そして使徒パウロは、イエス様がこの地に再び来られる前に起きることについて、テサロニケ人への第二の手紙2章9-12節で次のように言及されました。「不法の者が来るのは、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力と、しるしと、不思議と、また、あらゆる不義の惑わしとを、滅ぶべき者どもに対して行うためである。彼らが滅びるのは、自分らの救となるべき真理に対する愛を受けいれなかった報いである。そこで神は、彼らが偽りを信じるように、迷わす力を送り、こうして、真理を信じないで不義を喜んでいたすべての人を、さばくのである」。
この言葉の中で確かなことは、神様のお言葉である真理に従って生き、理解していなければ、悪魔の惑わしに陥るという事実と、真理と悪魔の欺瞞を区別する唯一の試金石が、まさに聖書であるということです。聖書の真理よりも、目に見える体験や奇跡的な現象に引かれる人たちを、悪魔はいつも罠をかけて落とそうとしているのです。
D.預言者サムエルとイエスの母マリヤの比較
旧約聖書サムエル記上で、私たちはイスラエル王サウルが、神様の命令に従わない後半生を送ったために、霊的に完全に暗くなってしまい、ついに預言者サムエルがこれ以上彼と会うことを拒否し、神様から捨てられた歴史を見ることが出来ます。その後、サムエルが死にサウル王はさらに困窮に陥りました。そしてサムエル記上28章を見ると、ペリシテ軍と戦争を始めることとなったサウル王は、神様の預言者から導きを受けられなくなって、あせったあげく、エンドルにいた口寄せの女のもとを訪れ、将来について聞いたのです。するとエンドルにいたその巫女は、亡き預言者サムエルを呼び出したと、聖書は記録しています。
このとき、地から出てきたサムエルは、本当のサムエルだったのでしょうか?聖書は死者の魂は、墓の中で無意識の状態であると明らかに教えているのです。また、もしサムエルが死んだあと戻って来たのであるなら、なぜ彼は地から出て来たのでしょうか?サムエルであれば、当然、天から降りてくるのではないでしょうか。こうしたことから、私たちはこの巫女の言葉が悪魔の行いであり、サタンがサムエルになりすまして、サウル王の前に現れたのだという事実をはっきり知ることができます。