生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

縮小社会へ

2012年10月31日 11時10分17秒 | 生命生物生活哲学
2012年10月31日-1
縮小社会へ

 日本社会は、将来的に縮小が避けられない。経済成長なるものは、ごまかしの最たるものである。
 毎日新聞2012年10月22日2面の山田孝男「風知草」では、

  「一口に持続可能な社会と言うけど、成長の持続と環境の持続は矛盾します。『持続可能』でごまかさず、『縮小』と言い切ることが大事だと思ったのです」

という縮小社会研究会代表の松久寛氏の言を紹介している。
 なお、2012年11月2日(金)20~22時のBSフジ「プライムニュース」では、縮小社会が主題として取り上げられ、経済成長論者との討論も予想されるとのことである。

 様々な種類と程度の縮小はあっても、人の気持ちが縮こまる必然性は全く無い。
 むしろ、お天道様がにこにこ輝くもとで(つまり、健康な環境下で)、のびのびとありのままの生活を送りたい。
 そうすれば、人々の心と意識は大きくなる。



原発稼働を止めさせよう。

2012年10月16日 01時26分48秒 | 生命生物生活哲学
2012年10月16日-1
原発稼働を止めさせよう。


 京都では、しゃぼん玉デモが行なわれたらしい。
 原発稼働を止めさせよう。
 意思表示しよう。
 持ち運びの布や板や、衣装や楽器で芸術しよう。
 振る舞いで芸術しよう。
 楽しく、いのちは輝く。

 しゃぼん玉パレード
  「原発を動かすのは電力不足だからではなくて、電力会社さんの経営破綻を防ぐためだということ。」
http://shabon-parade-nonukes.tumblr.com/

 脱原発系デモ情報一覧
http://demojhks.seesaa.net/article/296941236.html

 「全国金曜抗議」一覧
http://demojhks.seesaa.net/category/13121452-1.html



10月19日(金) 国相手?大飯3・4号運転停止裁判 第2回法廷

2012年10月10日 22時52分21秒 | 生命生物生活哲学
2012年10月10日-4
10月19日(金) 国相手?大飯3・4号運転停止裁判 第2回法廷

 10月19日(金) 国相手?大飯3・4号運転停止裁判 第2回法廷
  「集合  11:00   大阪地方裁判所 202号法廷(大法廷)前
   法廷  11:30~  202号法廷(大法廷)
   報告会 12:45   トーコーシティホテル梅田 蘭の間
       ~14:30    (地下鉄南森町駅2番出口すぐ)
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/kepco_chirashi20120928.pdf


大飯3・4号運転差し止め仮処分裁判

2012年10月07日 14時29分09秒 | 生命生物生活哲学
2012年10月7日-2
大飯3・4号運転差し止め仮処分裁判

 IWJ_HYOGO2
http://www.ustream.tv/recorded/25951399
の尼崎での集会録画から辿って知った。
 大飯原発3・4号運転差し止め仮処分を求める裁判が行なわれている。
 次回は10月10日午後4時に大阪地方裁判所で行なわれ、午後3時から裁判所前で集会がある。

 
 大飯原発を止めるための裁判に集まろう(大阪)
  「2012年10月10日(水)
   関電相手 - 大飯3・4号運転差し止め仮処分裁判 第6回審尋
  15:00集合 大阪地方裁判所 正面玄関
  15:20~ アピール行動 プラカード、横断幕等ご持参ください。
  16:00から審尋 大阪地裁412号法廷(傍聴は原告約20名に限られます)
  審尋終了後、報告を行います。」
http://2011shinsai.info/node/2925

 
 大飯原発3・4号運転差し止め仮処分裁判
(関西電力大飯原子力発電所3号機、4号機運転差止仮処分命令申立事件)
http://www.jca.apc.org/mihama/ooisaiban/ooisaiban_room.htm

 
  「 大飯原発3・4号を止めるため、3月12日に関西電力を相手取って、大阪地方裁判所に運転差し止め仮処分裁判を提訴しました。これまで5回の審尋が行〔な〕われました。次回は10月10日です。
 裁判の争点は、大飯原発近傍の3つの活断層が連動して動いた場合に、原子炉を止めるための制御棒が基準値2.2秒以内に挿入できるのかという問題です。
 活断層が3連動した場合には、制御棒挿入時間は2.2秒を超えてしまいます。そのため関電は、設置許可では2.2秒を守らなければならないが、安全上は11秒まで大丈夫などと、人々を炉心溶融一歩手前の危険に陥れる暴論を述べています。」
http://www.jca.apc.org/mihama/annai/annai_gakusyuzadankai_20120930_1006.htm

 
 大飯原発再稼働訴訟で口頭弁論 大阪地裁、国は争う姿勢
http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012082901001384.html
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/321113


各地でみんなで質問しよう、文句を言おう。

2012年09月22日 21時03分18秒 | 生命生物生活哲学
各地でみんなで質問しよう、文句を言おう。


 IWJ中継市民チャンネル 大阪Ch3
 20120922 脱原発!!歌うデモ!! 「平和のラップパレード」
http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka3

 10数分から20数分のあたりで、某氏が外部被曝と内部被曝の違い(ICRPは同じシーベルトなら同じと見る)や瓦礫処理でのバグフィルターの問題について疑問を呈している。
 環境省の本省は非常に不誠実なことを平気でやる人が多いようだが(30分頃)、環境省の各地方や自治体の窓口で質問したり文句を言おう、と呼びかけている。

 原発を止めよう。



リスクコミュニケーションて何だろう

2012年09月22日 01時37分34秒 | 生命生物生活哲学
リスクコミュニケーションて何だろう

 八木絵香(2009.8)『対話の場をデザインする』(大阪大学出版会)を読んでの論評がある。

  「市民の意見が仮に「原子力からの撤退」と定まれば、国はその方針転換をするのだろうか。するつもりのない、もしくは困難な部分まで市民との協働と強調しすぎることが、逆に無責任な印象を与えている可能性はないのだろうか。(p.184)

そうなのだ。「市民の意見が仮に『原子力からの撤退』と定まれば、国はその方針転換をするのだろうか」なる問いは、自明だ。そういう選択肢なしで行われているのが、原子力分野における双方向コミュニケーション、あるいはリスク・コミュニケーションなのである。最初から答えは決まっている、というのが実態なのではないか、と思ってしまう。

専門家と市民との「双方向のコミュニケーション」が実効的で、原子力の安全を向上するだけの役割を果たすものであるためには、専門家と市民との間の意見交換で合意された内容がなんらかのかたちで実現する保証がなければならない。それがないと、結局は、「対話フォーラム」といった活動は、著者らが否定したPA (Public Acceptance)活動となんら変わらない、ある種、巧妙なPA、新種のPAとなってしまうのではないか、と思うのである。」
http://memorandum.yamasnet.com/archives/Post-1347.html

 岡本孝司、阿部 豊、山口 彰の「利益相反」3教授はストレステスト委員を辞任せよ!
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/65ef4f136695a261263c0c5e6786128a

 
 【原子力規制委員会委員長 田中俊一は こんなにもワル!である】
http://kimito39.at.webry.info/201209/article_15.html


[S]
*三一書房編集部(編).2012.8.デモ!オキュパイ!未来のための直接行動.224pp.三一書房.[1700円+税]



原発リスクと放射能リスク 関連本

2012年09月20日 16時56分04秒 | 生命生物生活哲学
原発リスクと放射能リスク 関連本

 地球温暖化対策基本法案第十六条には、原子力推進が明記されている。
 (二酸化炭素排出量を1990年比で25%削減する目標の地球温暖化対策基本法案は、2010年3月閣議決定し、2010年5月14日衆院環境委員会で与党の賛成多数で可決。2010年6月2日、鳩山首相は辞意を表明。2010年6月16日、通常国会の閉会に伴い廃案。2010年10月8日、原案通りで臨時国会に再提出することを閣議決定。)

  「(原子力に係る施策等)
第十六条 国は、温室効果ガスの排出の抑制に資するため、温室効果ガスの排出の量がより少ないエネルギー源への転換を促進するために必要な施策を推進するものとし、特に原子力に係る施策については、安全の確保を旨として、国民の理解と信頼を得て、推進するものとする。」



[E]
*エントロピー学会(編).2011.8.原発廃炉に向けて:福島原発同時多発事故の原因と影響を総合的に考える.248pp.[1,600円+税80円]
[内容紹介。
絶対にあってはならない最悪の原発事故が起こった。事故と正面から向き合い、原因の究明と事故収束の見通し、汚染の広がりと被曝の防止、脱原発に向けた行動戦略を提示。

はじめに/山田國廣
福島原発同時多発事故から何がわかったか/広瀬 隆
福島原発で何が起こったか??原因と意味/井野博満
福島原発で何が起こったか??原発設計技術者の視点/ 後藤政志
東電・保安院などの事故対応の問題点/黒田光太郎
福島第一原発事故による放射線の健康影響/崎山比早子
福島第一原発事故による海洋汚染/福本敬夫
原発事故による土壌汚染を考える
 ??福島原発事故の原因と影響の総合的解明の試み/山田國廣
飯舘村の放射能汚染調査に参加して
 ??足尾-水俣-福島:日本の公害の歴史から見えてくるもの/菅井益郎
原発廃炉の経済学??危険な低炭素言説の歴史的起源からからの考察/室田武
上関原発の工事中止の行方/三輪大介
パネルディスカッション原発廃炉に向けて/
井野博満・黒田光太郎・後藤政志・菅井益郎・福本敬夫
三輪大介・室田武・山田國廣・和田喜彦
付表1 日本の原子力年表/和田喜彦
付表2 日本の原子力発電所一覧/和田喜彦


江澤誠.2011.1.地球温暖化問題原論:ネオリベラリズムと専門家集団の誤謬.354pp.新評論.[3,600円+税][B20120917]

江澤誠.2012.8.脱「原子力ムラ」と脱「地球温暖化ムラ」:いのちのための思考へ.222pp.新評論.[1,890円][B20120917]

[K]
*科学技術社会論学会編集委員会(編).2011.10.科学技術社会論研究 9[特集 地球温暖化論].玉川大学出版部.[3,570円]

小林よしのり.2012.8.ゴーマニズム宣言SPECIAL 脱原発論.365pp.小学館.[1,785円][B20120902]

[R]
ラートカウ,J〔ヨアヒム〕.2000(海老根剛・森田直子訳,2012.7).自然と権力:環境の世界史.v+480+101pp.みすず書房.[Radkau, Joachim][7,560円][B20120917]

[S]
斎藤環.2012.8.原発依存の精神構造:日本人はなぜ原子力が「好き」なのか.189pp.新潮社.[1,600円+税80円][B20120920]

[T]
田坂広志.2012.9.田坂教授、教えてください。これから原発は、どうなるのですか?.229pp.東洋経済新報社.[1,500円+税75円][B20120920]






ヨアヒム『ドイツ原子力産業の興隆と危機 1945-1975』

2012年09月15日 10時04分26秒 | 生命生物生活哲学
2012年9月15日-1
ヨアヒム『ドイツ原子力産業の興隆と危機 1945-1975』


 安冨歩『幻影からの脱出』78-79頁で引用されている、

 ドイツ原子力産業の興隆と危機 1945-1975 - 結論:研究成果といくつかの実践的帰結
 ヨアヒム・ラートカウ(翻訳 海老根 剛)
http://www.korpus.org/archives/8

 そのpdfは、下記から入手できる。
http://www.korpus.org/wp-content/uploads/2011/12/Radkau_Atomwirtschaft.pdf
〔受信:2012年9月15日〕

ヨアヒム『ドイツ原子力産業の興隆と危機 1945-1975』は、2012年7月に出版されていた。

ラートカウ,ヨアヒム.(海老根剛・森田直子訳,2012.7)自然と権力:環境の世界史.592pp.みすず書房.[7,560円]

 その紹介は、
http://www.korpus.org/

 ヨアヒム氏は2012年1月31日(火)に大阪市立大学文学研究科で講演したらしい。
  「講演に関係する文献として「ドイツ反原発運動小史」(上)(下)(森田直子・海老根剛 訳)『みすず』599号(2011年11月号)、600号(2011年12月)がある。」
http://www.korpus.org/archives/572


 
[R]
*ラートカウ,ヨアヒム.(海老根剛・森田直子訳,2012.7)自然と権力:環境の世界史.592pp.みすず書房.[Radkau, Joachim][7,560円]

[Y]
安冨歩.2012.7.幻影からの脱出:原発危機と東大話法を越えて.明石書店.[1,680円][B20120903][第二章は、『原子力安全の論理』の自壊]




広瀬隆講演会の録画/クリプトン、キセノン

2012年09月09日 16時49分12秒 | 生命生物生活哲学
2012年9月9日-1
広瀬隆講演会の録画/クリプトン、キセノン

 日時 : 2012年9月5日(水) 18時~21時
 場所 : 北海道 音更町文化センター大ホール

 2012年9月5日 広瀬隆講演会「知らされていない原発のこと...」 前半
http://www.youtube.com/watch?v=elcZfqa2iBI&feature=plcp

 2012年9月5日 広瀬隆講演会「知らされていない原発のこと...」 後半
http://www.youtube.com/watch?v=oRgAlAC5Kcw&feature=plcp
 
 
 「日々雑感」サイト
http://hibi-zakkan.net/
http://hibi-zakkan.sblo.jp/


 福島1号機、水素濃度が時折上昇 核分裂時発生の希ガスも
http://www.47news.jp/CN/201209/CN2012090801001627.html

 2号機からクリプトン85が突然大量に放出されている
  「クリプトン85はガンを発症させるので、核燃料サイクルを進める上では、邪魔で隠しておきたい核種」
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-1268.html



第11回縮小社会研究会の案内

2012年09月07日 11時15分37秒 | 生命生物生活哲学
2012年9月7日-1
案内:第11回縮小社会研究会

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
   記

名称:第11回縮小社会研究会
日時:2012年9月30日 13~17時
場所:京都大学物理工学校舎112室

1.13:00~13:50
 「縮小社会とアイゼンスタインの思想」
  石田 靖彦

2.14:00~15:15
 「太陽光発電システムは縮小社会のエネルギー生産を担えるだろうか」
  三石 博行

3.15:25~16:40
 「使い捨て時代を考える」
  槌田 劭

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
 
 参加希望者は下記を見て連絡してください。
 縮小社会研究会:
http://vibration.jp/shrink/



イカサマとマヤカシの日本学術会議が緑のダム効果を否定

2012年09月06日 14時21分06秒 | 生命生物生活哲学
2012年9月6日-2
イカサマとマヤカシの日本学術会議が緑のダム効果を否定

 日本学術会議が緑のダム効果を否定: 本日の東京新聞記事の紹介
  「日本学術の結論は、私の結論とは180度反対の以下のようなものでした。〔略〕
 官僚たちの都合に合うように、計算結果とは異なる結論が強引に導かれているのです。〔略〕
 この間、官業学に配置された原子力村〔ムラ〕の利権構造が問題にされてきました。この問題も同様の構造を持っています。近代の科学的精神と民主主義に対する官僚組織の挑戦と言ってもよいかも知れません。」
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/f0207a81f97af3d4c8c3dd8aaff46609

 
 どうする、利根川? どうなる、利根川? どうする、私たち!?
http://blogs.yahoo.co.jp/spmpy497



原発廃止へ

2012年09月06日 13時50分28秒 | 生命生物生活哲学
2012年9月6日-1
原発廃止へ

 これが言いたい:「即時原発ゼロ」を目指す=緑の党共同代表・須黒奈緒
  「脱経済成長至上主義、環境重視や脱格差を旗印に「緑の党」を結成した。〔略〕
  経済成長至上主義を改め、限られた地球資源の下で持続可能な社会をつくること、「成長から成熟社会への転換」が私たちの大きな目標だ。
 もうひとつの柱は、参加型民主主義の追求だ。〔略〕
 「即時原発ゼロ」を目指し、自然エネルギーの促進と原発再稼働への反対、「原子力ムラ」の解体を掲げている。」
http://mainichi.jp/opinion/news/20120906ddm004070007000c2.html

 
 「現実」はぐらかすな--文化人類学者・上田紀行さん(54)
  「「いま原発を動かすのは非常に危険であり、これ以上、事故を起こすことはできない。そう言うことが精神論なのでしょうか」。〔略〕

 事故後、原発の技術者と討論する機会があり、こんな本音を耳にした。日本の原発には、ベント(排気)装置に放射性物質の飛散量を減らすフィルターがつけられていない。なぜかと問うと、技術者は「フィルターをつけたら、ベントしなければならないような過酷事故が起きることを想定していることになる。ましてや、後からフィルターをつける追加工事を発注するなんて……」と答えたという。「健全な社会なら軽微な問題を察知した段階で改善していくものですが、この社会には小さな問題は隠蔽(いんぺい)することが安心安全なんだという誤った考えがはびこっています」〔略〕

 06年ごろは、200人のうち、「実名で告発する」が5人、「匿名で告発する」が15人で、残りの180人は「何もしない」だった。震災と原発事故があった昨年、実名告発が30人、匿名告発が100人に増え、「告発する」が多数派に。そして、今年は実名告発が50人、匿名告発が120人と告発派がさらに増えた。

 「〔略〕不正を知っても何もしない人間より、自分の名前を出してでも告発する人間の方が格好いいと、若者たちの意識が変わってきたのではないか。今こそ、この日本社会の『変えどき』です」
http://mainichi.jp/feature/news/20120831dde012040020000c.html
http://mainichi.jp/feature/news/20120831dde012040020000c2.html
http://mainichi.jp/feature/news/20120831dde012040020000c4.html
 
 
 原子力規制委 首相も「ムラ」の住人か
  「野田佳彦首相が原子力規制委員会の人事に原発推進派を起用する構えを示している。本来は国会の同意が必要なのに、首相権限で強行するという。とんでもない話だ。国会は何をしているのか。〔略〕
 委員長候補に原子力委員会委員長代理や日本原子力研究開発機構副理事長などを務めた田中俊一氏、委員候補には日本アイソトープ協会主査の中村佳代子氏、日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究部門副部門長の更田豊志氏らを指名した。〔略〕
 法律上は国会同意がなくても後で同意を得れば、首相の任命は可能だ。ところが原子力緊急事態宣言が出ている間は同意を得る必要がない。現在は宣言発令中なので結局、任命が既成事実化してしまう可能性が高い。これは事実上の国会無視と言っていい。」
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012090602000078.html

 
 評論家・木元教子 原子力否定しても何も生まれず
  「 では、原子力発電について唱えられたことは、その政策を含め、本当に「安全神話」と呼ばれていたのだろうか。「安全神話」とはどういうものだろう。それは「絶対に安全」という信頼感だ、と言われる。ならば、誰が、いつ、どこで、原子力発電を「絶対に安全」と言ったのか。あるいは、言わなければならなかったのか。

 私は、1998年から3期9年間、内閣府の原子力委員会委員を務めていた。しかし、振り返ってみると、原子力の「安全対策」については、国・電気事業者の方たちは当然のこと、一般市民、原子力利用に反対の立場の方々も参加する「市民参加懇談会」を設置し、テーマは「原子力発電の必要性と安全性」など、その都度、課題とされている事例を取り上げ、公開の場でご意見を伺い、論じ合い、確認しあった。その結果は、原子力政策策定のプロセスにおいて反映され、政策・対策として確立されていった。
 思うに原子力発電は、資源のない日本の準国産エネルギーと認知され、人々は自前の原子力発電に大きな期待を寄せたに違いない。

 とはいえ、その政策・対策は、安易に、心情的に「安全神話」という言葉で語られてはいない。しかし、その上で、明確な根拠はないにしても、「かく、あらまほし」との願望を精一杯こめて、「絶対に安全である。そうしなければ」と確認し合った状況があったのではないか。

 ≪ドイツと違い近隣に頼れない≫
  世の中に「絶対安全」は、ない。原子力は、前を向いて謙虚に、だが強い信念を抱き、限りなく「絶対安全」に近づけるべく、研究開発に努力し、また、しなければならない、と決意している。 それは、原子力が他のエネルギーとともに、私たちにとって必要なエネルギーだからだ。〔略〕
  浜岡原子力発電所を守ることは単に、民間の一電力会社を守ることではなく、日本のエネルギー安全保障を守ることなのだ。

 この関連で6月20日、原子力基本法第2条「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として」に続き、「我が国の安全保障に資することを目的として」との文言が加えられた。決して軍事利用ではない。」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120711/plc12071103180004-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120711/plc12071103180004-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120711/plc12071103180004-n3.htm

 上記の木元教子氏の主張は、たとえば 小林よしのり『脱原発論』を読めば、簡単に論破できる。
 「9年間、内閣府の原子力委員会委員を務めていた」人は、原発事故の責任を感じないのか? また、安冨歩氏の言う「東大話法」に満ちている。


 
 「ウラン節約」ウソだった 再処理「原発維持のため」
  「原子力委員会が原発推進側を集め昨年十一月に開いた秘密勉強会の場で、電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言していた。〔略〕
 発言者は電事連の原子力部長。内閣府の検証チームが集めた議事資料などによると、昨年十一月二十四日の会合で、原子力委の鈴木達治郎委員長代理が「電力会社としては、コストが高くても再処理する理由があるのか。とりあえずは(使用済み核燃料を)処理できるということがメリットか」と部長に質問した。
 これに対し、部長は「その通り」と即答し、「再処理路線でなければ、使用済み核燃料の受け入れ先がなくなり、原発が止まってしまうことになる」と述べた。
 本紙の調査で、国内約六割の原発では、稼働させれば数年内に使用済み核燃料プールが満杯になる。核燃料が交換できなくなり、それ以上は稼働できず、行き詰まった状態になると判明している。」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012090502000123.html

 
 フランス:原発で水蒸気漏れ…作業員2人やけど
http://mainichi.jp/select/news/20120906k0000m030117000c.html

 
[K]
小林よしのり.2012.8.ゴーマニズム宣言SPECIAL 脱原発論.365pp.小学館.[1,785円][B20120902][RH20120903]

[Y]
安冨歩.2012.1.原発危機と「東大話法」:傍観者の論理・欺瞞の言語.276pp.明石書店.[1,680円][B20120109][RH20120125]

安冨歩.2012.7.幻影からの脱出:原発危機と東大話法を越えて.明石書店.[1,680円][B20120903][第二章は、『原子力安全の論理』の自壊]



「リスク」の定義と諸使用法

2012年08月29日 23時16分17秒 | 生命生物生活哲学
2012年8月29日-7
「リスク」の定義と諸使用法

 中山竜一「リスクと法」を読む。

 1. 広義のリスクは、意思決定理論や組織理論に見られる用法で、
  リスクを、不確実性や非知とほぼ同じ意味に用いる(104頁)。
 2. 狭義のリスクは、工学、生物学、医学などの自然科学における用法で、
  リスクを、統計データや確率と結びつけて理解する(104頁)。
 3. 「リスク社会における「新たなリスク」は、〔略〕潜在的リスクが現実のものとなって際の損害規模と影響の大きさを事前に把握することがきわめて難しく、信頼できる統計データの不在、ないしは測定方法それ自体が有する限界のため、その発生確率も負の期待値もおよそ算定不可能であるようなリスクである。
 こう理解すれば、原発事故、地球温暖化、〔略〕BSE汚染などの「新たなリスク」に直面した際、専門家の意見に基づく行政的手法による未然防止も、無過失責任原理と保険的手法を通じた事故費用の事後的回復もなかなか機能しにくい理由もよくわかる。」(104頁)。
 4. precautionary principleには「予防原則」の訳が当てられているが、因果関係の解明を前提とする「未然防止」との違いを明確にするため、「予防=事前配慮原則」を使うとしている(105頁)。
 予防=事前配慮という、等号の意味がわからない。直訳的に、precautionary principleは事前警戒原理または事前警戒原則がよい。「cautionaryは、警戒の;注意を促す, 警告的な」で、配慮とはだいぶ異なる。
 5. 事前警戒原則に対する批判(107頁)として、
  ア.「疑わしいものは一律禁止」といったゼロリスクの発想である。
  イ.科学技術の発展を萎縮させる。
  ウ.自由な経済活動を妨げる。
  エ.費用便益分析に基づく合理的選択の可能性を無視する。
  オ.一般大衆の非合理な恐れに安易に迎合する誤ったポピュリズムを招く。
を挙げている。
 6. 事前警戒原則への批判を受け止め、運用可能性を検討したのが、2000年2月の『Communication from the Commission on the Precautionary Principle』(Commision of the European Communities, 2000)である(107頁)。

 検索すると、たとえば、
 高津融男「予防原則は政策の指針として役立たないのか?」
http://www.cs.kyoto-wu.ac.jp/bulletin/7/takatsu.pdf
があった。

中山竜一.2007.7.リスクと法.『リスク学とは何か』: 87-116.岩波書店.



日本の政治経済社会構造:ウォルフレンによる分析

2012年08月26日 01時14分54秒 | 生命生物生活哲学
2012年8月26日-1
日本の政治経済社会構造:ウォルフレンによる分析

 2012年8月25日、ウォルフレン『人間を幸福にしない日本というシステム』を読了した。
 たとえば、小沢一郎氏は排除されるだろうという(1994年の)予想は当たっている。
 注目した箇所は次の通り。

 1. 日本の官僚制度の特徴(83頁)。
  各省庁は、それぞれの法をつくり、それを好きなように解釈できる権力を持っている。また、その法を、許認可を与えたり与えなかったり、脅したりなどして、執行する力がある。政治家は、官僚たちがやることにほとんど影響力が無い。
 2. 実際に(闇)権力をもっている人たちを管理者と呼ぼう(90頁以降)。
  管理者たちとは、
  1. 政府省庁の官僚、
  2. 産業団体(経団連、日経連)、系列企業、銀行
であり、支えていたり補完しているのは、
  3. 御用学者(政府官僚御用達)の多い審議会、
  4. 大新聞やテレビなどのマスコミ、
  5. 一部の労働組合、
その他である。
 3. 検察庁は法務省の統制下にあるから、官僚制度全体の下僕である(115頁)。
 4. 管理者たちは、物事をあいまいにして、恣意的な運用を行なう(116頁)。
 5. 投機家は、紙の経済で儲けることができた(190頁)。
 6. 日本経済新聞は、バブル経済を演出した高級官僚専属の広報紙の役割を担った(203頁)。
 7. 大蔵省役人が権力を握り続けていられるのは、他よりも重要情報を握っているからである(203頁)。
 8. 「日本の主要企業の投資資金は、保険会社や信託銀行を経由して株式市場に流入した家計部門の貯蓄によって賄われた。企業の手もとには投資された資産が残ったが、〔略〕家計部門と金融機関からは何兆円もが消えて失くなった。つまり、1980年代後半に起きたことは、家計部門から産業部門への〔略〕移転にすぎないのだ。」(204頁)。
 9. 「村山首相の同意をとりつけた消費税値上げは、「福祉税」財源手当てとして提示された。しかし実質的には、これも経済官僚の「バブル」政策の尻ぬぐいをするためのものだ。」(204頁)。
 10. 「日本の住む人々は必要以上に長びく不況にさらされている。世界一高い物価から逃げられない。〔略〕そして今後は、保険料、公共料金、税金などの引き上げが日本の人々を見舞うことになるだろう。」(223頁)。
 11. 「日本の有害な惰性の第二の原因は、一般の人々があい変わらず「シカタガナイ」と言いつづけ、思いつづけていることだ。」(235頁)。
 12. 「大蔵省の官僚たちは株価と地価の狂乱的暴騰へと日本経済を導き、それが「バブル経済」を出現させた。〔略〕日本の何百万世帯の財力にそのつけをまわした。そしてすぐにまた、彼らは納税者と消費者からもっと金をしぼり取ろうとしている。それは、大企業と金融機関を破産させないためにこれから必要となるであろう金であ〔る〕」(237頁)。
 13. 「日本には、政治的な意味で力をもった知識人階級がない。〔略〕市民は〔そうした知識人階級〕をつくる手助けをしなければならない。」(271頁)。
 14. 「日本の多くの知識人は、管理者たちに誘い込まれて、既成秩序の宣伝活動をさせられている」(272頁)。
 15. 「八〇年代の前半には、当時の中曽根康弘首相の強力なお声がかりで、既成の体制を保守する大目的のために、知識人の第二の大動員がおこなわれた。京都に国際日本文化研究センターができたのはこの運動の一環だった。」(273頁)。
 16. 審議会は、日本の統治システムをより民主的にする制度だと見せかけられている。〔略〕実際は、官僚制に仕える召使のような人々で構成されている。〔略〕
 審議会制度が日本の政治システムから駆除されるまでは、この制度がもたらす害悪を最小限にとどめるための別の運動が必要である。〔略〕
 審議会の意思決定の全過程が公開されねばならない。」(283-285頁)。
 17. 新しい法律をつくったり、いまある法律を変えたりすることができる。通称「市民立法権」という公民権である。地方自治法第二章〔編?〕第十二条第一項。
 クビアック『日本にデモクラシーを:市民運動のための処方箋』
http://books.google.co.jp/books?id=3AoNDI3oNH0C&printsec=frontcover&dq=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%83%87%E3%83%A2%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%92:+%E5%B8%82%E6%B0%91%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%87%A6%E6%96%B9%E7%AE%8B&source=bl&ots=hVPnZW_3up&sig=jzXanmWNclSK2lEzIxc4nRpGwEc&hl=ja&sa=X&ei=EvY4UMb7I-rOmAXlyoHQAQ&ved=0CDAQ6AEwAA#v=onepage&q=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%83%87%E3%83%A2%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%92%3A%20%E5%B8%82%E6%B0%91%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%87%A6%E6%96%B9%E7%AE%8B&f=false
 18. 「大学は、〔略〕日本では、新聞と同じく、市民社会の力を弱めがちである。〔略〕大学は現状維持のための勢力なのだ。」(309頁)。
 19. 政治制度の目的の中心には、政治と秩序という理想がある。
 20. 「大衆社会の形成者としてのテレビの影響は、総合的に見れば、〔略〕市民社会にとって不健全なものである。〔略〕受け身の娯楽に慣らされてしまっているのだ。しかし、政治は真剣な営みなのである。」(331頁)。
 21. 怖れるな Fear not。勇気を揮おう。
 22. 「真の愛国心とは、最終的には隣人たちへの思いやりから生まれる。近くにも遠くにもいる、あらゆる隣人たちへの人間的共感から生まれるのだ。」(348頁)。

 
 日本を変革するためには(242-243頁)、わたしなりにまとめると、
  1. 日本の政治社会の仕組みについて知ること。
  2. 官僚など政治的権力者たちの行動について知ること。
  3. 情報公開と話し合いを求める。
  4. 家族や知り合いを市民になるようにすすめる。
  5. 影の省庁をつくる。市民集団をつくる。
    政府の行動を監視し、自分たちの解決策を練る。
    行動的な市民の仲間を募って、或る省庁に的を絞って働きかける。
    グループ間のネットワークをつくる。

 この本を読んで、大恐慌があるとして、それは「日本発」だという見解はあたっているのかもしれない、と思った。

 
[W]
*ウォルフレン,カレル・ヴァン〔Karel van Wolferen〕.(篠原勝訳 1994.11),人間を幸福にしない日本というシステム.毎日新聞社.[OCL302.1]

ウォルフレン,カレル・ヴァン.(井上実訳 2012.3)日本を追い込む5つの罠.角川書店[角川oneテーマ].