小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

担任が張り切りすぎたがために

2011-10-12 20:56:36 | 学級生活の攻略法

「忘れ物が3回たまったら罰掃除を20分して帰る」

「ノートの花マルが10個たまったら宿題一回休み券がもらえる」

「係の仕事がよくできていたと先生が認めたグループは賞状をもらえる」

「テストで70点以下の子がいた机のペアは,間違え直しを二人でして先生に見せにくる」

「朝の業間時間の本読みのときは,日直が前に立ち,きちんと本読みをしていない子を注意する」

「授業でだれかが発表したあとは『いいと思います』『ちがいます』と必ず言葉を返す」

「授業中先生が目で合図をしたときには,全員作業をやめて先生に注目する」

「朝のボランティア活動に来ていない子がいたグループは,連帯責任で全員昼休みに作業をする」

「給食は自分で食べらる量に調整してよい。ただし嫌いなものをよけることはしてはいけない。」

「宿題には必ず保護者の人の「見ました」のサインをもらってくる」

いくつも,学級に存在しそうな「ルール」を挙げてみましたが,ザッと見てみていかがでしょうか。

センスのいいと思うものもあるでしょうし,そうじゃないと思うものもあるでしょう。

子どもや学級にとっていいと思えるものも,そうじゃないものもあるでしょう。

一般的な見方から「いい」「悪い」と判断できるものもあるかもしれませんが,見る人によって判断が違うものもあるでしょう。

それはそれで当然だと思います。

これらのルールを適用する子どもたちでそれは違ってくるものです。

学級の実態によって,いいルールか悪いルールかは変わります。

学級は,多くの人間が集団となって長い時間の生活をともにするわけですから,そこにはルールが必要になってきます。

担任は,いかに適切なルールを学級に設け,子どもたちに浸透させるかが大事な仕事になってきます。

この仕事がうまくできるかで,学級の質はぐんと変わります。

ばっちりとシステム化された居心地のいいクラスになるのも,学級崩壊を起こすクラスになるのも,ここに強く関係してくると言っていいでしょう。

だから,担任の先生は必死になるものです。

子どもたちを注意深く観察して,必要なルールを設けようと目を輝かせます。

ですが,このとき注意したいのは

多すぎるルールは,集団全体のシステムを壊しかねない!

という逆の性質です。

子どもたちに適さないルールは,子どもたちの反感を買います。

子どもたちに不必要なルールは,子どもたちがうっとおしく感じます。

子どもたちに不可解なルールは,子どもたちを混乱させてしまいます。

そして,子どもたちにとって,多すぎる「と感じられる」ルールは,結局学級をだめにします。

何でも単純にルール化すればいいというものではありません。

どんなルールにも適応できるほど子どもは器用ではありません。

本当に納得して,しっくりくるルールにしか従おうとはしないものです。

そこを担任が見抜き,適切なルールを適切なルールで学級に設けることが必要です。

これは簡単なことではありませんね。

ある程度の経験がなければできないことかもしれません。

少なすぎても学級の秩序が保たれませんし,多すぎてもいけません。

集団のリーダーって,やっぱりセンスを磨かなくてはいけませんね。


先生に寄ってくる?先生から離れていく?

2011-10-10 07:31:50 | 学級生活の攻略法

学級は1年というスパンを見通して経営していくことが大事です。

1年というのは我々大人にとってはそれほど長い時間には感じられないかもしれませんが,子どもにとってはとても長い時間です。

例えば小学1年生,6歳の子にとっては,その一年は人生の1/6になるわけです。

30歳の先生の1/30とは大きさがかなり違います。

だから,その1年間の中で子どもはいろんなことを体験し,そしていろんな変化が起こり,成長していきます。

学級の組織そのものも,そうだと考えた方がいいでしょう。

学級がスタートした4月と,学級が終わっていく3月では,学級の様子は変わります。

変わります,というより,変わっていないといけないでしょう。

それが「成長」です。

そう思えば,学級のリーダーとなる担任のリーダシップのとりかた,学級経営の手法というのも,1年間の中で変わっていくべきでしょう。

子どもの成長に合わせて,クラスの成長に合わせて,リーダーが変わっていくことも必要です。

リーダーが1年間ずっと同じように子どもたちに接し,同じようにクラスをまとめようとすれば,それは実態に合わないはずですし,逆にそれが通用するクラスでは,あまりクラスとして成長できていないと思わなくてはいけないのかもしれません。

基本的に

担任と子どもとの関係は,求心力から遠心力へ!

ととらえています。

「求心力」が強く働くのは学年前半の時期です。

先生の強いリーダーシップや,憧れる人柄に子どもたちが慕ってきて,先生の教えることをどんどん吸収していきます。

その時期に,先生は授業の進め方や学級生活の在り方を子どもたちに徹底して教えます。

その学年としてふさわしい形を子どもたちに身につけさせます。

イメージとしては,学級という円の中心に先生がいて,周りにいる子どもたちはその先生に向かっているような学級の形です。

そして,先生のカラーが子どもたちに浸透し,教えが身についてきた学年後半,今度は「遠心力を働かせます。

先生に教えられたことをしっかりと持って,今度は自分たちの自主的な活動量が多くなります。

また,先生に教えられたことにから発展して,より高いものを身につけようと向上心を持ちだします。

先生は,そういう子どもたちのことをどっしりと見守り,サポートしていく役目へと変化していきます。

イメージとしては,学級という円の中心にいる先生に対して,子どもたちは背を向けて円の外側に向かっているような学級の形です。

一つの理想的な一年間の学級の形だととらえています。

この形をきちんとつくっていくのは簡単なことではありません。

学年前半に「憧れる」「強いリーダーシップ」の先生になるよう努めなくてはいけません。

学年の後半に「自主的に」「発展的に」活動できるたくましい子どもたちを育てなくてはいけません。

でもそれが,学級を1年間というスパンの中で適切に成長させていくためのリーダーの務めだと思って,その時々の自分の姿を見つめ直していくことにつながります。

さあ,10月。

1年の折り返しの頃です。

学級は,そして担任はこれからどんな風に変わっていくべきか,考えます。


活気のあるクラスと,活気のないクラス

2011-10-08 22:53:17 | 学級生活の攻略法

先生の指示を受けて動く子どもたちの様子について,クラスによってその動きに違いがあります。

テキパキと動けるクラスと,ダラダラとしか動けないクラス。

「掃除をしなさい」という細かなものにしてもそうだし,「運動会を盛り上げよう」という大きなものにしてもその差は出ます。

この差は一体どこからくるのでしょう。

要因はいろいろとあると思いますが,こんな「クラスの活気」について考える際に,一つの視点のなるものがあります。

「目的意識」というものです。

私が印象に残っている説話があります。

ある二つの国があり,それぞれにブロックを積み上げている男がいました。

片方の国の男に聞きました。

「なぜブロックを積み上げているのですか?」

男は答えました。

「王様がやれと言ったからさ。」

この男は嫌々ながらにブロックを積み上げ,作業は全くはかどっていませんでした。

次に,もう片方の国の男に聞きました。

こちらの男はせっせと作業を進め,ブロックも次から次に積み上がっていきました。

この男に聞きました。

「なぜブロックを積み上げているのですか?」

男は答えました。

「隣の国が攻めてこられないように頑丈な壁を作っているのさ。我々が平和に暮らすためにね。」

二人の男には,同じ命令が下されているのですが「目的意識」が違います。

片方の男は単に作業をすることしか伝えられていません。

だから,重たいブロックを積み上げる作業なんて嫌に決まっていて,力が入りません。

もう片方の男には,その作業の目的が伝えられています。

だから,つらい作業でもがんばれます。

王様がもっている目的意識を部下たちと共有できているかの差!

なんですね。

このことは,学級経営に関しても強く関係すると思います。

(もちろん「王様と部下」の関係ではありませんが)

先生が出す指示には,必ず目的があるはずです。

その目的は,クラスのため,学校のため,そして究極はすべて子どもたちのためになるはずです。

「掃除をしなさい」

という指示一つについても,なぜ掃除をするのかを,子どもたちに伝えるべきですね。

「教室をきれいにするために」

その言葉が添えられるかどうかに,先生のリーダーシップが表れます。

「教室がきれいだと,どんなにいいことがあるか」

を話せる先生は,さらに子どもを動かす力があると言えるでしょう。

先生は頭の中では掃除をする目的をもっていたとしても,それを子どもたちに伝えず,ただ「掃除をしなさい」ばかりを繰り返すだけでは,子どもはその活動に意味を見いだせなくなってしまいます。

何か子どもを動かす指示を出すとき,子どもたちがしっかりと動けるかどうかは,やっぱり先生の指示の出し方にかかっています。


運動会の後片付け 地味なところでガッツポーズ

2011-10-05 21:06:51 | 教師の仕事術の攻略法

運動会の閉会式が終わり,みんなで後片付けです。

子どもたちは高学年が手伝いますが,みんな一日競技してクタクタな様子です。

自分の応援席のいすを教室まで運ぶだけでも大変そう。

先生たちもクタクタなのは同じですが,やることはやらないといけません。

事前の計画にあった分担でみんな動き出します。

私はテント撤収の担当。

(…若手男性職員の運命です 笑)

25張もあるテントをプレハブ倉庫にしまいます。

さて,頭によぎるのは

(うまくやりたい)

という地味なやる気です。

運動会の数々の競技はみんなの声援を受けて華がありますが,テント撤収はもちろん誰も注目していません。

が,このやる気は教員ならではの妙なものです。(私だけか?)

実際,今回会場設営の際にこれらのテントをプレハブ倉庫から出したのですが,結構大変でした。

組み合わせが合っていなかったり,セットになっておらずパーツがバラになっていたり。

そこで,もう一人担当となっていた先輩先生とともにいくつかの作戦を立てました。

1.事前にすべての骨組みに目立つ番号を打つ。

 →16本×25張の骨組みに,他の先生の協力ももらってつけました。大変!

2.テントを解体してロープでくくる作業の仕方を,確実に統一してもらう。

 →マイクを持っている体育主任にお願いしました。

3.テントの置き場となる倉庫の床にマーキングをする。

 →当日の朝6時から,せっせとビニールーテープ10本以上使って!

4.運ばれたテントを置く際は確実に決められた場所に置かせる。

 →「12番こっち~!」「23番はまだ入らないで~!」大声を張り上げて。

結果,とてもうまくいきました。

テントがすべて入り終わった倉庫内を見て,先輩先生とうっとりしてしまいました。

実際,作業もかなり早く済んだように感じました。

一緒に作業を手伝ってくれたPTAお父さんたちにも

「こんなにうまくいったのは初めてですよ」

なんてほめてもらって,もう大満足です。

もちろん,たくさん手伝ってくださった多くの方々のおかげでもあります。

その日の夜の打ち上げでは,運動会の中身の話題よりも,私と先輩先生は

「テントがうまくいったな~!」

って,マイナーな話題で盛り上がってました(笑)

「テープにつけた番号があと5年はもってくれたらいいんだけどな~」

なんて言いながら。

その年々で,結構テントにマークをつける作業はしているんですよね。

過去の人たちも。

でも,どこかでごっちゃになって意味をなさなくなってしまっているものばかりになります。

私たちのテープは何年もつのやら。

とにかく

いろんなところに仕事のやりがいは見つけることができる!

ってことですかね!

自分次第!


今年の運動会,子どもたちの競技を見ながら…

2011-10-03 08:27:06 | 教師の仕事術の攻略法

昨日は本校も運動会でした。

昨年が「これでもか」というどしゃぶりの雨の中の開催だったのですが,今年は天候に恵まれました。

降らず,照らずでとてもやりやすかったです。

一か月の練習を経て,子どもたちはどの競技も精一杯がんばっていました。

私も係の仕事をしながら,自分のクラスの子たちはもちろんですが,いろんな学年のいろんな競技を見ていました。

今年の運動会は,私にとって,ある「初めて」がありました。

「初めて我が子をもって迎える運動会」でした。

我が子はまだ三カ月で,もちろん競技するわけではありませんし,運動会と関係はないと言えばないのですが,一日中,なにか心持ちが違いました。

競技する子どもたちを見ながら,

(うちの子もいつかこんな風に走ったり踊ったりするんだなぁ)

なんて,勝手に想像していました。

想像する我が子は,親バカですが,とてもかわいらしいものでした。

足が速いのかな?遅いのかな?

負けず嫌いな子かな?

お父さんが「一緒に家族リレー出よう」って言ったら,喜んでくれるかな?

なんて,色々と考えたりして。

(…なんて言うと,のんびりしてて仕事してなかったみたいですが,もちろんしていましたよ 笑)

そして,目の前で競技している本校の子どもたちのように,我が子も精一杯汗を流して,運動会の楽しさを満喫できる子であってほしいと期待もしました。

リレーでは上手にバトンパスできる子であってほしい。

表現運動では指先まで力を入れて踊れる子であってほしい。

自分の仲間を心から応援できる子であってほしい。

係の仕事を積極的にできる子であってほしい。

こないだ寝返りをうったばかりのまだまだ小さい我が子の,未来の運動会を想像しては,目の前の小学生の姿と照らし合わせていました。

そして

この思いは,そのまま会場に来られていたたくさんのご家族の方々の思いと全く一緒なんでしょうね。

「初めて」実感として分かった気がしました。

そういう子どもの素晴らしい姿が運動会で見られるようにするのは,まぎれもなく先生の仕事です。

だから「初めて」思いました。

親心を想像しながら,子どもの指導に当たる!

またこれまでと一味違う教育になるのかもしれません。

私も立場が変わり,私の先生像も変わっていきます。