小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

わざとその子から離れて

2010-06-12 08:34:33 | 授業中の攻略法

例えば、体育のマット運動の授業。課題は「後ろ回り」。

グループ活動を巡視している際に、Aグループが両手の平の形やマットへのつき方に注目し、練習方法を工夫しているのを見つけたとします。

この手の平については、後ろ回りを達成する大きなポイントの一つです。

ここで,Aグループのところへ先生が歩み寄り,個別に誉めることもできます。

だけど,せっかくの場面なので,ぜひクラス全体にも注意をうながしたい。

「全員、いったん練習をやめて・・・」

と、活動を中断して全体指導することもできるが、この集中して練習できているよい雰囲気まで壊したくないときってあります。

そんなときは

誉めたい子と一番離れたところへ移動し、そこからその子を具体的に誉める!

こんな場面では、思わずAグループの横で、小声で「いいところに注目したね。」と言葉をかけてしまいがちです。

そうではなく、あえて,Aグループから一番離れた場所に先生は移動しましょう。

そして,ちょっと不自然な感じがしますが、ぐんと首を伸ばしてのぞきこむようにしながら、Aグループを一番遠くから誉めます。

「Aグループ、両手の平に注目しましたね!そこはとても大事ですよ!どんな形をつくればいいか!どんなふうにマットにつけばいいか!見つけたら教えてね!」

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こうすることで、この話題は先生とAグループだけの話題ではなく、クラス全体の話題となります。

そして

1 他の子たちも「自分はどうだっけ?」と手の形を確認できる

2 形が悪ければ、先生に注意されたわけでもなく、自分で訂正ができる

3 きれいな形ができていれば、間接的に誉められたような気分になれる

4 Aグループは、みんなの前で誉められたようで、個別に誉められるよりうれしい

5 途中で活動を中断することなく、自然と教師がうながしたい注意をクラスに広められる

不思議ですが、先生が「みんな、手の形に気をつけましょうね。必ずこのように…」と、大きな声で指導するより、上のようにだれかに話しかけるような言葉の方が、子どもたちには届きやすものです。

コツは、こんな場面では、できるだけ具体的に誉めることでしょうね。

「すごいね~!」と誉めるだけでは、他の子にとったは単なる雑音。

意図的に、指導したいことを具体的に誉めることで、それはクラス全体を指導することへとつながります。