友人が久しぶりに連絡してきて、これから着物でお出かけしましょう?とのお誘い。まあ午前中であらかた仕事は終わったので昼ご飯を食べてから出かける約束をしました。
私はいつものように着物を着て待っておりますと、泥棒のごとく唐草模様の風呂敷に山と積まれた荷物を抱えてやってきた友人T。変らないねえ・・・と感心していると面倒だからこれからいく先の呉服屋で着つけてもらおうかなと。何のために買ったんだよ
それから姫を呼び一緒にいくかと聞けば行くというので自分でやらせておりますと、まだ友人はもたもたしております。肌襦袢にアイロンをかけるとか。(他人の家に来てまでやるなよ!)とりあえず暖かいから肌襦袢は省いてですね、長襦袢を着て・・・と教えるとまだアイロン片手に頑張る様子。「あの~?日が暮れる前に出かけられます?」と思わず聞いてしまいました。で何とかかんとか着物までは着ましたよ。そこからが大変。帯が結べない。単に一重太鼓です。名古屋帯です。全部秋以前の記憶を忘れている様子。手先を肩にと言っても「え?どっち?」と。やっと手先を持てば前から乗せるし「反対だよ」というと左右を逆にするし。違うって!
疲れ果ててやっとのことでお店に到着。優しいおばぁちゃん店員に頼みました。着付けを教えてやってくれと。それから40分。専門家でも難儀するほど覚えの悪い生徒だったようです。二人とも汗だらだら状態。つまり、私の教え方が悪いんじゃなくて、Tの覚えが悪いという結論。他のお客さんともお話して結論が出たのですが、何がわからなくて、何を知りたいのかもわからなくて、という人も世の中には居るって事です。これじゃあ着付け教室が何回も通うシステムなわけですね。流行るわけだ。担当店員いわく、「人の話を最後まで聞かないで自分で勝手にやるからおかしくなる。ちゃんと理解してからやらないと駄目ね」とのこと。それから色々な知識を入れても身に付かないのはやらないから。下手でも時々着てみないと忘れるわ・・・と。そうかもね。毎日着ていても物が違うと戸惑う事もあります。納得していたらやっとのことで友人登場。
口もきけない位に精魂付き果てていました。最後の捨て台詞が「出来る人には出来ない人の気持ちはわからない」ときた。
私だってねえ。最初からばっちり着付けが出来たわけじゃあないのですよ。試行錯誤はあったし、着せてもらっていた時代もありましたよ。それでも友人Tよりは着物に携わる回数も多いし、毎日着ているから上手になったのであって、努力もしないで一時にやろうなんて無理でしょう?と諭したらだんまり。
最後には「私、毎日練習してみる!」とのこと。あ、そう。まだ着物熱は冷めていなかったのね。良かったような、迷惑なような。まあ。天然な彼女ですから憎めないんです。
姫は最後まで「何で?できないのかな?」と不思議そうでした。私が五分で出来る事を30分かかるのをみたら不思議に思って当たり前か