エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#突き抜けた悦び 

2016-03-12 12:11:11 | アイデンティティの根源

 

 

 
プレイフルな関わり 改訂版
  楽しい時間、と言ってもピンとこない人もいるんでしょうか? 子どもと毎日接していて、「楽しい時間」程肯定的なことはありません。最近の子どもは、「愛着障害」だ...
 

 

 問いをもって生きるって大事。

 今日は、Young Man Luther 『青年ルター』、第Ⅷ章 終章(エピローグ)のp.261の、長~い引用部分の後、7行目途中から。

 

 

 

 

 

 というのも、宗教的人間は、若い時分に、最後の課題に対する突き抜けた悦びを体験しますから、殉教者になったり、若死にして自分の使信を封印するか、あるいは、あの世を夢見ながら、1人豊かな時間を楽しむ方が、マシかもしれませんね。ナザレのイエスという若者については、あまり知られていませんけれども、あの人は中年には思えない、ということだけは確かでしょうね。

 

 

 

 

 

 「突き抜けた悦び」と訳したのは、breakthrough ブレークスルーという言葉です。突破口、飛躍と言っても、甚だ不十分です。そこには、計り知れない苦しみがあるとと同時に、それに見合った、計り知れない悦びが、必ずあるからです。突破口、飛躍と言ったら、その2つの感情体験があることを見失ってしまいやすい。

 突き抜けた悦びは、もう、言葉にすることなどできないものかもしれません。どうせ伝えることが出来ないのなら、その使信のために死んでしまうか、1人を決め込むか、後世の人の為に、少数の弟子か書物に、その使信を封印する方がマシ と考える人がいても、不思議ではありません。

 しかし、その道を選ばなかった人が、少なくとも一人いたわけですね。それがナザレのイエス、という名の若者です。

 

 

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