何という暑さだろう。昨年もそうだった。夏の間中、体がふらついていた。何処へも出られなかった。
今年も、36度だの、40度近しだの、ニュースで聴く度に日本もこのような激しい国になったのかと、不安になる。
救急車の音を聴く度に、熱中症か、心臓発作と推察する。
年を取ると喉が乾かない。乾いても後で済ますなど言ってはおれない。
今はとにかく水を飲む、夜トイレが嫌だなど言ってはおれない。いのちが懸かっている。
そんな折、30年来の友が訪ねてきた。ひと月前にも来て行ったのに、どこか違う、髪が少し薄くなっていた。
それでもいつものように、明るく私を笑わせ、ふと顔を見上げると,真顔になった彼が言った。「がんになった・・・」
一瞬氷のように冷たいものが全身を走った。頭の中がぐるぐる回り、手が震え、どうしたら彼を元気づけられるか、
そう簡単には受け入れられないだろう。
「抗がん剤をを打っている、痛いんだそれが」彼は私より15歳ぐらい若かった。
私は少し冗談ぽく、「あんな手術をした私が未だ、こんなに生きている。髪など直ぐ生えてくる。私も坊主だったよね」
私ががんの全摘出を受け坊主頭の頃、彼は奥さんと一緒に見舞ってくれた。
こんな時は奥さんにあまえ、悲しいときは男だって大声を出して泣いたっていい。
泣いて諦めがつくこともある。悲しみに打ち砕かれた絶望がドミノ返しのように生きる力となったことを思い返している。
頑張れ友よ!大切な友よ!
勇気づける手立て大変参考になります。病になった人でなければ出ない言葉である。ありがとう。