未経験者歓迎!合気道S.A.岩本道場のブログ

普段の稽古内容を中心に更新していきます。
道場の雰囲気や指導員岩本の人柄なども感じて欲しいです。

英語の勉強?

2005-11-28 23:14:13 | Weblog
女「あなたはそんなに強いのに、どうして人にそんなに優しくなれるの?」
男「強くなければ、生きていられない。優しくなければ、生きている資格がない」

レイモンド・チャンドラーの「プレイバック」という小説中のセリフとして有名だ。
私は、小説「長いお別れ」の中のセリフだと聞いていたので、高校時代に図書館で借りてきたのに、実は「長いお別れ」のセリフではないらしい。
結局、当時の私には、文字だけの本はあまりに眠すぎて、すぐに断念したので、間違いに気が付かないまま現在に至った訳だが…
どちらの小説にしろ、セリフ以外、小説の内容は全く分からない…
でも、かっこいいセリフだよなぁ…言ってみたいものだ。

このやり取りの英訳は以下の通り。
If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle, I woudn't deserve to be alive.

英語の授業みたいだが、これは「仮定法」の表現…ですよね?
仮定法は、基本的には「現実に起こっていない、もしくは、可能性の低い事」がニュアンスに入っている表現方法である。
このセリフを言った小説の中の探偵フィリップマーロウは、
(私が強くない訳はありえないが)もし、強くなければ生きてはいけない(よね?)
(私が優しくない事はありえないが)もし、優しくなければ生きている資格はない(じゃない?)
って訳せると思うのだが、どうだろう?
「男は…」と言う訳もあるが、「I ...」となっているのだから、ここは、「自分は…」と訳した方が自然だと考える。

「強さと優しさ」この相反したものに見えるものをフィリップマーロウは、
「その両方を持つことは当たり前だ!」
「持てない方がおかしい!」
という自信をこの表現から窺い知る事は出来ないだろうか?
さすが、ハードボイルド小説の登竜門と言われるだけの事はある!

武道も「力と優しさ」を内在しているものである。
基本的には、相手を倒すための技術体系を学ぶのが武術である。
身に付けた技術は、ともすれば凶器となりうる。
強さと優しさ、暴力と正義、我々武道や武術を学ぶものは、その精神性においても考えなければ、ただの無法者になってしまう。
ただ人を傷つける手段ではなくなっている故に、武の「道」と道がつくのであろう。

強くなればなる程、偉くなればなる程、人に優しくなれる人になりたいと思う。
それは、仕事や人付き合いでもその余裕が欲しい。

次回は、かなり有名なパスカルの強さと正義の話から少し語ってみようと思う。
私には学がない上、哲学書など殆ど読まない男である。
だから、それほど難しい話にはならない(できない?)ので、次回もお気軽に読んでいただきたい。
コメント
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