国立市矢川近くから見た,夜明けの朝日
今朝の聖書の言葉はἀκέραιος,アケライオス,率直さ,です。
このἀκέραιοςは,ά 否定 + κεράννυμι 混ぜる で,ですから,「混じりけのない」,と言うのがもともとの意味です。本田哲郎神父様によれば,「相手に合わせてしまう素直ではなく,正しいと思ったことをそのまま口に出す,飾り気のない率直ということ」だと言いますね。いわば,聖書が言うパレーシア,腹蔵なく自分が正しいと思っていることを素直に語る率直さのことです。
『新約聖書』のはじめ,「マタイによる福音書」の第10章16節。クリスチャンでなくても,聞いたことがある聖句かもしれません。
「蛇のように感性鋭く,ハトのように率直に」
というのが,本田哲郎神父様の翻訳です。
後段の「鳩のように率直に」は,皆さんが耳にした聖句は「鳩のように素直に」となっていたと思います。でも,日本のように集団主義だと,相手に合わせるのが「素直」ですが,ここでは「本当の自分」に合わせるのが混じりけのないことですから,自分が正しいことをそのまま口にする率直さで,多くの日本人が,避けて通る道を,実際にはイエスは勧めていることになりますね。
この聖句は,イエス・キリストが,12人の弟子を選んで,伝道する際の心得を話すところで教えてくださる,伝道指針です。あるいは,クリスチャンとして生き方を示す人生の指針と言ってもいいかもしれません。
いつも,自分が正しいと思うことを口にできる場合ばかりではないかもしれませんが,イエスが私どもクリスチャンの人生の指針として教えてくださっていることですから,肝心な時には,正しいと感じていることを語る率直さを忘れずに,生きたいものですね。
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