
福大から解剖学の和佐野教授が来て、神経中心に、一日中、この先生の特別講義だった。何も見ないでどんどん黒板に書いて行って、絵が実に上手だった。お腹が痛くなって、午後の講義の時、きつかった。
○専門1年、12月13日(水)晴。
Kが、脈管学を8時間で仕上げたと言った。自分もその位で出来ると思う。神経学も小さい所まで覚えないといけない。解剖は、3学期も週3回するらしい。いいことだ。そうなると、1回目の試験は、難しくなりそうだ。
○専門1年、12月23日(土)雨。
解剖の試験中、下痢でお腹が痛くなって、2時間で出た(3時間の試験であったが)。それで、腹腔動脈の所が書けなかった。済んだことは仕方がない。残りの箇所は、まあまあだった。(結果は、合格で、約7割の人が合格していた。昨年は、逆に、4分の1しか、合格していなかったが)
*12月の解剖実習が終わる頃、クラスのある人が、「近頃、皆同じ顔に見える」と言った。つまり、解剖実習とレポ一トと講義と試験で、皆、疲れ切っていて、「髪ボサボサに白衣汚く、青白い顔に目だけギョロギョロしていて、医学部の周りを夕方ウロウロしていたら、(専門)1年だ」ということになっていた。どんな立派な本も、どんな立派なスライドも、実物にはかなわないというのが皆の一致した意見であった。実物は、平面でなく立体になっている。医学生だけに許される人体系統解剖、実際にメスを使って解剖してみて初めて本当はどうなっているのかが確認できるのである。
骨一つにしても、出っ張ったり引っ込んだりした小さい所までちゃんと名前が付いていて、解剖名を覚えるだけでも凄い量であるが、初めはこの莫大な量を覚えられないと思っていたが、自分も含めて殆どの人が試験前ちゃんと名前を覚えていたのは、全く不思議であった。解剖部位を見て、どの部位に関しても、ちゃんと名前が言えた。やはり、実習をちゃんとしてきたからであろう。