年度初めから,綿密な計画を立てて研究を進めてきた!
それが形になってきた!
公開案内も何百と発送した!
公開授業の方も準備が進んできた!
本校職員の公開に向けたテンションも上がってきた!
公開案内は二回目を配布した!
さあ,もうすぐ公開本場だ!
・・・・・って,ときに私としては思いもよらぬ心配事が入ってきました。
自分の公開授業のことでもなく,研究発表のことでもなく。
それは
「公開参加の申し込みが遅れている。」
ということでした。
第一次案内,第二次案内と各校へ配布しているにも関わらず,申し込みが集まらない…!
これは正直,打ちのめされる思いでした。
人に見せるための公開をするのに,人が集まらないなんて,問題外です。
深いため息をつきそうになったとき,校長先生が教えてくれました。
「どこも,こんなもんだぞ。」
附属校や有名研究校の公開は別なのでしょうが,一般の学校がする研究公開(年間に,たっくさんあるわけですが)っていうのは,なかなか人が集まらないそうです。
今どき。
だから,公開する学校は必ず人集めに苦労することになると。
「へぇ~ そうなんですかぁ」
なんだ,うちの研究が見捨てられているだけかと思ったら,そうではないということが分かったので,とりあえず一安心。
いやいや,安心はしてられません。
なんとかして人集めをしなくては!
ということで,これもお決まりらしいのですが,まず管理職間で直接声を掛け合って
「今度うちで○○の公開をするから,そっちの学校から○人くらいよこしてくれんかね。」
すると
「じゃあ,今度うちがするときは,頼むね。」
みたいな感じのやりとりをするそうです。
加えて,同地区の学校には,積極的に参加するよう地区の教育委員会が改めてはっぱをかけてくれます。
あとは,職員個別のお誘いです。
私も友だち先生を何人か誘いました。
「え,そんなのやるの?」
って驚かれるから,
「公文行ってるでしょ!二回も!」
「あったっけ…」
そんなものなんですよねぇ。
そうこうして,なんとか公開当日には会場がにぎやかになるほどの人たちが集まりました。
ほっとしました。
もちろんこういうやりとりなしに,本校の研究案内が目に留ったり耳に入ったりした時点で,関心をもってくれて申し込んでる人たちもいるのですが,当日公開会場に集まるたくさんの人たちは,こんな人たちばかりではないということを,身を持って知りました。
考えてみればそうですね。
私も他校の研究公開に,常にアンテナを伸ばしてるわけありません。
係から公開の案内がちゃちゃっとされますが,まったく人ごとだと思ってますもんね。
時折,管理職から
「行ってくれんか」
と,声をかけられたり,
「旅費がずいぶん余っちゃってるんだよ。だから」
なんて話を受けることがあるのも正直なところです。
うーん,自分が公開を主催する側になって初めて思いました。
これじゃあいかんよなぁ と。
研究公開はその学校の先生たちの知恵と努力の結集です。
それを見ることは,教員としての資質を高めるために,一番といっていい方法です。
なのに,先生たちは他校の研究に関心をもつことができていない。
それは言うまでもなく,現場が忙しすぎるから。
これに尽きます。
他校に出向いて積極的に学ぼうと思えるほどのゆとりが必要!
目の前の子どもや校務に向かうことで,毎日手一杯の先生ばかりなんです。
この現状がどうにかして解消されなければ,研究公開校のさびしさはずっと変わらないことでしょう。
どうすれば解消されるのか。
それはとても大きな話になるでしょう。
学校の,地域の,日本の教育システムそのものを見直すことになるはずです。
簡単には変わりません。
私にもどうすればいいか分かりませんが,今回は,そんな気持ちが初めて芽生えたというところです。