エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)になると、トラウマの囚われからなかなか解放されないで・・・

2016-07-14 04:42:28 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 

 
スポーツ根性ものとは真逆です。
  ある意味、育ちがうまくいくのは、繰り返し気付きを与えられて、無意識の暴力から解放されていくことだ、とも言えますね。 The life cycle completed......
 

 2年前(2014年)、心理臨床学会の招聘講演で、発達トラウマ障害(DTD)について講演した、Ruth Lanius ルース・ラニウスさんらが昨年出した本、Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、神経科学、治療』の翻訳。 最終章の第7章、p.275の、アインシュタインによるエピグラフの後から。本のタイトルの訳語を変えました。

 

 

 

 

 

 この本で、私どもは、ウィリアムズ・ジェームズ(1902/2002.p.136)が「病んだ魂が…魂の牢獄の謎、すなわち、トラウマを負わされた自分に囚われて状態、について言わなくてはならないものに耳を傾ける」と呼んだものに答えを出そう、として、ここまできましたね。そのように努めてきて、私どもは、人間が耐えたくてはならない、最も深刻な痛みや苦しみを、皆さんに伝えてきました。この本の付録には、トラウマを生き延びた方々が語る、トラウマ関連の、時間、考え、身体、感情に関する変性意識(TRASC)の経験について語った、ありのままの面接の全編が収録されています。

 

 

 

 

 トラウマを負わされた自分に対する囚われ、と言われても、ピンとこない人もいることでしょう。しかし、イライラしたり、夜、眠れなかったり、不安になったりすることが、よくあるのに、自分が、なぜ、そうなっちゃうのかが分からない…。すると、どうすれば、そのイライラ、その不眠、その不安から解放されるのかも、分からない。薬を飲んでも、根本的な解決にならないから、イライラや、不眠や不安から、自由になって、自分らしくイキイキと、陽気で楽しく生きる、という感じにはほど遠い…。これが、トラウマを負わされた自分に囚われている状態と呼びます。キチンとしたサイコセラピー、ボディーワークを継続的に、定期的に、受けない限り、発達トラウマ障害(DTD)は決して解消しません。

 トラウマ関連の変性意識(TRASC)とは、また次の機会に。

 

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