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ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『大切にされなかったら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』
第2章。「心と身体を理解する,革命」,p.24,第2パラグラフから。その前もご一緒に。
夜明け前のトラウマを負わされた人たち
私は夜や週末に,病棟で過ごすことが多かったんですが,そのおかげで,医者が短い病棟巡回では見逃してしまうことに触れることができました。患者さんたちが寝ていないときに,きつく締め付けたバスローブを着て,うろつき回って,暗いナース・ステーションに話に来ることが多かったんです。夜の静けさのおかげで,患者さんたちは話しやすかったようです。ぶたれたこと,暴力を受けたこと,性的に弄ばれたことを話してくれましたが,それが,その患者さんの親だったり,親戚だったり,クラスの友達だったり,ご近所の人だったり,しました。夜ベッドの横になっていると,助けてくれる人もいないし,オッカナイままにされて,お父さんや男友達にお母さんはぶたれるのが聞こえるし,両親が,お互いに恐ろしい脅し文句を言い合っているのが聞こえるし,家具が壊れるのが聞こえます。父親のことを話す人もいました。その父親は飲んで帰ってきて,階段を上がったところで足音が聞こえて,父親が入ってくるのを待ち,ベッドから引きずり出されて,ありもしないでっち上げの理由で罰を受けた,というわけです。寝られずに,身動きもできずにベッドの中で横になり,逃げられないことを待った,という女性もたくさんいました。お兄さんやお父さんが入ってきて,性的ないたずらをしたんです,と。
朝の巡回の間に,若い医者たちは,指導教授たちに自分のケースを報告しましたが,その儀式は,病棟の研修医たちも,黙って参加することが許されていました。若い医者たちは,私が闇夜に伺った話みたいな話に触れることはほとんどありませんでした。しかしながら,後々の研究によれば,真夜中の告白は的を射たものであると確証を与える場合が多かったんです。今は分かっていることですが,精神病の治療を受けている半数以上の人が,暴力を受け,見捨てられ,気持ちを省みてもらえず,子どもの時にレイプされたり,家族内の暴力を目にしている人たちです。しかし,こういった(訳注:発達トラウマの)体験は,医者たちの巡回では,話題に上りませんでした。私がよく驚かされたことは,患者さんたちのいろんな症状を話すときに,感情がこもらないことでしたし,自分が絶望したり,助けがなかったりする原因を理解するよりも,自殺を考えたり,自分を傷つけたりする行動に出ようとすることがあまりにも多いことです。私がショックだったことは,発達トラウマ障害の人たちが,自分ができたことや自分が願っていることに,ほとんど意識を向けていないことでしたね。つまり,自分が大事に思い,大事にし,あるいは,大嫌いな人たち,何が動機で人に関わるのか,どうして発達トラウマ障害の人たちはにっちもさっちもいかなくなるのか,どうすれば心から安心できるのか,すなわち,生活の場での環境との関係に,発達トラウマ障害の人たちは無関心です。
数年後,若い医者として,臨床の中で医学モデルの特に重症事例と向き合いました。当時私は,カトリックの病院で夜勤のバイトをして,うつ病の電気ショック療法をすることに同意した女性の身体検査をしていました。私自身が知りたがりの移民でしたから,カルテを見て,生活について質問したんです。苦痛の満ちた結婚生活,困難な子育て,中絶に対する後ろめたさを語る人が多かったんです。
ヴァン・デ・コーク教授が若い時にバイトでかかわったカトリックの病院。貧しい人の医療をする病院だったんでしょう。その患者さんから聞く話から,ヴァン・デ・コーク教授は何か貴重なことを学んだようです。
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