日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

飛ぶ鳥 後を濁さず

2007-03-28 07:26:42 | Weblog
 3月で病院を辞める先生、どこの職場でも、この時期は多い。そんな時、人生の区切りとして、どうあるのが理想的なのだろうか?
 佐伯の初代理事長西田茂先生は、辞める職員に対して、「又、都合が付いたら、ここで就職して下さい。お願いします。」と頭を下げて言われていた。それを言われた職員は、病院に不満があって辞める人も皆、その一言に感動していた。正に、ここに西田哲学があるなあと思っていた。
 ある病院では、経営上、職員を突然解雇する理事長もいる。そんな病院は、職員も、突然、辞めているケースが多い様に思う。円満に双方が納得して、退職する感じがいいと思うのだが、実際は、なかなか難しい様だ。
 私が今勤めている病院では、出戻り組が多い。アチコチ行って、ここの良さを知った感じのドクターが多いのだ。
 ドクターにとっていい病院って、どんな病院なのだろうか。やはり、第一の条件は、自分が納得する医療が出来ることだと思う。使いたい薬が使え、自分がいいと思う医療が出来る職場だと思う。が、この経営難の時代では、多くの病院でそれが、難しくなっているのは確かなこと。今は、私的な病院だけでなく、公的な病院でさえも、トップ命令で、点数を上げよとの至上命令が下る。医は算術でなく仁術であるはずなのに。
 ここでは、誰からも言われることなく、自分の医療が出来ている。小児科の特殊性もあるかも知れないが、痛い検査も最小限度でしかしないし、レントゲン写真も、あまり撮らない。原則的に、咳止め、鼻水止め、下痢止め、熱冷ましの西洋医学の薬は、使用していないし、抗生物質が必要な人も、5人に1人もいない程度で、それも、ペニシリン系やセフェム系などの強いのは、膀胱炎や溶連菌やとびひなど、細菌感染だとはっきりした疾患でない場合以外は、殆ど使用していない(今は、昔と違って、溶連菌の検査もアデノウイルスの検査もインフルエンザの検査もRSウイルスの検査もロタウイスルの検査も、外来でいとも簡単に出来る)。それでも不思議なことに、困った感じもない(しばしばウイルス感染や細菌感染になる人には、それなりに、漢方薬を与えているが)。
 しかし、漢方薬は、バシバシと使用している。もう、2年近くにもなると、住民の人からも信頼されているのか、漢方薬も、抵抗なく飲んでいる様だ。使い方で自信がない時は、中医学の先生が定期的に来院しているので、その時に相談している。周りに開業医がいないので、長期にフォローが出来ている。自分なりに、楽しく統計を執りながら小児の救急医療が毎日出来ている。点滴は、ベテランの看護師がしてくれる。
 自分の好きな講義も講演も出来、演奏も出来(依頼が多くなりつつあるが)、医学の勉強も、たっぷりと出来ている。ただ、郷里に帰れないのが難点だが、地理的条件で、それは致し方ないこと。
 今、ここで、還暦を迎えるまで、(趣味力、医学の基礎力、教育力を)充分に充電出来ると思っている。


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為になるかも知れない本(その53)

2007-03-28 07:01:03 | Weblog
○専門2年、10月15日(月)晴。
 井形先生(三内教授、元学長)が、E・ボルハイム教授の講演でドイツ語通訳をした。あの先生は、決していばらない。なに、研究にしても診療にしても教育にしてもオ一ルラウンドで、凄い実力だ。実力のある人はいばらない。本当に立派だ。井形先生って本当に素晴らしいなあ。僕はあんなにはなれない。いくら頑張っても。ただの教師としてそれなりに立派になりたい。自分は一体これからどうなるのかなあ?
○専門2年、10月22日(月)晴。
 薬理学の合格発表があった。34人合格していた。(衛生学と細菌学が不合格だったので、非常に嬉しかった。衛生学と細菌学が共に合格した人は、わずか3人だった)。
○専門2年、10月24日(水)晴。
 医動物学が合格していた。50人合格していた。
○専門2年、10月26日(金)曇。
 小児科の講義があった。期待していた小児科。俺は本当に将来小児科医になるのかなあ。出席の取り方が厳しかった。将来進む道は、小児科か内科か精神科か脳神経外科だなあ。この4つの内のどれかであることだけは、確かかな?!
○専門2年、10月29日(月)晴。
 東大名誉教授の吉利和先生の講演があった。冴えていた。とても偉いのに、頭が低くて、話し易い感じだ。クリスチャンなのだ。
○専門2年、10月31日(水)晴。
 柴田進先生の講演を聴いた。先生は、川崎医科大学の内科の教授(元、学長)なのに、全く偉く見えないのが、実に偉いと思った。先生は、日曜日が一番楽しいと言う。普通の日はとても忙しくて自分のしたい勉強が出来ないが、日曜には、それが出来るからだと言う。ある学生が、「自分は人と付き合うのが下手なので、どうしたらいいでしょうか・・・」と変な質問をして皆からドッと笑われたが、先生は、「私はとんと人との付き合いが下手で、母から、お前みたいな人間の結婚相手は、一体どんな人になるのか相手の顔が見てみたいと言われたくらいで・・・」と真面目な顔をして言われたので、爆笑だった。この先生の言われる様に、医学教育に関しては、どこの大学も差があってはいけないと思う。差は、研究だ。○氏が、外国に行くと学歴が関係ないと言う。アメリカに行くべきかなあ。要は実力だ。

*以下は、柴田進先生に、私の著書「続・為になるかも知れない本」を贈呈した時のその返事の内容である。
・・・最初の頁(P11)から最後の頁(P319)まで一気に(三日ほどかかりましたが)読ませていただきました。正に私の「為になる本」でした。先生がこの様に物をせっせとお書きになるのは、天性の資質に恵まれていらっしゃるからだと思います。・・・先生の「大学入試の改善について」は、私が常々考えていました見解と同一で愉快に感じました。・・・・

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