田舎主婦の日日是好日

今日も生きてることに感謝かな。

本『方丈の孤月 鴨長明伝』 ゆく河の流れは

2022年06月16日 | 趣味・本

鴨長明の晩年の庵は、

1丈(3M)四方の正方形とのこと。

 

そんな庵で書かれた『方丈記』

いいですよねぇ。

 

ゆく河の流れは絶えずして、

しかも、

もとの水にあらず。

よどみに浮かぶうたかたは、

かつ消え、

かつ結びて、

久しくとどまりたる例なし。

世の中にある、

人と栖と、

またかくのごとし。

そして今回、

鴨長明の歴史小説『方丈の孤月』を読んだのです。

著者の梓沢要(あずさわかなめ)さんの文章に、

一気に引き込まれました。

 

鴨長明と、

同年代を生きた藤原定家に、

平清盛・源頼朝・後白河院・後鳥羽院・

西行・源実朝ら、

知ってる名前の人たちが登場するのですしね

 

人付き合いの下手な長明。

でも意外とプライドが高いのです。

 

和歌所での、

空気を読めぬ振る舞い。

 

その、

後鳥羽院和歌所では、

新古今集の編纂を途中で投げ出してしまうし、

大原に出家した身で、

秘曲尽くしの宴を催すなんてこともするのだし、

方丈の庵に移った後も、

鎌倉に下向し、

三代将軍実朝とも面談もするのですが・・・

 

ああ~

またやっちゃったと、

ハラハラするばかりの長明が描かれているのです。

 

歌詠みにせよ琵琶弾きにせよ、

実力がありながら世渡り下手である長明。

 

でも、

三大随筆の一つとされる『方丈記』を残してくれ、

世に埋もれてしまわなくて良かったと、

ホッとするような、

変な感慨が湧きました。

 

Keiさん、

そんな『方丈の孤月』の御紹介有難うございました。

 

悟りを開いた長明ではなく、

どこか守ってあげたくなるような、

お人だったのですね。

 

 

コメント (12)
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