に取り入れられていた時期の建築ということでしょう。
この建物はありがたいことにスターバックスになっています。弘前では歴史的建築を本当にうまく活用して、市民や観光客が使えるようになっています。
中は大胆に改装しています。でも和室の面影はあります。歩き疲れ、また体も冷え切っていましたので暖かなコーヒーがありがたく感じられました。
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