夏休み1回目の出校日でした。
私,この出校日が嫌いです。
子どもも先生も長期休業モード100%なのに,顔を合わせるんです。
そりゃあ,先生はしばらくぶりに子どもたちの顔を見るうれしさや,話をする楽しさはありますが,正直それ以上に
(まだ学校には来なくていい!)
と思っています(笑)
子どもはもちろん
(まだ学校には行かなくていい!)
でしょう。
それが出校日に学校ですごす2時間の間ずっと表情に出ていますから。(笑)
間違ってもこの日に,くどくどとした話をすることはしませんね。
「安全に過ごすこと!」を精一杯強調したら,あとは必要な連絡事項のみして早く帰します。
本気で向き合うのは2学期になってからで十分です。
さて
夏休みで,仕事術のことを考えています。
特に,前回から「組織」のことについて。
今年度から本校は教務主任が変わりました。
長くしていた先生が転勤になり,初めての先生が引き継ぎました。
「できるわけないからね~」
と口ではいいながらも,その先生も一生懸命な先生です。
やる気は伝わってきます。
もちろん,教務を任されるほどですから,仕事もできる人です。
さあ,4月。
教務は1人で職員会議の提案が10個を超えるほどあるぐらい,やることがたくさんですが,そんな中でその教務主任がしたこと。
それは「職員室の刷新」でした。
その先生が教務になるやいなや,いきなり動きだしたのです。
いらないものを捨て
棚の位置を変え
物品を整理し
掲示物を張り替え ・・・・・
誰に言うわけでもなく,黙々と一人で作業を続けていました。
すると,当たり前のように思っていた職員室の姿がどんどんと様変わりし,きれいに,スッキリとなっていきました。
「○○先生すご~い」
多くの先生から声が上がると
「前から整理したいと思ってたんだよね~」
と新教務も少し自慢げです。
新しい教務として早速なにかスタートし,アピールしたいという気持ちもあったのでしょう。
職員室はすっかりその教務主任のカラーに染まり出しました。
これでみんな大喜び
・・・・・かというと,実はそうでもありませんでした。
「使いやすくなったね~」
というれしい反応とともに,耳に入ってくるのは
「あれ,どこにいった?」
「あぁ,○○先生が触ってたよ」
とか
「…なんか,居心地がちょっとね…」
とか
「ほら,机の上きれいにしとかないと叱られるかもよ」
とか。。。。
不満気な声も上がりだしました。
職員室がきれいになってうれしいはずなのに,同僚の先生たちの本音はそういうものも少なくないんですね。
組織を考える上で,こういう言葉があります。
部分最適よりも,全体最適を!
部分最適とは,一つの集団を組織するいろいろな部分のうち,どこか一つをよくしていくことです。
全体最適とは,集団を組織する全ての部分を,同様に,均一によくしていくことです。
この新しい教務主任がしたことは,部分最適にあたるのでしょう。
とりあえず目についたある部分について,徹底して変えてしまった。
そこだけを見るとよくなっているのだが,組織とはそれだけではない。
いろんな部分が集合しているもので,それらは常にバランスをとっているものである。
そこに,ある部分だけが様相を変えてしまうと,そのバランスが崩れてしまい,結果として組織としては全体不最適になっていしまう。
そういった感じでしょうか。
長年教務をしていた先生のもと,(この先生も大変努力家の先生で,みんなから慕われていました)一定の形をつくっていた学校全体の組織があり,それは仕事を進める上で大変機能的で,そこに所属する先生たちにとっては慣れ親しんだものであったのです。
職員室の中身もそうだったのです。
そこに,そこだけに真っ先にメスを入れてしまった新教務。
もちろんよかれと思ってしていることだし,やったこと自体いいことなんですけど,組織とはデリケートなものですね。。。。
私も学級担任として,研修主任として,集団の先頭にたち組織をつくっていく立場です。
一つ学んだ気がします。