エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

実際に心を育む三項関係

2013-06-05 04:16:51 | エリクソンの発達臨床心理
 出来事、イメージ、話し言葉と行動、という、心を作る三項関係が出てきました。これは、心理学を学んでいても、講義の形ではなかなか教えてもらえないものでした。しかし、これこそ、実際に心を育む三項関係なのです。生きて行く上で(したがって、当然、臨床をする上でも)、これ以上大事なものはない、息そのもの、生命そのものなのです。実際この大切さを私の教えてくれたのは、臨床で関わってきた子どもたち、ひとりびとりです。そしてまた、エリック・エリクソンと上智大学の雨宮慧教授です。






いまや、私も皆さんと同様に承知しているのは、最も実用的な多くの観察者たちなら認めもするでしょう、もっとも自慢はしないでしょうが、そう、これこそ政治そのものである、ということです。しかし、それではなぜ、最も実用的な多くの観察者たちは政治を描くのに、遊び、ゲーム、儀式という用語、あるいは、夢や悪夢という用語を用いるのでしょうか? 私は、遊びと夢を観察することを専門にする分野の出なものですし、この観察は、人間の宿命にとって最大の結果に臨床的に関わる中にあるものですから、私はこの本の中で明らかにしようと思っているのは、遊びが現実に対して、どのように関係しているのか、ということです。それも、様々な人生の段階で、人の暮らしの様々な形の中で、その関係を明らかにしようと思います。そこには、結局、日常生活の人間関係の力学が含まれますし、「実際の」政治に少なくとも迫るつもりです。





 心を育む三項関係がどのように育まれるのか?その一部は、「日常生活の儀式化」の中ですでに示されていますが、この『おもちゃと英知』の本全体の中で示されることとなります。
 この章はどのように要約できるでしょうか? 「共に見る」という点で、一人の人の自己形成と、世論形成、すなわち、国家を含めた集団の意思形成が、共通しているのではないか、ということです。それはまた、<私>も世論も、現実=出来事、現実=出来事に対するイメージ、そのイメージの表現としての話し言葉と行動の、三項関係から形成される、ということでも、共通しています。
 次回は、あの黒人の少年、ロバートの話です。「おもちゃの舞台」の章(p.29-39)に入ります。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 見ることの三項関係 心はこ... | トップ | 積み木遊び おもちゃの舞台... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿