③.サタンの罠を避ける唯一の道
最も重要なことは、真理を深く学ぶことです。なぜならサタンは真理をきちんと理解し、その真理に全身全霊で従うクリスチャンを、決して惑わすことができないからです。サタンが人々を惑わす方法は、誤りと偽りの教理を通してです。そのため聖書は霊を見分ける基準として、「おしえとあかし」の言葉を掲げているのです。
「人々があなたがたに『霊媒や、さえずり、ささやく口寄せに尋ねよ』と言うとき、民は自分の神に尋ねなければならない。生きているもののために、死人に伺いを立てなければならないのか。おしえとあかしに尋ねなければならない。もしこのことばに従って語らなければ、その人には夜明けがない」」(イザヤ 8:19,20:新改訳)。
聖書が真理の言葉を、霊を見分ける基準として掲げた理由は、真理自体は永遠に変わらないものですが、真理を理解する私たちの知識と経験はまちがう可能性があるからです。サタンの罠にかかってしまう大きな原因は、自分が見たり体験した悪霊の奇跡をもとに、真理を検証しようとすることです。そして結局は、自分が経験した奇跡を、神様の言葉より優位に置いてしまうのです。
しかし、真のクリスチャンはいつでも、どんな場合でも、真理を基準に、自分の体験した奇跡を検証します。すなわち、自分の知識や経験をもとに真理を判断するのではなく、真理をもとに、自分の経験した奇跡が天から来たのか、また悪魔からきたものなのかを確かめなければならないのです。
先ほど述べたように、サタンは奇跡を起こしたり、聖霊の賜物を偽造することによって、人々の心と意志を支配しようとしています。自分が体験した経験を最高の証拠と信じる人々にとって、聖書に表されている真理は何の影響力もありません。なぜなら、このような人々は自分が経験した“霊”によって真理を判断すると言うからです。パウロはこのようなクリスチャンに、次のような警告の言葉を記録しました。
「彼らが滅びるのは、自分らの救となるべき真理に対する愛を受けいれなかった報いである。そこで神は、彼らが偽りを信じるように、迷わす力を送り、こうして、真理を信じないで不義を喜んでいたすべての人を、さばくのである」(Ⅱテサ 2:10-12)。そのため、神様の真理を深く学ばなければなりません。これだけが最後の時代にサタンが繰り広げる罠を避けられる唯一の道です。
いくら神様の奇跡を経験したと主張し、神様を愛していると言っても、心が真理の教えからかけ離れていたり、知っている真理の言葉に全面的に従っているのでなければ、その人の霊的な状態はとても危険なのです。自分が体験した奇跡、経験した感触や感情、そしてもともと自分が持っていた知識がどうであれ、神様のみ言葉の要求が、しっかりその人の行動に表され、自分の体験を誇ったりせず、真理に従順な生き方をしているかどうかが、その人を支配する霊が何であるかを見分ける最高の基準です。
「もしあなたがたがわたしを愛するならば、わたしのいましめを守るべきである」(ヨハネ 14:15)。「このように、あなたがたはその実によって彼らを見わけるのである。わたしにむかって『主よ、主よ』と言う者が、みな天国にはいるのではなく、ただ、天にいますわが父の御旨を行う者だけが、はいるのである。その日には、多くの者が、わたしにむかって『主よ、主よ、わたしたちはあなたの名によって預言したではありませんか。また、あなたの名によって悪霊を追い出し、あなたの名によって多くの力あるわざを行ったではありませんか』と言うであろう。そのとき、わたしは彼らにはっきり、こう言おう、『あなたがたを全く知らない。不法を働く者どもよ、行ってしまえ』」(マタイ 7:20-23)。