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ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『大切にされなかったら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』
6章。「身体を失くすと,本当の自分も失くすよ」,p.100の第3パラグラフ,6行目途中から。その前も一緒に。
気持ちを表す言葉をなくすこと,アレキサイミア:いろんな気持ちを示す言葉が全くない
私には夫を亡くした叔母さんが一人いまして,痛ましいトラウマを負わされた成育歴のある人でした。その叔母さんは,我々子どもにとっては,実際にはおばあちゃんでした。その叔母さんはよく訪ねてきて,たくさんのことをしてくれました。カーテンを作ってくれたり,台所棚を配置換えしてくれたり,子どもの服を作ってくれたり。しかも,とても無口でした。叔母さんは人を喜ばせることに熱心でしたが,何が楽しいのかは分かりませんでした。楽しいことを互いに楽しんで,数日した後,会話が途切れて,長い沈黙を埋めるのに苦労しました。おばさんの訪問の最後の日,私は叔母さんを空港まで車で送りました。空港では,おばさんは,お別れのぎこちないハグをしながら,涙を流しました。皮肉ではなくて,叔母さんは,ローガン国際空港の冷たい風のせいで,涙ができるわ,とこぼしました。叔母さんの身体は,悲しみを感じていたのですが,おばさんの気持ちはそれが分らなかったんです。叔母さんは,若い夫婦の我が家,一番近しい健在の親戚を,離れていきました。
精神科医はこの現象をアレキサイミアと呼びます。ギリシャ語で,様々な気持ちを表す言葉がない,という意味です。トラウマを負わされた子ども等も,大人たちも,自分が何を感じているのかわからないのは,体感の意味が分からないからなんです。トラウマを負わされた人は,子どもでも大人でも,怒り爆発していても,「怒ってませんから」といいますもんね。怖そうな顔をしていても,「平気です」といいますしね。自分の身体が感じていることが分かりませんから,自分が必要と感じていることにも,無関心ですし,自分のことを気にかける試しもありません。それで,ちょうど善い時に,ちょうど善い程度に食べることもできませんし,必要な睡眠もとることもできません。
発達トラウマ障害は,子どもでも,大人でも,自分の気持ちを言葉にすることができない人がとても多いです。自分の気持ちを言葉にできない人は,今日のところに出てきたように,食や睡眠にも障害を持つこともしばしばです。発達トラウマ障害の言葉もも大人も,いかに重度の心の病,社会病理であることがご理解いただけると思います。
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