私は本校に4月に赴任してきました。
1学期を終え,少しずつ新しい学校のシステムや雰囲気が分かってきた感じです。
夏休み。
秋の研究公開に向けて,私は「環境整備班」の一員として,先輩先生と一緒にろうかの掲示物を張り替えていました。
慌ただしかった一学期でしたから,やっとゆっくり同僚どうしで話ができました。
「学校には慣れてきたかな?」
「一年生はどう?」
「おくさんも元気にしてる?」
「おれも今年で6年目になるな…」
先輩先生が優しい口調でいろいろと話してくれる中で,こんな話もしました。
「…でも,先生はえらいよね。『出羽海』じゃないから。」
「はい?なんですか?出羽海????」
「そう,出羽海。知らない?」
「お相撲さんの…?」
「あはははは,学校でいう『出羽海』は,違うんだよ。・・・・・ということだよ。」
「なるほど…!」
とても納得したので,とりあえず
学校では『出羽海』にならない!
と掲げておきましょう。
「どういう意味ですか?」
「『出羽海(ではのうみ)』っていうのは,すぐに「…では」「…では」って,言う人のことだよ。」
「…では」
「そう。よくいるじゃん。『前の学校では…』『前の学校では…』って,前の学校にいたときのことを出してくる先生。」
「あ~,いますいます。そういう人います。」
「いかにも前の学校のやり方が正しくて,鼻から今の学校を否定しようとする先生のことだね。出羽海。」
「そんなの言い出したら,会議なんて大変ですね。」
「だよねぇ。でも結構多いんだよ。空気読めない人も。先生はちっとも出羽海じゃないから,いいよ。」
「うん… まぁちがいますかね。」
郷に入って… という意識も大事でしょうね。
謙虚に,その学校のシステムにまずは従ってみる。試してみる。
そして十分に慣れて,理解できてきてから,改善すべきはする。
それも「前の学校では…」なんて立場でなく,今の学校の一員として意見したいですね。
出羽海にはならないように!