早起きして、道志川を見ながら山中湖へでた。左右に展開する清流の渓谷は残暑を忘れさせるものだった。帰りに道志川温泉で汗を流したが、ここは初めてだが、こじんまりしていて近隣の温泉よりのんびりしなかった。山中湖へ出ると、目の当たりに富士山が見えて、パノラマが広まる。朝飯は湖畔から富士山一望のホテルと思い寄ったが、レストランが工事中で、バンケットで食事と言われ、遠慮した。湖畔のレストランでの食事から、資料調べで山中湖村の図書館に行ったが、週刊誌、新聞など揃っていて、人影もなく、ゆったりした施設には驚きだった。忍野八海に久しぶりに行ったが、オフシ-ズン平日といえ人波はすごい。日が高く暑くなり始めたのと人いきれでの熱気で退散した。河口湖は相変わらず雑然とした寂しい旧温泉街と整備された湖周辺のアンバランスはちょっと暫く行く気にはなれない。帰り道、アイスクリ-ム店に人がいるので寄ったが、大したことはない。山中湖の富士は雲で覆われて、光が雲間から降り注ぐ。光景を見て、亡くなった指宿同伴親父の好きな歌劇アンドレア・シエニエ」のアリア、「ある日、青空を眺めて」が思い出される。アリアの一節を諳んじていた。「あなたは私の心を傷つけてくれましたね。深く大切ににしまっている愛の詩情を。お嬢さん、それではお聞かせしましょう。あなたがあざ笑った愛という詩を。ある日、大きな青空を見ていました。野はすみれにおおわれ、太陽は光を降り注ぎ、世界が黄金に。大地はまるで大きな宝物、大空は大地にかしずく宝石箱・・・・・。日本語訳の映像はモナコ、英訳はパヴァロッテイ、映画はコレッリ、カレ-ラスのもいいが、オペラ歌手だというのはコレッリの東京大声公演。
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