二〇二五年一月十九日(日)。
早朝(午前五時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
朝食(午前八時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
昼食(午後一時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
夕食(午後六時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
おいタマさん、なんで足にごちんしに来るの?それにここ廊下だよ。しかもまだ午前四時。冷えるよ。
ごちんしたくなる時って何か言いたいことがあるんだ、タマにもよくわかんない。
その意味を汲み取ってやるのが飼い主の仕事のひとつではあるんだけどさ。いくら何でもまだ寒いって。
ん~、だんだんわかってきたかも。居間のドアもう少し開けてくれる?
こうかい?んっ、いきなり早足で走りまわっちゃ危ない!
たたたっ、ばしっ、きゅきゅ、どんっ、がしゃ、そこどいて!
こんな朝早くから走り回って、、、
タマ思い出した。朝早くにね、ご飯食べる前でも時々走り足りない気が湧いてくるんだ。
それじゃあ夜行性っていうより朝型かも知れない。薄明薄暮性と言われてて、そうだな、タマ見てるとなるほど夕食前後と朝早くによく走り回って遊ぶよね。でも今さっき、がしゃ、と変な音が混じってたな。何か当たった?
ばさっ、じゃないかな?
なんでわかるの。
テーブルに乗せてある新聞広告類はとりあえず全部床にばさっと撒き散らかさないとタマの一日が始まった気がしないんだ。
お前さんね、それ毎朝もう一度拾い上げて整理してんの誰だか知ってる?
一日一度だけじゃないかぁ。
そうなんだけどね。なんで一日一度なのかな。ちなみに初代タマは新聞広告類をはたき落とす日も時々あったけど落とさない日のほうが多かったような気がする。二代目タマは変に律儀に撒き散らしてしておくね。
起きてるよって痕跡を猫なりの書記で残したがってるんだ、きっと。
グラマトロジーかい?つい最近も言ってたけど痕跡なんて難しい言葉知ってるね。
うん。毎日飼い主の部屋におじゃまするようになって本棚部屋に出入りしてたら覚えちゃった。
覚えたとは?
痕跡って言うんでしょ?デリダだったかな、そりゃひとりの著者のでっかい本だけでだいたい十四冊くらい並んでりゃ飼い主の過去の読書歴なんて飼い猫にだってわかってくるさ。飼い猫だからこそっていうのかな。ほかの著者のもこれまたたくさん並んでて「言語的ナショナリズム批判」とかってのも覚えた。けどこれまでそんなのわざわざ買ってきてさ、買うのは全然悪いと思わないけど一度慢性の病気を患って失業者になっちゃうともう買えないわけじゃん?文学でも哲学でも一度心身を壊して長引くと貧乏するしかないもん。で見るからにバカっぽい人々がマス-コミや色んな雑誌で際どいところっていうのかな、絶妙に筋違いなことをほぼ意図的に言ってるの見て批判したくて批判しようにも第一次資料からしてなかなか手に入らないわけだしつくづく報われないなあとしみじみ思うね。
はあ?
黒猫繋がりの楽曲はノン・ジャンルな世界へ。ドゥーチー。ヒップホップと言ってしまうのは簡単だろう。では困難なのか。そういうことでもまたない。あちこちでヒップホップを見かけるようになると今度はその初期から発展期の頃に何があったのかをともすれば忘れてしまっていることがある。アンビエントが当たり前のようにメジャー化するとそのモドキのほうが一般受けして広く流通するという転倒が起きるように。だからといって転倒してしまったものを再転倒させればいいというわけでもないと思わせてくれる。