無意識裡に親に密着(愛着)しているままですと、その時に感じていて、無意識に沈んでいる、悲しみや激しい怒りを、知らず知らずのうちに、身近な人に投映することになります。それが転移ですし、身近な人を自分を大事にするようには大事にできない元凶です。
p88第2パラグラフ。
母親中心の人格や父親中心の人格についての議論を参考にして、次のような、神経症的に人を大事にする関係の例に、今日よく出くわすのが、情緒的な発達から見れば、赤ちゃんのように母親に「くっつき虫」をしたまんまの男性諸君に見える時ですね。こういう人は、母親から乳離れしたことが、かつて一度たりとも、ありません。こういう男性諸君は、幼稚な感じ方しかできません。すなわち、こういう男性諸君は、お母さんから守ってもらいたいし、お母さんから大事にしてもらいたいし、お母さんから温もりを貰いたいし、お母さんから認めてもらいたいんですね。この男性諸君は、お母さんから、無条件に大事にされたい。男性諸君が必要な時には、いつでもどこででも、大事にされること。この男性諸君はいつまでたってもお母さんの子どもでして、寄る辺なき存在です。このような男性は、女性から大事にしてもらいたいと思えば、情に深く、魅力的なことが多いし、大事にしてもらった後でも、情に深く、魅力的です。でもね、この女性に対する関係(実際は、あらゆる他の人との関係も)は、表面的で、当てになりません。
私も、こういう人にはよく出くわしますね。得てして、職場でも力を持ちがちです。一見情が深く、優しく見えるからですね。でも、フロムが言うように、それは、表面的で当てにはなりません。
実際は、虐めやハラスメントをする張本人で、「人間を上下2つに分けるウソ」の亡者になってる場合がほとんどです。
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