エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#自分が生きている実感 #マインドフルネス #神様

2018-05-07 05:50:00 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)
 
聖書の言葉: こどもの日に,青空の下での,お使い
    子どもの日に : ≪陽気で楽しい≫温もりを   病気だから、人を惹きつける  一見強そうなルターにも、いろんな弱さがありました。 Young......
 

 

 エーリッヒ・フロムの The art of loving 『自分と人を大切にする生き方』から。

 p104の10行目途中から。久しぶりの改訂版です。

 

いくつかの簡単な練習をすると良いでしょう。たとえば、楽な姿勢(前かがみでもなく、堅苦しくもなく)で座る、眼を閉じてみる、眼の前の白い幕を見てみる、邪魔な絵や考えすべてを取り除いて見る、そうしてから、自分の息に従って見る、息に従いながら息を感じることです。さらには、「私が生きている」ことを実感してみる、すなわち、私、自分自身が生きていると実感できることは、自分のいろんな力の中心ですし、自分の世界を創り出す神様です。少なくとも、毎朝20分(可能ならば,もっと長い時間)、毎晩寝る前に,集中訓練をすべきでしょう。

 

 

 これは,マインドフルネスですね。エーリッヒ・フロムは,鈴木大拙の友人でもありますから,禅に対する理解も深かったんでしょう。

 ここでは,ニューヨークのジンドラー・メソッドやシーロット・シルヴァーの仕事を紹介しています。これは,ヴァン・デ・コーク教授が『身体はトラウマを記録する』の本の中で紹介しているマインドフルネスや体感療法に通じています。

 「私が生きている」ことを実感することは,エリクソンの専売特許かと思っていましたら,むしろ,フロムのほうが先に1956年にすでに指摘していたことが分かって,よかったですよ。しかも,この実感が,「自分の世界を作り出す神様」と位置付けている点も,エリクソンと同じです。

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