「忘れ物が3回たまったら罰掃除を20分して帰る」
「ノートの花マルが10個たまったら宿題一回休み券がもらえる」
「係の仕事がよくできていたと先生が認めたグループは賞状をもらえる」
「テストで70点以下の子がいた机のペアは,間違え直しを二人でして先生に見せにくる」
「朝の業間時間の本読みのときは,日直が前に立ち,きちんと本読みをしていない子を注意する」
「授業でだれかが発表したあとは『いいと思います』『ちがいます』と必ず言葉を返す」
「授業中先生が目で合図をしたときには,全員作業をやめて先生に注目する」
「朝のボランティア活動に来ていない子がいたグループは,連帯責任で全員昼休みに作業をする」
「給食は自分で食べらる量に調整してよい。ただし嫌いなものをよけることはしてはいけない。」
「宿題には必ず保護者の人の「見ました」のサインをもらってくる」
いくつも,学級に存在しそうな「ルール」を挙げてみましたが,ザッと見てみていかがでしょうか。
センスのいいと思うものもあるでしょうし,そうじゃないと思うものもあるでしょう。
子どもや学級にとっていいと思えるものも,そうじゃないものもあるでしょう。
一般的な見方から「いい」「悪い」と判断できるものもあるかもしれませんが,見る人によって判断が違うものもあるでしょう。
それはそれで当然だと思います。
これらのルールを適用する子どもたちでそれは違ってくるものです。
学級の実態によって,いいルールか悪いルールかは変わります。
学級は,多くの人間が集団となって長い時間の生活をともにするわけですから,そこにはルールが必要になってきます。
担任は,いかに適切なルールを学級に設け,子どもたちに浸透させるかが大事な仕事になってきます。
この仕事がうまくできるかで,学級の質はぐんと変わります。
ばっちりとシステム化された居心地のいいクラスになるのも,学級崩壊を起こすクラスになるのも,ここに強く関係してくると言っていいでしょう。
だから,担任の先生は必死になるものです。
子どもたちを注意深く観察して,必要なルールを設けようと目を輝かせます。
ですが,このとき注意したいのは
多すぎるルールは,集団全体のシステムを壊しかねない!
という逆の性質です。
子どもたちに適さないルールは,子どもたちの反感を買います。
子どもたちに不必要なルールは,子どもたちがうっとおしく感じます。
子どもたちに不可解なルールは,子どもたちを混乱させてしまいます。
そして,子どもたちにとって,多すぎる「と感じられる」ルールは,結局学級をだめにします。
何でも単純にルール化すればいいというものではありません。
どんなルールにも適応できるほど子どもは器用ではありません。
本当に納得して,しっくりくるルールにしか従おうとはしないものです。
そこを担任が見抜き,適切なルールを適切なルールで学級に設けることが必要です。
これは簡単なことではありませんね。
ある程度の経験がなければできないことかもしれません。
少なすぎても学級の秩序が保たれませんし,多すぎてもいけません。
集団のリーダーって,やっぱりセンスを磨かなくてはいけませんね。