小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

活気のあるクラスと,活気のないクラス

2011-10-08 22:53:17 | 学級生活の攻略法

先生の指示を受けて動く子どもたちの様子について,クラスによってその動きに違いがあります。

テキパキと動けるクラスと,ダラダラとしか動けないクラス。

「掃除をしなさい」という細かなものにしてもそうだし,「運動会を盛り上げよう」という大きなものにしてもその差は出ます。

この差は一体どこからくるのでしょう。

要因はいろいろとあると思いますが,こんな「クラスの活気」について考える際に,一つの視点のなるものがあります。

「目的意識」というものです。

私が印象に残っている説話があります。

ある二つの国があり,それぞれにブロックを積み上げている男がいました。

片方の国の男に聞きました。

「なぜブロックを積み上げているのですか?」

男は答えました。

「王様がやれと言ったからさ。」

この男は嫌々ながらにブロックを積み上げ,作業は全くはかどっていませんでした。

次に,もう片方の国の男に聞きました。

こちらの男はせっせと作業を進め,ブロックも次から次に積み上がっていきました。

この男に聞きました。

「なぜブロックを積み上げているのですか?」

男は答えました。

「隣の国が攻めてこられないように頑丈な壁を作っているのさ。我々が平和に暮らすためにね。」

二人の男には,同じ命令が下されているのですが「目的意識」が違います。

片方の男は単に作業をすることしか伝えられていません。

だから,重たいブロックを積み上げる作業なんて嫌に決まっていて,力が入りません。

もう片方の男には,その作業の目的が伝えられています。

だから,つらい作業でもがんばれます。

王様がもっている目的意識を部下たちと共有できているかの差!

なんですね。

このことは,学級経営に関しても強く関係すると思います。

(もちろん「王様と部下」の関係ではありませんが)

先生が出す指示には,必ず目的があるはずです。

その目的は,クラスのため,学校のため,そして究極はすべて子どもたちのためになるはずです。

「掃除をしなさい」

という指示一つについても,なぜ掃除をするのかを,子どもたちに伝えるべきですね。

「教室をきれいにするために」

その言葉が添えられるかどうかに,先生のリーダーシップが表れます。

「教室がきれいだと,どんなにいいことがあるか」

を話せる先生は,さらに子どもを動かす力があると言えるでしょう。

先生は頭の中では掃除をする目的をもっていたとしても,それを子どもたちに伝えず,ただ「掃除をしなさい」ばかりを繰り返すだけでは,子どもはその活動に意味を見いだせなくなってしまいます。

何か子どもを動かす指示を出すとき,子どもたちがしっかりと動けるかどうかは,やっぱり先生の指示の出し方にかかっています。