エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#自由と知恵とエネルギー #φρονῶフラネオー #若いお赤さんにできるかな? #英知としての礼拝

2018-06-16 06:52:11 | エリクソンの発達臨床心理

 
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 Identity and the life cycle  『神様と一心同体になること と 神様の命が一巡すること』 p.62の,第2パラグラフ,9行目途中から。昨日のところもご一緒に。



 口の舞台(生後一年の後半)の「重要な分岐点」は,評価するのが難しいと同時に,大切にすることは一層難しいものです。この「重要な分岐点」は,3つの発達が同時に起こります。(1)生理的「重要な分岐点」:一層自分から,取り入れ,自分にピッタリと合わせて,礼拝したいという強力な力を伴い,赤ちゃんが全体的に神経過敏になっています(神経過敏は,「歯が生えてくる」ことと口の中が他にも変わってくることが気持ち悪さに加わります)。:(2)心理的な「重要な分岐点」:その赤ちゃんが自分は一人の人間だという気付きが増してくること,それから,(3)周りの「重要な分岐点」:そのお母さんが,その赤ちゃんから,妊娠と妊娠後に赤ちゃんを心から世話している間に諦めていた様々な求めへと,全部が全部と身も心も振り向けてしまうこと。この求めには旦那さんとのフルな関係に戻ることも含まれますから,間もなくまた妊娠するかもしれませんね。


 1人のお母さんが求められることがとても多く,しかも,大切な役割ばかり。自由と知恵とエネルギーが人生で一番いる時期なのかもしれません。できなくても仕方がない,と言えるほど,課題が重くて深い

 お母さんは旦那さんにも振り向いてやる必要がありますけれども,全部が全部身も心も振り向けてしまってはいけません。エリクソンは,ここでも,聖書のギリシア語の φρονῶ フラネオー を考えて,turn away を使っていると考えられます。物の辞書によると,英語にしにくい言葉だそうです。つまり,フラネオーは,単に「考えや思いを変える」のではなくて,もともとフラネオーは,「横隔膜」を意味するフレーネから派生した動詞ですから,「腹を決めて考える」,「はらわたに沁みて生き方を決める」という意味になるのですから。

 お母さんは引き続き,赤ちゃんに身も心も振り向けて生くことが,神様の創造の秩序に叶います。四六時中はそうは問屋が卸しませんし,旦那さんも欲求不満で良からぬことを考えるかもしれませんから,そこで自由と知恵とエネルギーが大切です。

 毎日見通しを赤ちゃんと共にしながら互いに身も心も振り向けていく自由でいて,陽気で楽しいことが,日常生活を礼拝にすることです。

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