以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

あーやっちまったんですね??

2014-11-17 14:45:07 | 日記
ウチの昔々からのお客様。。。

久しぶりのお電話です。。。

「エンジンがブルって力が無くて失火した感じの走りなんだけど診てくれる??」

お車は1995年式のW124 E320Tで御座居ます。。。


で。。。嫌な予感はしたものの、、、仲良しのお客様のことですから。。。

でも、ここ数年お車のメンテをサボリ気味だったとのことから。。。

取敢えず入庫して戴きまして。。。


はい!嫌な予感は的中致しました。。。

エンジン上のメインハーネスのHFMから来ているイグニッションコイルに行く信号線。。。

つまりHFMのイグナイターからイグニッションコイルの一次側に入力を行っている線。。。

変な樹脂でコートされたECO電線ならぬ、、、EGO電線ですから。。。

熱劣化して、電線の被覆がズタズタになって見事にショート!

HFMを壊しちゃってました。。。


このイグナイター線ね。。。思いっきり熱くなるタペットカバー上を通ってますから被覆がズタズタになるのも結構早く。。。

メインハーネスの劣化でHFMが昇天する原因の実はNo.1だったりします。。。


後は、、、プラグホールP/Kからのエンジンオイル漏れを放置してイグニッションコイルを大きくリークさせちゃって、、、

一次側を短絡状態にしちゃった何て具合でHFM内部にあるイグナイターがグー・チョキ・パー。。。


ってなコトでメインハーネスってヤツを考察するとですね。。。

極論を言えばセンサー類のハーネスショート程度じゃセンサーもCPも殆ど即死しません。。。

エアマスセンサーのハーネスショートはエアマスが死ぬだけですからまだ軽傷。。。

でも、それもレアケース。。。

インジェクターの信号線がショート?コレもあまり聞かないですね。。。

ってのはインジェクターの信号線は排気マニホールドやタペットカバーから遠いから致死率もイグナイターの信号線に比べりゃ可愛いものだと。。。

結局は高電圧に絡むトコでショートすると被害も大きくなるワケで。。。


そこでHFMが一番飛ぶ確率の高いハーネスを考察してみますとですね。。。

やはりイグナイターの出力線が一番危険なんですよね。。。


と、、、言うコトはココさえショートしなけりゃあHFM即死の確率は大幅に下がるって訳でして。。。

だからウチでは追加工数になりますがメインハーネスの新品部品のイグナイター線等で熱害を被り二次被害を出す可能性の高い部分の区間線をカットして耐熱&耐油の線に交換しちゃいます。。。



つまり、、、コレでメインハーネスが原因でHFMを飛ばすというリスクが僅少になると踏んだ作戦だって話であります。。。

要するに、、、メインハーネスの交換時期になって高価なHFMを壊さない様にする対策だって話です。


HFMのイグナイターは修理が不可ですので交換ですが、他の廃品CPからドナー提供を受ける以外に方策は無く、、、既に廃品CPも品薄で。。。

HFMの新品も凄い価格だし。。。

HFMを壊す前にメインハーネスを新品にしてその際に同時対策をしてしまえば、、、高価な爆弾を破裂させないで済むと言う寸法です。。。


使い古しのハーネスは既にズタズタでどうにもならないので新品ハーネスからの加工のみ行っています。。。


まあ、こんな手もあるってお話でした。。。(笑)