ワンコの日から随分と過ぎてしまったけれど、
ワンコからのメッセージを探しながら読んだ本についてだから、読んでおくれよ ワンコ
「犬firstではなく、愛」 「愛の囁きも怪しい語呂も 良い呪文」より
図書館で見つけた本の表紙の絵が、ワンコが途惑っている時に見せた表情に似ているだけでなく、表紙(カバー)の見返しにある内容紹介には、「臆病で気難しいあなたへの物語」とあるので、勢い込んで手に取ったのだけど、寓話やファンタジーが苦手な私には難しかったよ ワンコ
どこかにワンコからのメッセージが込められていると思いながら読んでいたのだけれど、ハリネズミの想像力(妄想力)と慎重さ(優柔不断)に辟易としてしまって、何度も挫折しそうになったよ ワンコ
内容紹介より (以下、『 』「ハリネズミの願い」より引用)
『ある日、自分のハリが大嫌いで、他の動物たちとうまく付き合えないハリネズミが、誰かを家に招待しようと思いたつ。さっそく手紙を書きはじめるが、もしも○○が訪ねてきたら、と想像すると、とたんに不安に襲われて、手紙を送る勇気が出ない。
クマがきたら?ヒキガエルがきたら?ゾウがきたら?フクロウがきたら?―さまざまなどうぶつたちのオソロシイ訪問が、孤独なハリネズミの頭のなかで繰り広げられる。笑いながら、身につまされながら、やがて祈りながら読んでいくと、とうとうさいごに…。オランダでもっとも敬愛される作家による、臆病で気むずかしいあなたのための物語。』
「ハリネズミの願い」(トーン・テヘレン 訳・長山さき 装幀・祖敷大輔)
http://www.shinchosha.co.jp/harinezumi/
ハリネズミは、こんな手紙を書いたんだよ ワンコ
『親愛なる動物たちへ
ぼくの家にあそびに来るよう、キミたちみんなを招待します。
・・・・・でも、だれも来なくてもだいじょうぶです。』
でも、手紙を書くなり、
『この手紙を読んだら、本当は誰にも来て欲しくないんじゃないか、と皆は思うのではないか?』と思ったり
『ハリネズミの気が変わる前に、急いで行かなきゃ』と皆は思うかもしれない、と思ったりしながら、
『送るのはやめておこう・・・・・今はまだ』と決断するのだけれど、
今度は、「今はまだ」ってどれくらい?と延々と悩むんだよ
今は、まだ、当分、ずっと、この言葉がハリネズミの頭の中をぐるぐる廻っているんだよ
結局手紙を出さないままに、50以上の生き物を紅茶とケーキでもてなす場面を思い浮かべては、
あの生き物がもし来たら、こんな会話になるだろう、あんな事も起るだろうと想像し、
悲しみ苦しみ疲れ果ててしまうんだよ
あるいは、自分の知らないところで、動物たちはお互いに訪問し合っているかもしれないと想像し、
自分を貶している場面、特にハリについて悪く言っている場面を思い浮べ、傷ついてしまうんだよ
時には、出してもいない手紙の返事まで想像して、悲嘆に暮れさえするんだよ
その想像力(妄想力)と慎重さ(優柔不断さ)は、読んでいる者を疲れさせるものがあるのだけれど、
想像のなかの会話に、「ソフィーの世界」(ヨースタイン・ゴルデル)で読んだことがある概念や言葉が出てくるから、考えさせられるんだよ
『僕はいつでも迷っているし、ときどき悲しくなるけれど、絶望することは決してない。絶望は出来ないんだ。
絶望しそうになったときには自分のなかで「おい!」という声が聞こえることを、ハリネズミは知っていた』
『でも僕は本当に孤独ではないはずだよな、と思った。自分自身がいるのだから。
自分と話したり、自分を見たりできるのだ。自分はいつもいるじゃないか』
と言いながら、鏡の前に立つところなど、かなり深く考えさせられるんだよ
『何が存在しないか知ってる?<あとで>。<あとで>は存在しないんだ。<いま>だけが存在する。』
『フクロウのようにいい目をもっていたら、もしかしてもしかしたら、極度の集中力をもってすれば<人生>と<幸福>を見ることはできるかもしれない。それでも<死>を見ることはできないのだ。だから皆<死>は存在しないと思っているのだ。だが<死>は存在するとアリは言っていた。推定上は』
ねっ 考えさせられるだろう ワンコ
ワンコ、ハリネズミが延々と悩みながらも何らかの答えを見出している箇所に共通する言葉が何か分かるかい?
それは、’’存在’’ってことだと、私は思うんだよ ワンコ
ハリネズミは、皆が自分を嫌う理由が、トゲトゲのハリのせいだと思っている
自分自身、どんな時にも意識せざるをえないハリを疎ましく思いながらも、ハリがあるからハリネズミだと分かっている
ハリさえなければ、皆に好かれるだろうと思いながら、
ハリがある自分を愛して欲しいとも願っている
自分(ハリネズミ)を自分(ハリネズミ)たらしめるものを受け入れられないハリネズミは、
’’存在’’するということへの自信や実感に乏しかったのかもしれないさ ワンコ
想像のなかの出来事に くたびれ果ててしまったハリネズミは、ある夜また悩むんだよ
『僕は誰なんだろう? 』 いや 『皆も誰なんだろう?』
悩みながらも『僕は誰にも訪ねて来てほしくないんだ』とハッキリ気づいて、
ハリネズミは、手紙を細かく破いてしまうんだよ
でもね、ワンコ
手紙を細かく破り想像するのを止めたハリネズミを、ぶらりと「ただなんとなく」リスが訪ねてくるんだよ
「ただなんとなく」リスが訪問することで劇的な変化があるのだけれど、
一気に書くには長すぎるから、ここで一本立てることにするよ ワンコ
ところで ワンコ
ワンコはよく、「ただなんとなく」私達の顔を見上げてくれたね
ワンコとしては何か言いたいことがあったのかもしれないけれど、
黙って穏やかに「ただなんとなく」見上げてくれたね
本書を読むと、その「ただなんとなく」に、どれほど私達は和ませてもらっていたのか分かったよ ワンコ
そんな感謝を噛みしめながら、続く だよ ワンコ
ワンコからのメッセージを探しながら読んだ本についてだから、読んでおくれよ ワンコ
「犬firstではなく、愛」 「愛の囁きも怪しい語呂も 良い呪文」より
図書館で見つけた本の表紙の絵が、ワンコが途惑っている時に見せた表情に似ているだけでなく、表紙(カバー)の見返しにある内容紹介には、「臆病で気難しいあなたへの物語」とあるので、勢い込んで手に取ったのだけど、寓話やファンタジーが苦手な私には難しかったよ ワンコ
どこかにワンコからのメッセージが込められていると思いながら読んでいたのだけれど、ハリネズミの想像力(妄想力)と慎重さ(優柔不断)に辟易としてしまって、何度も挫折しそうになったよ ワンコ
内容紹介より (以下、『 』「ハリネズミの願い」より引用)
『ある日、自分のハリが大嫌いで、他の動物たちとうまく付き合えないハリネズミが、誰かを家に招待しようと思いたつ。さっそく手紙を書きはじめるが、もしも○○が訪ねてきたら、と想像すると、とたんに不安に襲われて、手紙を送る勇気が出ない。
クマがきたら?ヒキガエルがきたら?ゾウがきたら?フクロウがきたら?―さまざまなどうぶつたちのオソロシイ訪問が、孤独なハリネズミの頭のなかで繰り広げられる。笑いながら、身につまされながら、やがて祈りながら読んでいくと、とうとうさいごに…。オランダでもっとも敬愛される作家による、臆病で気むずかしいあなたのための物語。』
「ハリネズミの願い」(トーン・テヘレン 訳・長山さき 装幀・祖敷大輔)
http://www.shinchosha.co.jp/harinezumi/
ハリネズミは、こんな手紙を書いたんだよ ワンコ
『親愛なる動物たちへ
ぼくの家にあそびに来るよう、キミたちみんなを招待します。
・・・・・でも、だれも来なくてもだいじょうぶです。』
でも、手紙を書くなり、
『この手紙を読んだら、本当は誰にも来て欲しくないんじゃないか、と皆は思うのではないか?』と思ったり
『ハリネズミの気が変わる前に、急いで行かなきゃ』と皆は思うかもしれない、と思ったりしながら、
『送るのはやめておこう・・・・・今はまだ』と決断するのだけれど、
今度は、「今はまだ」ってどれくらい?と延々と悩むんだよ
今は、まだ、当分、ずっと、この言葉がハリネズミの頭の中をぐるぐる廻っているんだよ
結局手紙を出さないままに、50以上の生き物を紅茶とケーキでもてなす場面を思い浮かべては、
あの生き物がもし来たら、こんな会話になるだろう、あんな事も起るだろうと想像し、
悲しみ苦しみ疲れ果ててしまうんだよ
あるいは、自分の知らないところで、動物たちはお互いに訪問し合っているかもしれないと想像し、
自分を貶している場面、特にハリについて悪く言っている場面を思い浮べ、傷ついてしまうんだよ
時には、出してもいない手紙の返事まで想像して、悲嘆に暮れさえするんだよ
その想像力(妄想力)と慎重さ(優柔不断さ)は、読んでいる者を疲れさせるものがあるのだけれど、
想像のなかの会話に、「ソフィーの世界」(ヨースタイン・ゴルデル)で読んだことがある概念や言葉が出てくるから、考えさせられるんだよ
『僕はいつでも迷っているし、ときどき悲しくなるけれど、絶望することは決してない。絶望は出来ないんだ。
絶望しそうになったときには自分のなかで「おい!」という声が聞こえることを、ハリネズミは知っていた』
『でも僕は本当に孤独ではないはずだよな、と思った。自分自身がいるのだから。
自分と話したり、自分を見たりできるのだ。自分はいつもいるじゃないか』
と言いながら、鏡の前に立つところなど、かなり深く考えさせられるんだよ
『何が存在しないか知ってる?<あとで>。<あとで>は存在しないんだ。<いま>だけが存在する。』
『フクロウのようにいい目をもっていたら、もしかしてもしかしたら、極度の集中力をもってすれば<人生>と<幸福>を見ることはできるかもしれない。それでも<死>を見ることはできないのだ。だから皆<死>は存在しないと思っているのだ。だが<死>は存在するとアリは言っていた。推定上は』
ねっ 考えさせられるだろう ワンコ
ワンコ、ハリネズミが延々と悩みながらも何らかの答えを見出している箇所に共通する言葉が何か分かるかい?
それは、’’存在’’ってことだと、私は思うんだよ ワンコ
ハリネズミは、皆が自分を嫌う理由が、トゲトゲのハリのせいだと思っている
自分自身、どんな時にも意識せざるをえないハリを疎ましく思いながらも、ハリがあるからハリネズミだと分かっている
ハリさえなければ、皆に好かれるだろうと思いながら、
ハリがある自分を愛して欲しいとも願っている
自分(ハリネズミ)を自分(ハリネズミ)たらしめるものを受け入れられないハリネズミは、
’’存在’’するということへの自信や実感に乏しかったのかもしれないさ ワンコ
想像のなかの出来事に くたびれ果ててしまったハリネズミは、ある夜また悩むんだよ
『僕は誰なんだろう? 』 いや 『皆も誰なんだろう?』
悩みながらも『僕は誰にも訪ねて来てほしくないんだ』とハッキリ気づいて、
ハリネズミは、手紙を細かく破いてしまうんだよ
でもね、ワンコ
手紙を細かく破り想像するのを止めたハリネズミを、ぶらりと「ただなんとなく」リスが訪ねてくるんだよ
「ただなんとなく」リスが訪問することで劇的な変化があるのだけれど、
一気に書くには長すぎるから、ここで一本立てることにするよ ワンコ
ところで ワンコ
ワンコはよく、「ただなんとなく」私達の顔を見上げてくれたね
ワンコとしては何か言いたいことがあったのかもしれないけれど、
黙って穏やかに「ただなんとなく」見上げてくれたね
本書を読むと、その「ただなんとなく」に、どれほど私達は和ませてもらっていたのか分かったよ ワンコ
そんな感謝を噛みしめながら、続く だよ ワンコ