「マーフィーの法則」という本をご存知ですか?
かなり前に人気となった本です。
「失敗する可能性のあるものは,失敗する」を代表として,人にまつわるいろんな事象を法則化して紹介しているものです。
それもかなり皮肉っぽく。
「集中しなければならないときは,注意をそらすことが必ず起きる」
「風力は髪のセット代に比例する」
「歯が痛みだすのは往々にして土曜の夜である」
「犬や猫はドアのどちら側にいようとも,邪魔な方にいる」
どれもひねくれた感じですが,どこか
「だよね~」
って納得してしまったり。
「帰り道に食べようと思っていたチョコレートは,買い物袋の一番下に入れられている」
なんかは,思い切り共感してしまいそうで,思わず笑ってしまいます。
この本は単なる皮肉ではなく,人という生き物をいろんな角度から見つめ,純粋にその特性を見出そうとしているようにも思えます。
笑って読むもよし。
考えて読むもよし。って感じの本でしょうか。
私は,ずっと前(中学生ぐらいだったかなぁ)におもしろがって読んでいたこの本を,ふとしたことから取り出して,読んでみました。
今でも笑顔で読める本でしたが,中に1つズバッと来るものがありました。
「賢者は真理を発見して喜び,凡人は間違いを発見して喜ぶ」
という法則です。(今回はそのまま引用で申し訳ないですが…)
あぁ,これって仕事でもろにあてはまるなぁって瞬時に思いました。
私が頭に浮かんだのは,職員室での会議や研修の場面です。
彼らは「凡人」と表現していますが,そういう人たちって多いですよね。
間違いを発見して喜んでいる人たちです。
会議の提案の中の矛盾や誤記,不適切な内容などを発見して指摘しては,満足そうな顔をしている先生たち。
研修では,研究授業のよくなかった点ばかりを挙げて,もっとこうしたほうがよかったと我が物顔で言っている先生たち。
あたかもその場で自分が役目を果たして,自分の力をアピールできたかのように。
会議や研修が「上げ足の取り合い」のようになってしまいそうです。
同時に,そんな間違いを見つけられる先生のことを
「あの先生鋭いなぁ」
なんて思っている周りの先生も同様のレベルです。
いつか自分も間違いを発見して喜んぶことになるでしょう。
間違いを発見すること自体はもちろん悪いことではなく,それも必要なことは十重に承知なのですが,それを一番だと思わないことですね。
彼らは,一番は「真理を発見する」ことだとし,それができる人を「賢者」と表現しています。
「真理」って奥が深く,会議や研修の場では何を言うのかは難しいですが,
○その仕事の本当の意義
○そこから生まれる理想的な子どもの姿
○関わっている先生の努力や知恵
そういったものだと考えてはどうでしょうか。
それらを見出すように会議や研修にのぞんでいる先生って,レベルが高いですよね。
とても前向きで,積極的で,かつかなりの知性を感じます。
そういった見方から意見を出し,討議がなされれば,それ自体がとても賢い中身になりそうです。
私的に,久しぶりに読んで目にとまったこの法則を,しばらくは職員室に持ちこんで仕事をしてみようと思います。