エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

「全身全霊で」、よろしくね。

2014-09-26 20:40:38 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 「天国の光」としか呼びようのない光の世界。

 p102第2パラグラフ。

 

 

 

 

 

 もう1つのポイントは、技術を学ぶ条件に関するものです。人は技術を、いわば、直接的に学ぶのではなく、間接的に学ばなくちゃいけない、ということです。つまり、人は技術そのものを学ぶ前に、実にたくさんの別のこと(しかも、直接関係ないんじゃないのかしら、というようなこと)を学ばなくっちゃならない、ということなんですね。大工の見習いでしたら、材木のおき方から学び始めますでしょ。ピアノを習いたての人なら、音階練習からやらなくちゃ、と言うわけです。『弓と禅』の修行を始めたら、呼吸から練習しなくちゃいけないでしょ。どんな技術でも、それを身に着けたかったら、全身全霊で体当たりしなくちゃね。少なくとも、全身全霊で関わる覚悟が必要です。自分自身の身体を、その技術を練習するための道具にしなくてはなりませんし、特に身に着けなくちゃならない、その特定の機能に関する限り、その技術に身体を合わ続けなくちゃいけません。人を大事にする技術に関しても、この技術を身に着けたいと心に決めた人なら、規律ある練習、集中力、待つことから、毎日の生活のあらゆる部面を通して、始めなくちゃぁ、ならないんですね。

 

 

 

 どんな技術でも、生半可な気持ちでは、身に付きませんよね。特に人を大事にする技術の場合は、余計にそうだと、私は思います。ですから、「全身全霊」といった、最近では、あまり使わない言葉で、あるいは、「本気になって」と言った感じで、学ぶ必要がどうしてもあるんですね。

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