
出雲は神の国。わが故郷の元総理大臣もその言葉を口にして物議をかもした。庭園が美しい足立美術館とそれとアンマッチな近くの安来節演芸館。この奇妙な取り合わせを楽しんだ後出雲大社だが、その前に出雲古代出雲歴史博物館を覗いたが、発掘の数々には圧倒される。神の救いか篠つく雨の中、出雲大社に来たら晴れた。箱物に立ち寄りすぎで、時間の都合で参拝もせず、鳥居前の出雲蕎麦屋へ。所詮田舎蕎麦だが食べられる。どの店も多分味は変わらないだろう。松江の街は故郷金沢をどこか彷彿とさせる静かな城下街だった。金沢の2、30年前を思わせるところもある。雨は上がっていたが、降り続く雨で、堀川遊覧船は運行中止。また来てみたい街だ。写真は帰りに寄った境港駅前。街は鬼太郎で溢れかえっている。紅ズワイで有名な町は水木しげるのふるさとでもあった。
中でも初めて出会った奉書焼は珍しいことも手伝ったのか、酒が美味しくて飲みすぎてしまった。次に皆生温泉か三朝温泉辺りの宴会に出された奉書焼は余り美味しく感じなかったが、もう珍しくも無かったからかそれとも板前の腕かスズキの活きの良さが原因か。
その土地の老舗料理屋などで供されていた名物料理が旅館の宴会料理に取り入れられ始めたのは昭和30年代だろと思うが、料理屋で食べるものとはジャンルが違うのでは?と思うくらい味が変わっていたものが多い。旅館で団体に出す料理だから仕方が無かったのだろうとは思うが、そんな名物料理の味の変遷が、「名物に美味い物なし」の格言を産んでしまったのかもしれない。