ブログ仙岩

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幼なじみ

2019-11-05 04:57:47 | エッセイ
ハイ!みんぽう11月号大石邦子「幼なじみ」より、

台風一過の青空のもとで風知草が揺れている。幼なじみのケンちゃんがやってきた。高校の同級会に出席するため北海道から来た。

思えば彼とは小学3年から中学まで同じクラスで、消えそうな記憶だが一度だけ泣きながら彼と喧嘩したこと。原因は思い出せないが、ケンちゃんに聞いても首を振るだけ。私は転校生で、ケンちゃんは病気をして長く休み、3年生になって学校へ行くと見知らぬ女の子が傍らにいた。

彼は大学卒業後、製薬会社に勤め奥さんの故郷北海道に居を構えた。時折帰郷し、私のところにも寄って昔話をして帰る。以前北海道から講演の依頼があったときには、何もかも彼のお世話になった。主催の代表は北大名誉教授小田原高昭先生で亡父の教え子という。その旅の直前に乗ったタクシーの運転手の息子さんがこの後援会の挨拶をしていたことを後で知って仰天した。

会場には卒業以来の同級生もいた。あれ以来集まっているらしい。今度は芋煮会だろうか。ケンちゃんは帰り際、今度会った時彼女たちに見せるからと、スマホに私を映していった。