B.悪霊の欺瞞を警戒せよ!
①.終末の欺瞞に対する警告
イエス様は、マタイによる福音書24章で、キリスト再臨の前兆について説明されました。そこで飢饉と地震と戦争についてはそれぞれ一度ずつ語られましたが、サタンの代理者たちによる“惑わしと欺瞞”については、6回も繰り返して強調されています(マタイ 24:4,5,11,23,24,26)。使徒パウロもまた「しかし、御霊は明らかに告げて言う。後の時になると、ある人々は、惑わす霊と悪霊の教とに気をとられて、信仰から離れ去るであろう」という言葉で、最後の時代に生きるクリスチャンたちに悪霊の欺瞞について警告しました(Ⅰテモテ 4:1)。
ヨハネの黙示録16章14節にも、最後の時代に繰り広げられるサタンの大欺瞞についての使徒ヨハネの警告が、次のように記録されています。「これらは、しるしを行う悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを召集したが、それは、全能なる神の大いなる日に、戦いをするためであった」。最後の時代に、サタンは悪天使(悪霊)たちが行う各種の奇跡を通して、全世界の人々を自分の方へ引き寄せるという事実を警告しました。
降神術から遠ざからなければなりません。教会の内外で起きているすべての奇跡は“おしえとあかしの言葉”で判断しなければなりません(イザヤ 8:20参照)。今日、降神術は死者の魂を呼び出すようにみせかけるだけでなく、悪霊を追い出して病を癒したり、奇跡的なことを起こして、あたかも神の賜物を受けているかのようにみせかけています。サタンは自分に従う悪天使によって、心の弱い人たちを苦しめ病気にしたあと、人々が患者から死者の悪霊を追い出すために祈りを捧げると、自分が直接その祈りにこたえ、病を治すことによって、人々を自分の配下に誘い出しているのです。
②.サタンが使う技術
この世の終わりが近い今、サタンは昔神様が禁じられた領域である降神術を復活させ、必死に働いています。サタンは“占い師、巫女、魔術師”といった聖書が禁じている呼び方を、降神術、占星術、催眠術、超感覚的知覚力、心霊科学というような現代的な用語に変えました。また教会では、聖霊の賜物や聖霊カリスマ運動というような宗教的用語を使って、多くのクリスチャンを惑わしています。
こうしてサタンは、ある人の心の隙を狙って真理からそらし、偽りの礼拝をさせようとするのです。しかし、サタンであっても、人間の意志を無理に強要することはできません。人が自分自身を支配する意志の力を、自分で諦めた時だけ、サタンはその人を占領することができるのです。
多くの場合、サタンは人を通して働きます。すなわち自分の代理者である人間を通して、相手が最も喜びそうな言葉や態度で接近し、その人の魂を聖書の真理からそらそうとするのです。催眠術においては、人の意志の力が、命令する催眠術師によって完全に支配されてしまいます。降神術では、サタンの霊を受け入れた人が、悪天使の能力を使って、超自然的な奇跡を行い、人々の心と意志を自分に屈服させようと誘惑します。
こうやって、一度サタンに屈した心はずっとサタンの霊を招き入れることとなるのです。たとえば、星が人の運命を導き決定するということを信じている人が、占星術師の言葉に従うように、死者の霊が現実世界に現れると信じている人は、そのような霊の言葉を告げる霊能力者や降神術者の言葉に、無条件に服従するようになるのです。
死者の状態について、聖書が何と言っているかを知らなかったり、間違って理解していたりする人々の心を、サタンは最も簡単に占領できます。サタンはそのような人たちの前に、死者の魂だと装った悪天使たちを送ることで、彼の目的を簡単に達成できるのです。彼らはその魂が悪霊(悪天使)だとも知らず、自分が死者の魂に会ったという事実に完全に圧倒されてしまうのです。
サタンは、このようにして無防備になった心の中に足を踏み入れ、自分が望むようにその人を導くのです。これほど恐ろしい欺瞞がどこにあるでしょうか?聖書に繰り返し、最後の時代には「にせ預言者や惑わし」(マタイ24:24)に注意せよと書いてある警告を、決して自分には関係ないことと考えてはなりません。