2015年12月17日-1
物質とは何か、物活論とは何か:引用
鍵語句文:物質、質量、質料、物活論、アニミズム animism、汎神論、汎心論。
1. 物質とは何か
引用1.
「質量は錯覚だ.
〔略〕
なぜ光が質量を持つと考えるのが正しくないのだろうか。
ニュートン力学では重力の原因は質量だけにあるとしている。 しかし一方、相対論では、重力の源は「エネルギーと運動量」であって、 これらが時空を歪める現象を重力と言っているに過ぎないのだと説明する。 一般相対性理論にとって重力は錯覚に過ぎないのである。
〔略〕
光が重力に影響を与えるからといって、 これをわざわざ質量などという古い概念に換算してニュートン力学の考え方を適用しようとすると、いずれ考えが破綻してしまうのである。 質量は本質ではないのだ。
では一般相対性理論でいうところの質量とは何かといえば、 単に物体が静止しているときのエネルギーを表すだけの数値に過ぎないことになる。 つまり、質量でさえただの錯覚に過ぎないのだ。」()
http://homepage2.nifty.com/eman/relativity/illusion.html[受信:2015年12月16日。]
引用2.
「物質とは此空間をみたし、世界を形成して居る物の實質をいふ。民族によって其物質観は同一でなく、又時代によって變遷はあるけれども上の意味は常に變りはないのである。
〔略〕
物質論に於て論ずべき問題中主要なのは凡そ次の如くである。〔註。以降では、漢字とひらがなは、現代的表記に変換した。〕
第一に、日常普通の物質の性質である。例えば通俗な意に於ける重さ、硬さ、表面の粗密、色合い、艶等からさらに科学的な所謂物理的、化学的性質に関することである。
第二に、此等の諸種の性質が夫々の物によって種々様々に異なって居るが、それは何によるのであるか。更に、斯様に多種多様の物は如何なる構造を有って居るか。結局物質の基本的な物及び其構造の如何という問題である。
第三に、生物の身体も物質から出来て居る、生物が死ぬときは其身体は普通の無生物に分れ、また無生物を摂って生物が生長し、生殖する。生物に於て特有と思われて居る生命の現象は根本に於ても無生物の現象と全く異るものか、或はつまりは程度の差に過ぎないのか。生命と物質との関係、又心理的現象と物理的、化学的現象との関係は何であるか。
第四に、物質は如何なる状態、分布をなして此宇宙を構成して居るか。宇宙の将来は如何であるか。
第五に、物質の存在を如何にして認めるを得るのであるか、又物質の存在する時間、空間になるものの本質は何であるか。
〔略〕
〔ここでは〕物質論の中心から第二の問題、即ち物質の基本的な物は何かという事を主として述べることとしよう。」
(阿部良夫 1932/9: 3-4)。
文献[物質とは何か]
阿部良夫 1932/9/20.物質論[岩波講座 哲学〔体系的研究―自然の問題―〕].39pp.岩波書店.[P19850611]
梯明秀.1958/10/15[=1948年の再刊本。1970/3/1 七版].物質の哲学的基礎.306pp.青木書店.[定価900円][P19840904]
2. 物活論とは何か
引用3.物活論についての辞書や事典
「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
物活論 ぶっかつろん hylozoism
すべての物質 hylēは生きている zōionとする哲学説。言葉自体は 17世紀イギリスの哲学者 R.カドワースに始るが,古代ではタレスを代表とするイオニア学派,ルネサンスのパラケルススやブルーノらが代表者であり,20世紀初頭の E.ヘッケルも物活論者とみられる。
デジタル大辞泉の解説
ぶっかつ‐ろん〔ブツクワツ‐〕【物活論】《hylozoism》
物質はそれ自体のうちに生命をもつとする説。タレスなど古代ギリシャ哲学での自然観。」
https://kotobank.jp/word/物活論-125078[受信:2015年12月16日。]
「三省堂 大辞林
ぶっかつ ろん ぶつくわつ- [4] 【物活論】 〔hylozoism〕
物質を無機的なものと考えず,それ自体に生命力や霊魂をもつものとする有機的生命的自然観。
世界宗教用語大事典
ぶっかつろん 【物活論】(hylozoism英)
物質が本質的に活力・生命力をもつと見、それらの根源を魂と見ていく世界観の一つ。原始宗教のアニミズムも、この一種。一七世紀にカドワース(英プラトン学派)が初めてこの語を使用した。カントはこれを自然哲学の理に矛盾すると批判した。物質それ自体生命をもつとする立場(イオニア哲学)と、世界精神の有機的部分と考える立場(ストア派)とがある。」
http://www.weblio.jp/content/物活論[受信:2015年12月16日。]
ウイキベディア内で「物活論」検索すると、その項目は無かった。
「このウィキでページ「物活論」を新規作成しましょう。検索で見つかった他のページも参照してください。
ミレトス学派
ミレトス学派の哲学者たちは、宇宙を形成し、あらゆる生命の源である万物の根源、つまりアルケー(ギリシャ語:ἀρχή arkhē)で自然を定義しようとした。それらは、物活論(ヒュロゾイズム)と呼ばれる思考である。たとえば、タレスは万物の根源は「水」だと考えた。しかし、それでは「火」など説明のつかないものがあったので、
4キロバイト (868 語) - 2015年1月31日 (土) 10:01
ルネ・デカルト
神によって保持される)法則によって粒子の運動が確定されるとした。この考えは、精神に物体的な風や光を、宇宙に生命を見たルネサンス期の哲学者の感覚的・物活論的世界観とは全く違っており、力学的な法則の支配する客観的世界観を見出した点で重要である。 更にデカルトは、見出した物理法則を『世界論』(宇宙論)に
40キロバイト (8,811 語) - 2015年11月13日 (金) 03:46
世界観
全ての存在に心を認める立場。物質原理と精神的実体を統合したライプニッツのモナド論なども必然的にこれに含まれる。ホワイトヘッドの世界神化説もその一つの例として認めることが出来る。物活論。 運命論 (fatalism) ⇔決定論 (determinism) 懐疑論 (skepticism) ⇔不可知論 (agnosticism)
38キロバイト (8,284 語) - 2015年11月23日 (月) 06:08
生命
が、古代に限らず、またその地域に限らず、広く、ひとつの基本的な哲学的見方としてこの考え方は、現代にいたるまで存在しているのである。こうした考え方を物活論(英語版) hylozoism と言う。 ヨーロッパでは中世、キリスト教が広がり、旧約聖書の創世記の記述に従い、神が自然も人間も、動物・植物も、その他
44キロバイト (10,900 語) - 2015年11月21日 (土) 09:03
コナトゥス
念が存在する。ジャンバッティスタ・ヴィーコ(1668年 - 1744年)は「コナトゥス」を人間社会の活動の本質と定義した。さらに、より伝統的には、物活論的な意味で、自然全体に充満する運動を作り出す力と定義した近代科学が始まってから百年近く後に、ヴィーコはネオプラトニズムに触発されて、慣性の原理や新
58キロバイト (10,582 語) - 2015年1月7日 (水) 06:31
」
https://ja.wikipedia.org/w/index.php?search=物活論&title=特別%3A検索&go=表示[受信:2015年12月16日。]
英語版Wikipediaには、Hylozoismの項目がある。
「Hylozoism
Hylozoism is the philosophical point of view that matter is in some sense alive. The concept dates back at least as far as the Milesian school of pre-Socratic philosophers. The term was introduced to English by Ralph Cudworth in 1678.
Contents
1 Distinction from similar theories
2 Ancient hylozoism
3 Hylozoism in Renaissance and early Modernity
4 Contemporary hylozoism
5 Hylozoism in popular culture
6 See also
7 References
8 External links
〔略〕
」
https://en.wikipedia.org/wiki/Hylozoism
「」
マーナ・ブーンゲ『生物哲学の基礎』
文献
Mahner, M. & Bunge, M.[マーナ,マルティーン・ブーンゲ,マリオ]1997, 2000(小野山敬一 訳 2008/7/26).生物哲学の基礎.xxi+556pp.シュプリンガー・ジャパン.[本体13,000円+税][ISBN9784431100256][R20080720][既知の半分ほどの訂正が行なわれた本(第2刷)が、版権が移行された丸善出版から、2012/9/30にシュプリンガー・ジャパン株式会社の編集として、発行された。 ISBN9784621063552。本体13,000円+税。]
物質とは何か、物活論とは何か:引用
鍵語句文:物質、質量、質料、物活論、アニミズム animism、汎神論、汎心論。
1. 物質とは何か
引用1.
「質量は錯覚だ.
〔略〕
なぜ光が質量を持つと考えるのが正しくないのだろうか。
ニュートン力学では重力の原因は質量だけにあるとしている。 しかし一方、相対論では、重力の源は「エネルギーと運動量」であって、 これらが時空を歪める現象を重力と言っているに過ぎないのだと説明する。 一般相対性理論にとって重力は錯覚に過ぎないのである。
〔略〕
光が重力に影響を与えるからといって、 これをわざわざ質量などという古い概念に換算してニュートン力学の考え方を適用しようとすると、いずれ考えが破綻してしまうのである。 質量は本質ではないのだ。
では一般相対性理論でいうところの質量とは何かといえば、 単に物体が静止しているときのエネルギーを表すだけの数値に過ぎないことになる。 つまり、質量でさえただの錯覚に過ぎないのだ。」()
http://homepage2.nifty.com/eman/relativity/illusion.html[受信:2015年12月16日。]
引用2.
「物質とは此空間をみたし、世界を形成して居る物の實質をいふ。民族によって其物質観は同一でなく、又時代によって變遷はあるけれども上の意味は常に變りはないのである。
〔略〕
物質論に於て論ずべき問題中主要なのは凡そ次の如くである。〔註。以降では、漢字とひらがなは、現代的表記に変換した。〕
第一に、日常普通の物質の性質である。例えば通俗な意に於ける重さ、硬さ、表面の粗密、色合い、艶等からさらに科学的な所謂物理的、化学的性質に関することである。
第二に、此等の諸種の性質が夫々の物によって種々様々に異なって居るが、それは何によるのであるか。更に、斯様に多種多様の物は如何なる構造を有って居るか。結局物質の基本的な物及び其構造の如何という問題である。
第三に、生物の身体も物質から出来て居る、生物が死ぬときは其身体は普通の無生物に分れ、また無生物を摂って生物が生長し、生殖する。生物に於て特有と思われて居る生命の現象は根本に於ても無生物の現象と全く異るものか、或はつまりは程度の差に過ぎないのか。生命と物質との関係、又心理的現象と物理的、化学的現象との関係は何であるか。
第四に、物質は如何なる状態、分布をなして此宇宙を構成して居るか。宇宙の将来は如何であるか。
第五に、物質の存在を如何にして認めるを得るのであるか、又物質の存在する時間、空間になるものの本質は何であるか。
〔略〕
〔ここでは〕物質論の中心から第二の問題、即ち物質の基本的な物は何かという事を主として述べることとしよう。」
(阿部良夫 1932/9: 3-4)。
文献[物質とは何か]
阿部良夫 1932/9/20.物質論[岩波講座 哲学〔体系的研究―自然の問題―〕].39pp.岩波書店.[P19850611]
梯明秀.1958/10/15[=1948年の再刊本。1970/3/1 七版].物質の哲学的基礎.306pp.青木書店.[定価900円][P19840904]
2. 物活論とは何か
引用3.物活論についての辞書や事典
「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
物活論 ぶっかつろん hylozoism
すべての物質 hylēは生きている zōionとする哲学説。言葉自体は 17世紀イギリスの哲学者 R.カドワースに始るが,古代ではタレスを代表とするイオニア学派,ルネサンスのパラケルススやブルーノらが代表者であり,20世紀初頭の E.ヘッケルも物活論者とみられる。
デジタル大辞泉の解説
ぶっかつ‐ろん〔ブツクワツ‐〕【物活論】《hylozoism》
物質はそれ自体のうちに生命をもつとする説。タレスなど古代ギリシャ哲学での自然観。」
https://kotobank.jp/word/物活論-125078[受信:2015年12月16日。]
「三省堂 大辞林
ぶっかつ ろん ぶつくわつ- [4] 【物活論】 〔hylozoism〕
物質を無機的なものと考えず,それ自体に生命力や霊魂をもつものとする有機的生命的自然観。
世界宗教用語大事典
ぶっかつろん 【物活論】(hylozoism英)
物質が本質的に活力・生命力をもつと見、それらの根源を魂と見ていく世界観の一つ。原始宗教のアニミズムも、この一種。一七世紀にカドワース(英プラトン学派)が初めてこの語を使用した。カントはこれを自然哲学の理に矛盾すると批判した。物質それ自体生命をもつとする立場(イオニア哲学)と、世界精神の有機的部分と考える立場(ストア派)とがある。」
http://www.weblio.jp/content/物活論[受信:2015年12月16日。]
ウイキベディア内で「物活論」検索すると、その項目は無かった。
「このウィキでページ「物活論」を新規作成しましょう。検索で見つかった他のページも参照してください。
ミレトス学派
ミレトス学派の哲学者たちは、宇宙を形成し、あらゆる生命の源である万物の根源、つまりアルケー(ギリシャ語:ἀρχή arkhē)で自然を定義しようとした。それらは、物活論(ヒュロゾイズム)と呼ばれる思考である。たとえば、タレスは万物の根源は「水」だと考えた。しかし、それでは「火」など説明のつかないものがあったので、
4キロバイト (868 語) - 2015年1月31日 (土) 10:01
ルネ・デカルト
神によって保持される)法則によって粒子の運動が確定されるとした。この考えは、精神に物体的な風や光を、宇宙に生命を見たルネサンス期の哲学者の感覚的・物活論的世界観とは全く違っており、力学的な法則の支配する客観的世界観を見出した点で重要である。 更にデカルトは、見出した物理法則を『世界論』(宇宙論)に
40キロバイト (8,811 語) - 2015年11月13日 (金) 03:46
世界観
全ての存在に心を認める立場。物質原理と精神的実体を統合したライプニッツのモナド論なども必然的にこれに含まれる。ホワイトヘッドの世界神化説もその一つの例として認めることが出来る。物活論。 運命論 (fatalism) ⇔決定論 (determinism) 懐疑論 (skepticism) ⇔不可知論 (agnosticism)
38キロバイト (8,284 語) - 2015年11月23日 (月) 06:08
生命
が、古代に限らず、またその地域に限らず、広く、ひとつの基本的な哲学的見方としてこの考え方は、現代にいたるまで存在しているのである。こうした考え方を物活論(英語版) hylozoism と言う。 ヨーロッパでは中世、キリスト教が広がり、旧約聖書の創世記の記述に従い、神が自然も人間も、動物・植物も、その他
44キロバイト (10,900 語) - 2015年11月21日 (土) 09:03
コナトゥス
念が存在する。ジャンバッティスタ・ヴィーコ(1668年 - 1744年)は「コナトゥス」を人間社会の活動の本質と定義した。さらに、より伝統的には、物活論的な意味で、自然全体に充満する運動を作り出す力と定義した近代科学が始まってから百年近く後に、ヴィーコはネオプラトニズムに触発されて、慣性の原理や新
58キロバイト (10,582 語) - 2015年1月7日 (水) 06:31
」
https://ja.wikipedia.org/w/index.php?search=物活論&title=特別%3A検索&go=表示[受信:2015年12月16日。]
英語版Wikipediaには、Hylozoismの項目がある。
「Hylozoism
Hylozoism is the philosophical point of view that matter is in some sense alive. The concept dates back at least as far as the Milesian school of pre-Socratic philosophers. The term was introduced to English by Ralph Cudworth in 1678.
Contents
1 Distinction from similar theories
2 Ancient hylozoism
3 Hylozoism in Renaissance and early Modernity
4 Contemporary hylozoism
5 Hylozoism in popular culture
6 See also
7 References
8 External links
〔略〕
」
https://en.wikipedia.org/wiki/Hylozoism
「」
マーナ・ブーンゲ『生物哲学の基礎』
文献
Mahner, M. & Bunge, M.[マーナ,マルティーン・ブーンゲ,マリオ]1997, 2000(小野山敬一 訳 2008/7/26).生物哲学の基礎.xxi+556pp.シュプリンガー・ジャパン.[本体13,000円+税][ISBN9784431100256][R20080720][既知の半分ほどの訂正が行なわれた本(第2刷)が、版権が移行された丸善出版から、2012/9/30にシュプリンガー・ジャパン株式会社の編集として、発行された。 ISBN9784621063552。本体13,000円+税。]