エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#不幸と不可解

2020-03-19 07:12:09 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの
 
#ニューロフィードバック #前頭前野の機能回復

 #セロトニン再取り込み阻害剤 現世考: ニッポンの国策,北朝鮮並みの暴力と,メクラマシ作戦   言葉を用いたトラウマ治療は、変わり者から? キリスト教とシンボリズ......
 

「発達トラウマ障害 Enpedia」  

をご参照ください。  

 ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『大切にされなかったら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』 は,翻訳が終わりましたが,印象的な言葉を適宜拾ってみようと思います。 

 p.117の,ブランクから。

 今朝は,p.118の,第4パラグラフ、3行目から。

 

自分が体験した両親と生きる

 

 子ども等は誰でも,お母さんにピッタリとくっついて一心同体に成る生物的な本能があります。なのに,子どもには選択肢が1つもないんです。その子等の両親や育ての親が,心から優しくしてくれて,大事にしてくれるのか? それとも,よそよそしくて,鈍感で,相手をしてくれず,粗末にするのか? によって,その子等は,少なくともいくつかのニーズを手に入れようとして,コッソリと打つやり方を育てることになります。 

 私どもがこのコッソリ打つやり方になりかねない振舞い形を評価し,身に着けて来たのは,2人のアメリカ人科学者,メアリー・アインズワースと、メアリー・メインの業績のおかげです。また,2人の仲間は,何千時間もかけて,お母さんと赤ちゃんの観察を,何年にもわたって,行ったんです。こういった地道な研究に基づいて,エインズワースが作り出したのが,「見慣れたお母さんが居ない場面(ストレンジ・シチュエーション)」と呼ばれる研究法です。それは、赤ちゃんが一時お母さんから離れたときに,赤ちゃんがどのように反応するのかを観る方法です。かつてボールビーが観察したように,安心してお母さんにくっついて一心同体に成った赤ちゃんは,あ母さんが見えないと強い不安に陥りますが,お母さんが戻れば,歓びますし,束の間安心を取り戻すと,落ち着いて遊びに戻ります。

 しかし,安心してくっ付けないせいで,一心同体に成り損ねた赤ちゃんは,その赤ちゃんが描く絵はもっと複雑です。お母さんが振り返ってくれず,見て見ぬふりをする子どもは,不安に処するのに2つの方法を用います。研究者たちが気が付いたのは,いつもイライラしていて,お母さんに対して不満タラタラの子もいれば,おとなしくて,引っ込み思案の子もいる,ということです。どちらの集団も,お母さんと触れ合っても,気持ちを落ち着けることができませんから,安心してお母さんにくっ付いて一心同体に成れた子ども等みたいに,満足して遊びに戻れません。

 1つのパターン,「人を避けることがくっ付く代わりをする」と呼ばれるパターンでは,赤ちゃんは,お母さんを1つも気にしていないように見えます。お母さんが居なくなっても泣きませんし,お母さんが戻ってきても,知らん顔です。しかし,だからと言って,子ども等が,影響避けないんではありません。実際に,子ども等は心拍が速くなりますから,いつも過覚醒なんです。私と仲間たちは,このパターンを,「やり取りはあるのに気持ちが1つも籠らない」と呼びました。「人を避けることがくっ付く代わりをする」と呼ばれるパターンの赤ちゃんの,お母さんは,たいてい,自分の子どもに触れるのがお嫌いですこの手のお母さんは,赤ちゃんにスリスリしたり,抱っこしたりするのも、気が進みませんし,赤ちゃんと楽しいやり取りを繰り返し作り出す表情や掛け声ができません

 もう1つのパターンでは,「心配」しながらくっ付くのと「ぶつかる気持ち」がありながらくっ付くパターンと呼びますが,赤ちゃんは,泣いたり,大声を出したり,しがみついたり、泣き叫んだりして,自分に注意をいつも引こうとします「気持ちがあるのに,やり取りがない」んです。この手の子ども等は,何か目立つことをしない限り,誰も自分を見てくれない,と感じているように見えます。こういう子がひどく騒ぐのは,お母さんがどこにいるか分からない時ですが,お母さんが戻っても,あまり元気になれません。お母さんと一緒でもあまり楽しそうには見えないのに,黙っていても,あるいは,怒りながら,お母さんを気にしているんです。他の子だったら,遊ぶだろう場面でも,黙ったままで,あるいは、怒りながら,お母さんを気にしているんですから。

 赤ちゃんがお母さんにくっ付いて一心堂内になるかどうかを研究する研究者たちが考えたことは,くっ付いて一心同体に成ろうとして「出来上がった」戦略は,3つ(安心してくっ付く,人を避けてくっ付く,不安なままでくっ付く)が働くのは,特定の親が暮れる世話から一番を引き出すためでした。1つしかない世話のされ方に出会う赤ちゃん等は,その世話をされる唯一の関係に適応していきます

 

 

 アタッチメント・スタイルとは,その唯一の世話のされ方に適応した振舞い形なんです。

 安心型の人はいいですが,それ以外は、その振舞い形が不幸と不可解の源になります。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« #光る声の仕業 | トップ | #聖書の言葉 #単独者の恵み... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿