空也:平安中期の代表的庶民宗教者。
僧名は光勝(こうしょう)。
出自については不明であるが、
皇統から出たという説がある。
ということで、
著者の梓澤要さんは、
空也を天皇の御子として書いてます。
嫉妬のような悪感情は怖いものですね。
五宮(空也)は、
醍醐天皇の皇子であるのに、
他の皇子が皇太子になってしまったことから、
母親は感情を高ぶらせ、
高殿の縁から我が子を放り投げ、
骨折させるなんてことを、
するのですよ。
その後遺症で、
五宮(空也)の左ひじは長いこと、
ねじれたままになってしまうのです。
文庫で500ページ以上の大作で、
仏教の教えが沢山詰め込まれているのですから、
理解が難しい本でもあります。
自分を捨て、
他者の利益の為だけに生きていく空也。
その空也は、
法然より200年も前に、
念仏の教えを説いた仏教者だったとのことです。
ひじの曲がりが治ると共に、
母親への、
恨みつらみが消えていくところ。
ねじくれて凝り固まっていたのは、
ひじではない、
わが心だったようだ。
この辺りも心に染み入りました。
生き生きと描かれている登場人物の、
頑魯・道盛・草笛・実頼・猪熊らが、
読後も、
私の中で生きている感じです。
Keiさん、
良いご本の紹介有難うございました。
理解はできなくも、
気高くなるような本ですね。
今読んでる本も500ページ超の本です。
今度は科学ですので、
またまた理解不能になるかもですが、
本はいいですね。