どうしてこんなに楽しいんだろう!

新しいことをはじめるって楽しいですね!美味しいお酒を飲んで、好きな音楽を聴いて、ヨカバンジャー!!

東京漂流

2018年06月06日 | 読書・歴史
何がきっかけでこの本と出会ったのか・・
よく覚えていないが・・・

人間の内面を俯瞰する、余韻の残る書籍だ。

五味川純平の「人間の條件」以来の感覚だった。

人間の価値観、善や悪といった観念は、
今の環境にいるその人だけのものであり、
時代や境遇によって、
変わるものだと気づかされた。

極限の状態に追い込まれたとき、
人間はどのような行動をするのか・・・

そのひとつひとつを、
少なくとも経済的に恵まれた日本という国に住む
私たちが批評するのは違うのだと思った。

自分を犠牲にして人のために何かをする。
それはとても素晴らしいことだが、
結局は人のためでなく自分のためにやっているのだ。
という指摘も、なるほどと思った。

人間とは都合のよい動物だ。
良心や人間性をかなぐり捨て、
さんざん「物」のとりこになったあげく、
それに満たされると、
今度は「精神」をも欲しがり始めたのだ。

それは、人間としての意識の覚醒というより、
むしろ「物」に替わる
新たな別のかたちの「欲望」である。


現代社会の様々なテーマに著者のメスが入る。

思考を刺激する一冊だ。

東京漂流 (朝日文庫)
クリエーター情報なし
朝日新聞出版
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